
きょうは強弱観対立のなか、朝方は日経平均が高い場面もあったが、買い一巡後は利益確定売りに押される展開となった。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が揃って下落したほか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も軟調で、東京市場でも半導体関連株などへの売りを誘発した。高市新総裁のもとでの経済政策が財政拡張路線を歩むとの思惑が円売りを誘い、1ドル=152円台半ばまで円安が進んだことで、これが株価の下支え効果をもたらしたとの見方もある。金市況の上昇などを背景に非鉄株が買われたほか、銀行株も強い動きを示し、TOPIXは小幅ながら4日続伸で取引を終えている。
日経平均は前日までに連日で最高値を更新していた。ソフトバンクグループ(SBG)やアドテストなど、ここまでの上昇をけん引してきた銘柄に利益確定売りが優勢となった。7日の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下落したのも、東京株式市場での半導体関連株の重荷となった。
自民党の高市新総裁による政策は財政悪化につながるとの見方が市場で意識されている。「『高市トレード』が一層加速すれば、過度な円安・ドル高と国内長期金利の上昇(債券価格の下落)で『日本売り』が連想され、株式相場にも重荷となる」との声があった。
日経平均は前日の最高値(4万7950円)を上回り、4万8000円台で推移する場面も多かった。外為市場では円の対ドル相場が1ドル=152円台と、約8カ月ぶりの安値をつけた。自動車など輸出関連株の一角には買いが先行し、相場の支えとなった。市場では「海外勢は半導体関連から、中小型株を含め幅広い業種に物色の裾野を広げていた」との声があった。
さて、東京株式市場は過熱感が意識されて本日は伸び悩む展開。上場全銘柄で算出する指数トピックスは小幅がらも4日続伸と安定感は維持しているが、さすがに短期間に上げ過ぎた影響はじわりと表れ始めているようだ。もっとも、押してもまだわずかで目先は微調整の範囲で足場を固めてくる可能性が高そう。心理的な節目でもある4万8000円前後で今週はもみ合う流れとなりそうだ。