前日の米株式市場では、NYダウが68ドル安と4日ぶりに反落。ナスダック指数も下落した。また、東京株式市場で為替は午前10時前には一時1ドル=154円台へ円高が進んだ。これを受け、半導体関連などハイテク株を中心に輸出比率の高い銘柄が値を下げる展開となった。日経平均株価は一時500円を超える下落となり3万8000円ラインに接近する場面があった。
ただ、その後の日経平均株価は下げ渋る展開となり、為替も午後にかけて155円台半ばへ値を戻した。昨年10~12月期の中国GDPが市場予想を上回ったことから機械株や化粧品株の一角などが買われた。
20日に再び米大統領となるトランプ氏は「Day1(就任初日)」というキーワードで、関税引き上げや不法移民の強制送還などの政策実施を明言してきた。就任式後には複数の大統領令に署名するとみられ、言動次第で相場が大きく動く可能性が意識されている。日本時間21日の取引時間中に何らかの反応が出るとの見方が多く、東京株式市場では運用リスクを避ける目的の売りが優勢だった。
午後はほぼ一方的に下げ渋った。昨秋からレンジの下限として意識されている3万8000円が接近したとあって、自律反発を見込んだ押し目買いが入りやすかった。日経平均はこのところ下値模索が続いており、週末を前に売りの持ち高を膨らませていた海外短期筋などが先物に買い戻しを入れ、急速な下げ幅縮小につながったとの見方も聞かれた。
日経平均は心理的な節目の3万8000円割れは回避したものの、トランプ次期大統領就任やその後の政策発動の動向、来週後半には日銀の金融政策決定会合での利上げの行方など見極め要因が多い。目先は昨年11月後半で下げ止まった水準である3万7800円前後を維持出来るのかが焦点となるだろう。