
前週末の欧米株が全面安に売られた流れを引き継いでリスクオフの地合いが加速した。特に米国株市場でハイテク株に売りがかさんだことを受け、半導体セクターを中心に先物主導で大きく値を下げる主力銘柄が相次いだ。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが前週末8月29日、中国の電子商取引最大手アリババ<BABA>が新しいAI半導体を開発したとの報道を受け、米株市場ではエヌビディア<NVDA>が売られており、トランプ米政権が中国への半導体輸出規制を敷くなかで中国は自国での開発を強化しているとみられる。米中間でAI半導体の開発競争が激化すれば米半導体需要が減少し、日本の半導体関連企業も影響を受けるとの懸念が広がった。アドテスト、東エレク、ディスコなどに売りが膨らみ、ソフトバンクグループ(SBG)の下落も目立った。AI関連と位置づけられるフジクラなどの電線株も下落した。
日経平均はフシ目の4万2000円台を下回り、900円近く下落する場面もあったが、その後は下げ渋る動きとなった。
個別株は内需を中心に買われるものも多く、値上がり銘柄数もプライム市場全体の46%を占めた。売買代金は4兆円台をキープしたものの盛り上がりを欠いている。
朝方から相場が下落するなか、株価指数先物に海外短期筋とみられる売りが強まると日経平均は一段安となり、後場寄り直後には下げ幅を900円近くに広げた。1日は米全市場がレーバーデーの祝日で休場とあって、手じまい売りが膨らみやすかった。
一方、日経平均が節目の4万2000円を割る場面では押し目待ちの国内投資家からの買いが指摘され、その後は下げ渋る展開となった。医薬品のほか、食料品、電鉄といった内需株を中心に上昇した。
さて、東京株式市場は日経平均が一時下値を試す展開となったが、最終的には4万2000円台をキープする1日となった。中国と米国の半導体を含めたAI開発競争が激化しており、中国が台頭する分、日本を含めた西側のシェアが低下する懸念が膨らんだ。一方、下値は25日移動平均線(4万2063円)にタッチし終値ベースではサポートされる形。明日以降も同線が日経平均の下値を守るだろう。