前週末の米国株市場が総じて強い動きを示したほか、取引時間中も中国、香港株などが堅調に推移したことで、投資家のセンチメントは強気に傾きやすい地合いだった。
ただ、日経平均2万9000円台後半は戻り売り圧力が強く、全体商いもボリューム不足で上値の重い展開は相変わらず。
日米首脳会談はあまり材料視されず特にテーマ買いの動きには発展しなかった。一方、共同声明で「台湾」に言及したことが、日中間の関係悪化につながるとの見方もあったが、中国関連株に位置づけられる銘柄に売りが出るということもなかった。国内の新型コロナウイルスの感染拡大に対するマーケットの反応も希薄で、小売関連株はやや売り優勢も高安まちまちの展開だった。
新型コロナウイルスの感染者数が増えており、大阪府の吉村洋文知事は緊急事態宣言を政府に要請する意向を表明した。東京都も要請を視野に検討をはじめており、経済活動が一段と抑制されるとの見方は相場の重荷になった。
日経平均は下げに転じる場面もあり、上値は重かった。日経平均の前営業日からの変動幅は昨年9月1日の1円69銭安以来の小ささだった。16日に開かれた日米首脳会談の後の共同声明では「台湾」を明記し、日米と中国の経済関係が悪化するとの懸念もくすぶった。一方、半導体分野では安定した供給網(サプライチェーン)づくりでの協力を確認し、19日の東京市場では半導体関連銘柄が買われた。
JPX日経インデックス400は反落した。終値は前週末比43.88ポイント安の1万7621.43だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、4.31ポイント安の1956.56となった。
東証1部の売買代金は概算で2兆601億円。売買高は9億1823万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1000、値下がりは1094、変わらずは96銘柄だった。