前日の米株式市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ちで持ち高調整の売りが優勢となりNYダウは267ドル安と9日続落。ナスダック指数も下落した。
日米の金融政策を決める会合を前にソフトバンクグループ(SBG)などの値がさ株を中心に売りが出て、相場を押し下げた。
「ホンダと日産自動車が経営統合へ」という18日付の日本経済新聞朝刊の報道をきっかけに自動車株は上昇が目立ち、下値を支えた。
日産自動車はホンダとの経営統合が実現すれば経営改善につながるとの期待から株価は制限値幅の上限(ストップ高水準)まで買われた。ホンダは現時点で日産自動車とのシナジー効果を織り込むのは難しいとの受け止めから後場に下げ幅を拡大した半面、自動車業界の再編加速への思惑から三菱自やトヨタ、マツダにも物色が広がった。
日本時間19日未明にFOMCの結果が明らかになる。米連邦準備理事会(FRB)は今回のFOMCで0.25%の利下げを決めるとの予想が多い。一方、米経済が堅調さを保つなか、政策金利見通し(ドットチャート)では25年の利下げ回数が前回9月時点よりも少なくなるとの観測がある。今後の米金融政策を巡る不透明感から、前日の米株式市場でダウ工業株30種平均が約47年ぶりとなる9日続落を記録。好調だったハイテク株にも売りが広がった。
19日は日銀の金融政策決定会合の結果も発表される。今回の会合では利上げを見送るとの観測が漂うが、市場では「物価高や足元で円相場が円安・ドル高に振れていることを背景に日銀に対する追加利上げ圧力は強まっている」との見方もある。きょうは金利の上昇局面で買われやすい銀行や保険の一角が上昇した。
注目のFOMCでは、0.25%の利下げ自体は完全に織り込まれており、焦点はドットチャートやパウエルFRB議長の会見内容だ。来年の利下げ回数が少なくなるとみられており、この結果を受けた為替動向には注視する必要がある。また、日銀の金融政策決定会合の結果にもある程度影響を及ぼす可能性もあり、あす午後3時半から始まる植田和男総裁の記者会見で今後の利上げについての発言にも神経質にならざるを得ないだろう。もっとも、日米の中銀イベントが通過後はアク抜けが意識される可能性もあるため、底堅さは意識されそうだ。