前日の米国株式市場では主要株価指数が揃って続落。インドや中南米などで新型コロナウイルス変異種感染が再び拡大、世界経済の回復を抑制するとの懸念が高まり、景気敏感株を中心にハイテク株まで全般売り優勢となった。欧州市場も軒並み大幅安となった。
国内でも大阪府が3度目の緊急事態宣言の発出を要請したほか、東京都でも要請の方向と伝わったことで投資家心理が大きく悪化。今後の企業決算で保守的な会社計画が相次ぐのではないかという警戒感が高まった。日経平均は440円安でスタートすると、そのまま下げ足を速め28500円を割り込む場面も。後場は、前日と合わせて1200円超下落した突っ込み警戒感から下げ渋ったが、戻りは鈍く安値圏での推移が続いた。
鉄鋼株や非鉄株など景気敏感株を中心にほぼ全面安だった。
大型連休の経済活動が大幅に制限されるのは避けられないとの見方が投資家心理を悪化させた。
日経平均は後場に一段安になり、700円安に迫る場面があった。日銀が前日の大幅な株安で上場投資信託(ETF)を買い入れなかったのに続き、21日も買いを見送ったのではないかとの一部観測が重荷になった。
市場からは「日経平均は明確に75日移動平均線を下回り、日足一目均衡表上の『雲』も下抜けてきた。これまでの下値支持線を次々に割り込み、調整色が強まりつつある。昨年3月安値を起点とするトレンドラインの水準は直近2万8000円強で、ここを維持できるかどうか目先正念場と言えよう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は大幅に3日続落。終値は前日比350.52ポイント安の1万6989.96だった。東証株価指数(TOPIX)も大幅に3日続落し、38.07ポイント安の1888.18で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6462億円。売買高は12億6232万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は2028と全体の9割超を占めた。値上がりは132銘柄、変わらずは31銘柄だった。