
17日午後に台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が発表した25年4~6月期の決算は、純利益が前年同期比61%増で過去最高となり、市場予想を上回った。半導体関連株への買い戻しを誘発し、日経平均は後場終盤に一段高。上げ幅は一時250円近くとなった。
なった。
朝方に日経平均は一時290円あまり下落する場面があった。ドル円相場が円高方向に振れたことが輸出関連株の重荷となった。参院選の結果を見極めたいとのムードが広がるなか、先物主導で売られたものの、下値では国内投資家を中心に買い意欲もみられ、株価指数は下げ渋った。東証株価指数(TOPIX)は6月30日以来の高値で終えた。
東京株式市場でも半導体関連に連想買いが入り、ディスコが上昇に転じたほか、東京エレクトロンやアドバンテストなども急速に下げ渋った。取引開始前の市場では軟調な展開を見込む声が多かっただけに、想定外の底堅さや後場の一段高を受け、先物を売っていた投資家が買い戻しを迫られたことも日経平均を押し上げた。市場では「日本企業による企業価値向上に向けた取り組みはすぐには終わる話ではない。米国以外の国際分散投資の観点から中長期目線の海外投資家の日本株買いは続きそうだ」との指摘もあった。
一方、20日投開票の参院選の情勢を巡る不透明感、米国との関税交渉の難航が投資家心理の重荷となったほか、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが16日の決算発表後に先行きに慎重な見通しを示したことを受け、前日の米半導体関連株が総じて下落したことも逆風となり、午前の日経平均は下げ幅を300円近くまで拡大する場面があった。