きょうは、安く始まったもののすぐに地合いが急展開し、買い優勢の地合いに変わった。前日の米国株市場では米長期金利の上昇にもかかわらずハイテク株中心に買われ、ナスダック総合株価指数が最高値を更新したことや、外国為替市場で1ドル=161円台後半まで円安が進んだことなどが追い風となった。ただ、東京株式市場で買われたのは銀行や保険などを中心としたバリュー(割安)株の上昇が続き、投資家心理の改善に伴う買いが株価指数先物などにも波及した。半導体関連などハイテク株には下げる銘柄も散見された。日経平均は後場に入ると先物を絡めた買い戻しが加速し、フシ目の4万円大台を回復。後場取引終盤は伸び悩んだものの高値圏で売り物をこなし切った。
午後に外国為替市場で円安・ドル高が進むと、日本株相場への先高観を強めた海外短期筋などから先物への買いが活発化し、上げ幅を広げた。東証株価指数(TOPIX)は連日で年初来高値を更新し、1990年1月以来34年半ぶりの高値を付けた。
TOPIXは3日続伸し、終値は32.34ポイント(1.15%)高の2856.62だった。今秋の米大統領選挙でトランプ前大統領の勝利が意識されはじめ、財政悪化やインフレが高まる可能性から1日のニューヨーク債券市場で米長期金利が一時4.49%と約1カ月ぶりの水準まで上昇。2日の国内債券市場でも長期金利が上昇したことから、利ざや改善期待が高まる形で金融株への買いが続いた。三菱UFJは一時、2006年以来約18年ぶりの高値を付けた。
午後の東京外国為替市場で円相場は一時1ドル=161円台後半まで下落し1986年12月以来およそ37年半ぶりの安値を更新した。円相場の下落と並行する形で先物や、機械など輸出関連株の一角に買いが強まった。
市場関係者は「円安進行で企業業績の上方修正期待が高まっているにもかかわらず、割安に放置されている銘柄が多いとの見方が投資家の間で増えている。経済の不透明が強い中国などから日本株に資金を移す動きもみられる」と話した。
さて、東京株式市場はバリュー株が主導する形で本日もしっかりと水準訂正を継続。トピックスは1990年1月以来の高値となり、過去最高値(2886)更新が完全に視野に入っている。円安も勢いが止まらず1ドル=161円台後半へ。日米金利差は3%以上もあり依然としてドルを持たないリスクの方が勝っている。日本は金利上昇下の円安でその恩恵を受ける資産に資金が集中しつつある。