朝方は売りが先行した。前日の米国株市場で主要株価指数が軟調だったほか、個別にエヌビディア<NVDA>が再び下値模索の動きとなったことで、買い手控えムードが強かった。注目されたFOMCでは利下げは見送られたが、これについては事前に織り込まれていたものの、声明文がタカ派寄りであったとの見方が全体相場の重荷となりセンチメントが悪化した。
しかし、東京株式市場では前日に好決算を発表したアドバンテストが買い直され、これが起点となってその他の半導体主力株にもショートカバーを誘発、全体相場を押し上げる背景となった。その後は株価指数先物への買いも断続的に入り、上げ幅は200円に迫る場面があった。
午後に一段高となった後は再び伸び悩むなど不安定な展開で、3万9500円を上回る水準では利益確定売りや戻り待ちの売りが出やすかったとみられる。
外国為替市場では円高・ドル安が進み、円相場は一時1ドル=154円台前半まで上昇した。機械など一部の業種は売りに押され、相場の重荷となった。市場では「日米の金融政策決定会合が終わり、市場の関心がファンダメンタルズに移るタイミングなので、手掛けづらさから方向感に欠く展開だった」との声が聞かれた。
15時過ぎに伝わった日銀の氷見野良三副総裁の講演内容については、「足元では株式市場への影響は限定的」との受け止めが聞かれた。