前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに連日の新高値となるなど堅調だったことから、朝方からリスクを取る動きが優勢だった。注目された11月の米消費者物価指数(CPI)は市場コンセンサスとほぼ一致し、投資家心理は強気に傾いた。朝方取引開始前に発表された日銀短観も業況判断が改善し、全体相場にポジティブに働いた形だ。
ただ、買い一巡後は上値の重い展開になった。日本時間あす未明に予定されるFOMCの結果発表と、パウエルFRB議長の記者会見の内容を見極めたいとの思惑が様子見ムードを助長した。個別では半導体セクターへの買いが日経平均の押し上げに寄与した。ただ、日経平均、TOPIXともに高く引けたが、個別株は値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回っている。
国内では日銀が13日朝方に発表した12月の日銀短観で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業でプラス12と3四半期連続で改善した。半導体の供給制約の緩和が景況感の改善につながった。
先行きの業況判断は悪化する見通しが示され、日本株の上値追いの材料としては力強さに欠けるとの受け止めもあった。
市場には自民党の政治資金を巡る国内政治の混乱が日銀の金融政策に影響を与える可能性を指摘する声もあり、様子見ムードが一段と強まって相場の上値を抑えた。
注目のFOMCは、政策金利の据え置きが見込まれているが、今回は政策金利見通し(ドットチャート)が発表され、2024年末の中央値が前回の2回の利下げから変化があるのか注目されている。また、パウエル氏の会見では、来年の利下げの開始時期について言及するかにも関心が集まっている。ただ、FOMCを波乱なく通過しても、来週には日銀の金融政策決定会合が控えていることから、引き続き積極的な売買は手控えられそうだ。