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【大引け概況】
30日の日経平均株価は大幅に反落し、前日比498円83銭安の2万7283円59銭で終えた。1月6日以来の安値となった。
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前日の米株式市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)を経てテーパリング(量的緩和縮小)に対する警戒感が後退したことが引き続き好感され、NYダウとナスダック指数は上昇した。ただ、東京株式市場は値を下げてスタートし、後場にかけ下げ幅を拡大し一時500円を超す下落となった。月末の下落は11ヵ月連続と月末安のアノマリー(経験則)は継続した。
 
国内で新型コロナウイルスの感染に歯止めがかからず、大阪府などに緊急事態宣言が追加発令される見通しとなった。経済活動の正常化が後退する懸念が広がった。
 
29日に国内で確認されたコロナの新規感染者数は初めて1万人を超えた。感染力が強いとされるインド型(デルタ型)も急拡大しており、警戒感が強まっている。政府は30日夕にも、8月2日から31日の期間で大阪府や首都圏3県を宣言対象地域に追加することを決める見通し。東京都と沖縄県の宣言期間も31日まで延長される見込みとなった。
 
29日に発表した米アマゾン・ドット・コムの決算で増収率が鈍化したことなどをきっかけに日本の取引時間中の米株価指数先物が下落。中国当局のネット企業への統制強化を嫌気して混乱が続いた香港株式市場でハンセン指数が大幅安となったのも回避姿勢を強めた。
米経済指標の公表などを控えた週末の月末で持ち高調整の売りも出て相場を下押しした。
 
市場からは「月末安傾向の影響もあろうが、米国株が腰砕けになれば、連鎖安は避けられないだけに下値リスクがチラつく。好決算が出てもそれほど株価は伸びず、または安くなるなど反応の鈍さもうかがえる」との声が聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は反落し、26.35ポイント安の1901.08で終えた。JPX日経インデックス400も反落した。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆8469億円。売買高は12億3671万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1875だった。値上がりは275、変わらずは40銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では医薬品、その他製品、情報・通信業の下落が目立った。上昇は海運業、ゴム製品の2業種だった。
 
個別では、ソフトバンクGやレーザーテックが2〜3%下落し、任天堂は4%近い下落。トヨタ自やソニーGもさえない。決算発表銘柄ではファナックが6%超の下落。業績上方修正にもかかわらず、材料出尽くし感や部品調達への懸念から売りが出たようだ。富士通は受注の回復が鈍いと受け止められ、9%近く下落した。アンリツが大幅下落した。三越伊勢丹、任天堂も売られた。
 
一方、決算が好感されたキーエンスは4%超の上昇。前引け後に決算発表した商船三井が12%を超える上昇となり、郵船など他の海運株にも買いが波及した。その他ではルネサスやデンソーが上昇し、神鋼商はストップ高。トーメンデバは買い気配のままストップ高比例配分となった。
 
東証2部株価指数は前日比74.05ポイント安の7678.15ポイントと反落。
出来高1億4521万株。値上がり銘柄数は132、値下がり銘柄数は268となった。
 
30日に東証2部に新規上場したAIメカは公開価格(1920円)を上回る1941円で初値を付け、終値は1707円だった。
 
個別では、高田工業所、クシム、STIフードホールディングス、ポラリス・ホールディングス、クロスプラスなど17銘柄が年初来安値を更新。千代田化工建設、黒田精工、日本アビオニクス、ウイルテック、富士古河E&Cが売られた。
 
一方、高砂鐵工がストップ高。ジー・スリーホールディングスは一時ストップ高と値を飛ばした。ブルボン、クリヤマホールディングス、バイク王&カンパニー、安楽亭、三谷商事など7銘柄は年初来高値を更新。セキド、NCS&A、アオイ電子、ダイトーケミックス、セーラー万年筆が買われた。
 
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