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【大引け概況】


8日の日経平均株価は4営業日ぶりに反落し、終値は前日比395円20銭(1.00%)安の3万8937円54銭だった。

 
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きょうは終始買い手控えムードが強く、日経平均の下げ幅は一時500円を超えた。前日の米国株市場では米長期金利の上昇を背景に株式市場の相対的割高感が再燃、NYダウなど主要株価指数が揃って下落した。
 
中東情勢の緊迫化を受け原油市況の上昇が止まらず、米10年債利回りが約2カ月ぶりに4%台に乗せたことが嫌気された。これを受けて東京株式市場でもリスク回避目的の売りが噴出し、日経平均は前引け時点で3万9000円台を割り込んだ。前日まで上昇が目立った銀行や保険などの金融株が大幅安となったほか、電子部品株も下落した。
 
後場は下げ渋る場面もあったが、終始マイナス圏で3万8000円台後半での推移となった。
為替が1ドル=147円台に入るなど円高が嫌気されたほか、アジア株市場では香港ハンセン指数が大きく下落したことが警戒材料となっている。日経平均の下落率は1%にとどまったものの、個別株では値下がり銘柄数が全体の84%を占めるなど、売り圧力が強かった。
 
8日の香港株式市場でハンセン指数が大幅に反落した。大型連休明け後、最初の取引日だった中国・上海株式相場は大幅上昇で始まるも、買い一巡後は急速に伸び悩んだ。中国の国家発展改革委員会は午前に記者会見を開催した。内容は今までの景気対策の振り返りなどが中心で、市場で期待が強まっていた早期の追加財政支出については言及がなかったため、失望売りが膨らんだ。東京市場でも安川電や資生堂といった中国関連銘柄が売られ、日経平均の下げ幅は500円を超える場面があった。
 
午後に円相場が伸び悩むと、日経平均は下げ幅を縮小する場面もみられた。円相場は正午前に1ドル=147円52銭近辺まで買われる場面があったため、148円台に円相場が伸び悩んだのをみて、海外短期筋などが株価指数先物への売り圧力を弱めたとの見方があった。
 
 
東証株価指数(TOPIX)も4営業日ぶりに反落した。終値は40.24ポイント(1.47%)安の2699.15だった。JPXプライム150指数も4営業日ぶりに反落し、17.51ポイント(1.42%)安の1214.86で終えた。 
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆9410億円、売買高は17億9372万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1386。値上がりは241、横ばいは19だった。
 
業種別株価指数(33業種)は証券・商品先物取引業、卸売業、輸送用機器などの下落率が大きかった。上昇は、精密機器、電気・ガス業、鉱業。
 
個別では、売買代金トップのレーザーテックが安く、ディスコ、東京エレクトロンなども冴えない値動きとなった。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも売りに押される展開。前日買われた千葉銀行、コンコルディアFG、野村HD、第一生命HDなど金融株が総じて売られた。また、損保会社から査定業務の委託を受ける東京損保鑑定がランサムウェアの攻撃を受けたと発表したことで情報漏洩の警戒感が先行し、SOMPOホールディングス、MS&ADなど損保株もさえない。トヨタ自動車、ソフトバンクグループが下値を探り、キーエンス、メルカリなども安い。ネクステージが急落、シュッピン、ライフコーポレーションも大幅下落。日本ペイントホールディングスが値を下げた。
このほか、中国株の荒い値動きが嫌気されて資生堂、安川電機、ファナックなど中国関連銘柄も売られた。
 
一方、アドバンテストは半導体株安の中で逆行高を演じ4連騰、自社株買いなどが材料視されて富士通が年初来高値を更新する強い動きとなったほか、ニトリHD、ニチレイ、大塚HDなど円高メリット銘柄の一角が上昇。このほか、フジクラ、アドバンテスト、コニカミノルタ、セイコーエプソンなどが買われた。リクルートホールディングス、テルモも買われ、TSIホールディングスが大幅高、JPホールディングスも物色人気を集めた。ミダックホールディングス、日東紡績などが上昇した。


 
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