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【大引け概況】


30日の日経平均株価は3営業日ぶりに大幅に反落し、終値は前週末比1910円01銭(4.80%)安の3万7919円55銭だった。

 
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下げ幅は今年3番目の大きさ。外国為替市場では円相場が1ドル=141円台まで円高・ドル安に振れ、主力の輸出関連株をはじめ幅広い銘柄が下落した。日経平均の下げ幅は一時2000円を超えた。
 
きょうはリスクオフ一色の展開となり、値下がり銘柄数は1500を上回り、プライム市場全体の92%を占める文字通りの全面安商状となった。前週末の欧米株市場は総じて高く、ドイツの主要株価指数であるDAXが史上最高値を更新したほか、米国でもNYダウが最高値街道に復帰するなど強調地合いとなっている。アジアでは中国・上海総合指数や香港ハンセン指数などが急騰をみせ、世界的にも投資マインドは強気に傾いている。しかし、東京市場だけは別世界で、外国為替市場の急激な円高などの影響でリスク回避ムードが強まった。前週末27日に投開票された総裁選で石破茂氏が勝利を収めたことで、これまで買われてきた高市関連銘柄をはじめ幅広い銘柄に売りがかさむ格好に。石破新総裁は金融所得課税の強化など財務省寄りの政策に言及していたこともあってそれを警戒する売りが噴出した。
 
東証プライムの値下がり銘柄数は全体の9割を超え、全面安の展開だった。自民党総裁選の投開票が進んでいた27日の株式市場では、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の継承を掲げる高市氏の勝利が意識され、円安・株高の持ち高を形成する動きが活発だった。日経平均は27日までの続伸で2000円近く水準を切り上げていただけに、相場の過熱感を警戒した売りも出やすかった。
 
石破氏は投資家や企業への課税強化に対して前向きな姿勢を示していたことから、市場では経済政策への警戒感が強い。石破氏は日銀の独立性の尊重を明言しており、外為市場で日銀の追加利上げを意識した円買い・ドル売りが入りやすかったことも日本株相場の重荷だった。14時すぎに円相場が141円台に上昇すると、海外ヘッジファンドなどの短期筋は円安・株高の持ち高を解消する目的で断続的に株価指数先物に売りを出し、先物主導で株安に拍車がかかった。日経平均は月間では728円20銭(1.88%)下落した。下落は3カ月連続。
 

 


東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに大幅に反落した。終値は95.00ポイント(3.47%)安の2645.94だった。JPXプライム150指数も3日ぶりに大幅反落し、54.28ポイント(4.36%)安の1189.79で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で6兆1216億円、売買高は26億5万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1505。値上がりは130、横ばいは9だった。
 
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、電気機器、精密機器、電気・ガス業、不動産業などが下落。上昇は銀行業。
 
個別では、売買代金トップとなった日経平均構成比トップでもあるファーストリテイリングの下げが目立つ。また、レーザーテックをはじめ、東京エレクトロンやディスコなど半導体製造装置関連が軒並み大幅安に売られ、売買代金2位に入った三菱重工業も軟調。トヨタ自動車やホンダ、スズキなど自動車株も売られた。三菱商事や三井物産などの商社株、川崎船や日本郵船などの海運株も軒並み下落した。ソフトバンクグループ、ソニーGなども大きく売り込まれた。北海道電力、フィックスターズも大きく下落した。三菱地所、三井不動産など不動産株も大幅安だった。ほか、業績・配当予想を大幅に下方修正したASTIがストップ安売り気配、インバウンド需要や富裕層の消費減退懸念で三越伊勢丹などが値下がり率上位となった。
 
半面、日銀の追加利上げへの思惑から金利上昇の恩恵を受ける三三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループなどメガバンクが堅調、ニトリホールディングスも買いが優勢だった。楽天銀行が値上がり率トップに買われ、石破新総裁誕生で「地方創生」関連として物色されたチェンジホールディングスが急騰。業績・配当予想の上方修正を発表した日本精線、防災関連銘柄として人気化しているモリタホールディングスほか、メディカル・データ・ビジョン、能美防災、りそなHDなどが値上がり率上位となった。





 
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