前日の米国株市場では利下げ観測を拠りどころにNYダウなど主要指数がいずれも反発したものの、きょうの東京株式市場では、朝方は気迷いムードのなか前日終値を挟んで方向感に乏しい値動きを強いられた。
13日にホルムズ海峡近くで2隻のタンカーが攻撃されたことで地政学リスクが意識されたほか、米国では半導体デバイス大手のブロードコムが通期決算見通しを下方修正し、時間外で株価を急落させたことも半導体セクター中心にネガティブに作用した。東エレクなど半導体関連が売られたことも相場を下押した。
しかし売り一巡後は、株価指数先物買いを交え、買い優勢となった。
13日の米長期金利が米利下げ観測を背景に低下したものの、外国為替市場で円高・ドル安進行は限定的だったことで、輸出関連銘柄の売り持ち高を形成していた投資家が持ち高調整の買いを入れ、相場を支えた。
引け後に発表される米中経済指標を見極めたいとの思惑も強く、後場にかけてこう着感を強めた。
市場からは「中東でのタンカー攻撃による株式への影響は個別にとどまり、地政学リスクは朝方にいったん織り込んだ。日経平均は25日線を上回る下ヒゲ陽性でSQ値をクリアし、良い感じになってきた」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は5.21ポイント高の1546.71だった。JPX日経インデックス400は反発した。終値は前日比47.09ポイント高の1万3760.41だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆18億円、売買高は10億6848万株だった。値上がり銘柄数は1303銘柄、値下がり737銘柄、変わらず102銘柄だった。