20日の米株安をきっかけに、時価総額の大きな主力株に利益確定売りが出た。銀行や保険など金融株の下げが目立った。
米税制改革法案の成立が確実になる中で、当面の好材料が出尽くしたとみた海外投資家などが売りを出した。北朝鮮軍の兵士1人が軍事境界線を越え韓国側に亡命したことが伝わり、北朝鮮を巡る地政学リスクの再燃も意識された。
一方、外国為替市場では米長期金利の上昇を反映してドルが買われ、1ドル=113円台前半の推移と円安が進んだことは下値を支える材料となった。
午後には日銀の上場投資信託(ETF)買いが入るとの観測から日経平均は一時上昇に転じたが、心理的節目の2万3000円を意識した利益確定売りが出て20日終値(2万2891円)近くでの小動きとなった。
JPX日経インデックス400はわずかに反落した。終値は前日比1.62ポイント安い1万6138.80だった。東証株価指数(TOPIX)は小幅に続伸。1.45ポイント高の1822.61で終え、年初来高値を連日で更新した。
東証1部の売買代金は概算で2兆3215億円。売買高は14億5182万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は742と、全体の約36%を占めた。値上がりは1224、変わらずは96銘柄だった。
個別では、三井住友FGやみずほFGなどメガバンクが冴えず、りそなHDなど銀行株も下落した。ファストリや信越化など値がさ株も下げた。三井不や住友不も安い。
日本オラクル、ソリトンシステムズなどが大幅安、日本ペイントホールディングスも下落した。パーク24、アルテックなども値を下げた。
一方、トヨタの過去最高となる世界販売計画を受けて部品を供給するデンソーは年初来高値を更新した。村田製や三菱電、日電産が上昇し、SMCやクボタも上げた。月島機械、パソナグループが急伸、ヒマラヤも値を飛ばした。オハラが商いを伴い大幅高となったほか、ヤマシンフィルタ、フリービット、有沢製作所なども物色人気となった。
東証2部株価指数は前日比11.44ポイント高の7227.58ポイントと3日続伸した。値上がり銘柄数は227、値下がり銘柄数は221となった。
21日に上場したプレミアGの終値は初値に比べ4%高い2315円だった。
個別では省電舎ホールディングスがストップ高。日本電通、弘電社、福留ハム、エイジア、ユタカフーズなど22銘柄は年初来高値を更新。大興電子通信、オーミケンシ、岡本工作機械製作所、アサヒ衛陶、高砂鐵工が買われた。
一方、価値開発、オーベクス、フライトホールディングス、スーパーバッグ、昭和ホールディングスなど13銘柄が年初来安値を更新。フジ日本精糖、カワタ、イサム塗料、アグレ都市デザイン、ニッセイが売られた。