寄り付きこそわずかに買いが先行したが、すぐに大口の売りに押され前日終値を割り込む展開となった。
その後は次第安の動きを強いられたが、引け際にインデックス買いが入り下げ渋った。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株指数の上値追いが続き、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は7連騰で最高値を連日更新した。
しかし、日経平均の2万2000円台半ばは戻り売り圧力が厚く、この地合いを引き継ぐことができなかった。
米国が中国のIT(情報技術)企業に対する規制を強化しているのが日本のハイテク株にとっても逆風になった。香港ハンセン指数の下げに歩調を合わせた株価指数先物への売りが主導し、日経平均は下げ幅を200円超に広げる場面もあった。日本の3連休を控えた様子見ムードも広がりやすく、一方的に下げる展開とはならなかった。
トランプ米大統領は6日、中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に関わる取引を45日後に禁じる大統領令に署名した。騰訊控股(テンセント)が手掛ける「ウィーチャット」も同時に禁じると表明した。中国はこのところIT投資を活発にしてきたが、米国による圧力強化で勢いが鈍化するとの懸念が意識された。テンセント株は大幅に下落した。中国電子商取引(EC)大手のアリババ株も売りに押され、ソフトバンクグループ(SBG)の下げにつながった。
データセンター向けなどに欠かせない半導体関連の下げも目立った。中国半導体受託生産の中芯国際集成電路製造(SMIC)は一時10%超の下げとなった。東京株式市場では業績に対する慎重な見方が意識されているアドテストなど半導体関連株への売りが優勢だった。
一方、任天堂の好決算を受けて、バンナムHDなどほかのゲーム関連に連想買いが広がったのは相場の下支えとなった。
市場からは「米中問題でズルズルと下げなかったが、朝方は米国株高に素直に反応できない状態だった。3連休控えもあろうが、決算への警戒や、新型コロナ感染者数の増加懸念、円高などマイナス面が重なっているのだろう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前日比24.58ポイント安の1万3938.58だった。東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、3.14ポイント安の1546.74で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2781億円。売買高は11億8938万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1183と、全体の約54%を占めた。値上がりは908、変わらずは82銘柄だった。