
前日の米株式市場で主要株価3指数がそろって下落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落率は2%を超えた。トランプ米政権が米国製のソフトウェアを使用した製品について、中国への輸出制限を検討していると一部で報じられ、米中関係を巡る警戒感が再燃した。一部のハイテク企業の決算について物足りないとの見方が広がったことも重荷となり、エヌビディアなど主要な半導体株が下落した。米国株安を背景に、東京株式市場ではアドテストや東京エレクトロンなど値がさの半導体関連株に売りが波及した。日経平均は朝方に900円を超す下げとなる場面があった。
フシ目の4万9000円を割り込んだものの、押し目買い意欲も顕在化した。不動産や食品など内需関連株には出遅れ感や値ごろ感からの買いが入った。防衛関連などテーマ性に着目した物色も続き、日経平均の下値を支えた。
業種別では情報・通信や電気機器、証券関連が1%を超す下げとなった。一方、ロシア企業への制裁を受けた原油先物相場の上昇を受け、鉱業や石油・石炭製品の上げが目立ったほか、不動産業が堅調に推移。このほか造船関連株の一角にも資金が流入した。
さて、東京株式市場は指数として日経平均の下げがやや際立っているが、米国でハイテク株や半導体株が売られた影響が偏って出ていることで、内容的には高市政権の政策を買う内需主導の安定した相場となっている。日経平均は5万円の大台を目指す流れにあり、今はこの辺りで足場を固めておいた方がいい状況にもある。明日は週末で模様眺め的な相場となるだろうが、押し目買い有利の状況はまだ続きそうだ。