03月5週
【推移】
27日(月):
週末のNY株式市場は小幅安の展開。NYダウは7日続落。NASDAQは小幅反発。課題はオバマケア改正法案。下院での採決が予定されていたが撤回が伝わった。本来はトランプ政権の議会運営への警戒感が台頭する局面。他の経済案件を推し進める能力に疑問符が付くとの見方が出ていたところ。
しかし市場の解釈は「医療保健問題がこうした形でクリア。規制改革や減税などそれほど複雑ではなく実行可能な案件に着手できる」と楽観的な見方。特に税制改革などの推進に弾みがつくと考えられ始めた。
日経平均は木・金の2日間で221円高。前週金曜日から3日続落での下落合計は548円。下落幅に対し40%の戻りという微妙な格好となった。日足は75日移動平均線を回復したが週足は13週線を割り込んだまま。週間では約259円の下落。週足では2週連続陰線。
土曜の日経朝刊の見出しは「のれん、適宜再評価を」。国際会計士連盟の会長さんへのインタビューだった。「日本で監査への信頼感が高まることがアジア全体として重要」。ごもっともである。「東芝などのれんの扱いは小刻みに再評価すべきだ」との提言。「監査人が具体的な意見を記す長文監査報告所が世界中に普及しはじめた」。「監査に責任を持つパートナーを5〜7年で交代させる制度が望ましい」。だったら時価評価重視のアメリカ的国際会計基準を改廃するのも一考だろう。
ロシアの動きがどうも変に映る。ウクライナでの事件、そして北朝鮮への接近。国内が森友学園や稀勢の里に目を奪われているうちに、地政学の変化は訪れている。朝鮮半島にクリミア半島。リスクを好む向きにとっては格好の材料となろうか。
週明けの日経平均株価は3日ぶりの反落。NY株式夜間取引の大幅安を横目で見ながらの展開だった。ドル建て日経平均は金曜が173.31と昨年来高値を更新しており機関投資家の利食い売りがあっても不自然ではなかった。「最後の大バーゲンでも高配当銘柄や優待に手厚い銘柄などを物色するような動きはあまり見られない」という声が聞かれた。
日経平均株価は276円94銭安の18985円と大幅反落。2月9日以来の19000円割れとなった。日経VIは一時20ポイントを超え、2月7日以来、1カ月半ぶりの水準まで上昇した。「110円台前半の円高トレンドを背景にヘッジファンドによる仕掛け的な売りが出ている可能性」という指摘も聞かれる。東証1部の売買代金は2兆311億円と何とか2兆円に乗せた。値下がり銘柄数は1671銘柄で8割超。大成建、トクヤマ、パナソニック、任天堂、ダイキン、ルネサス、TASAKI、沢藤電が上昇。三菱UFJ、野村、日立、東芝、ソフトバンク、ファーストリテ、Klab、洋鋼鈑が下落。
28日(火):
NYダウは8日続落。2月14日以来ほぼ1カ月半ぶりの安値となった。8日続落は2011年7月22日から8月2日までの8日続落以来。5年8カ月ぶり。もっとも朝方の下落幅は180ドル超。トランプ米大統領の議会運営力への警戒感が台頭した。その後「金融などの規制緩和は議会を通す必要はなく、景気押し上げ効果への期待は残る」という楽観的な見方もあり下落幅を縮小した格好。
月曜の下落幅(276円安)を埋められなかったが火曜の日経平均株価は217円高と反発。下落幅の78%を戻したことになる。「結局19500円より上では売られるが19000円より下では買いが入る。今年のパターンの反復」という格好だ。「目先は下を試した後だけに上昇期待」という声も聞かれる。
東証1部市場の値上がり銘柄数は1804で全体の89.7%。大発会の1851銘柄に次いで今年2番目の多さだった。「配当の再投資分が約6000億円と過去最高。例年配当付き最終日にこの買いが入ってきた」というのは月曜でも分かっていた筈。でも市場は見えないフリだった。
興味深い市場の声は「91〜93日周期」説。2015年9月安値→16年2月安値→16年6月安値が期間91日。→16年1月までが93日だった。この1月安値から93日目が月曜の安値(18932円)。日柄は奇妙に一致している。
日経平均株価は217円高の19202円と反発。3月期決算銘柄の配当権利付き最終売買日にあたり、国内外の機関投資家が配当再投資目的の買いを株価指数先物に入れて現物株相場を押し上げたとの解釈。大引けにかけて商いが膨らみ、凍傷1部の売買代金は前日に比べ4000億円近く多い2兆4150億円。富士通、旭化成、日電産、SMC、パナソニック、東エレク、日立、三菱ケミHDが上昇。任天堂、JX、東芝、住友鉱、ファストリが下落。
29日(水):
NY株式市場は3指数揃って上昇した。背景はコンファレンス・ボード3月消費者信頼感指数が約16年ぶりの高水準で着地したこと。そして2月の貿易赤字が大幅に縮小。1月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数が大幅な伸びとなったこと。経済指標の好調が重なったことと解釈された。しかし先週と今週で経済の状況に大きな変化があった訳ではなかろう。先週来のNYダウ8日続落を主導していた理由はトランプ政権の政策遂行能力だった筈。「トランプスランプ」という指摘もあった。今更良好な経済指標という解釈はどこか変だろう。
前日までのNYダウの8日続落は2011年8月以来約5年半ぶり。これは9日続落となると1978年以来のこととなるからココを避けた自立反発とした方がスッキリする。もっともNYダウはトランプラリーで2700ドル上昇して520ドル程度の下落。続落といってもそれほどの下落でなかったことも事実だ。
暴落指標とされるスキュ指数やヒンデンブルグオーメンの点灯などが持ち出されれば一時的反発があってもおかしくはないとも言える。
個別で指数をけん引しているのは過去最高値を更新中のアップルだ。第1四半期決算を発表した1月31日から株価は20%近く上昇した。覚えておきたい数字。
昨年比プラス基準は19114円。3月月足陽線基準19393円、3月SQ値19434円。25日移動平均19357円(マイナス0.80%かい離)、75日移動平均19247円(マイナス0.23%かい離)、200日移動平均17690円(プラス8.55%かい離)。一目均衡の雲の上限19103円。勝手雲の下限19335円、上限19506円、4月4日に黒くねじれ。
日経平均130円、TOPIX14ポイント。たかが130円ながらされど130円。権利配当落ちの即日埋めの意味は結構大きい。「意外と何とか配当権利落ちは埋めた」というのが日経平均株価。
ただTOPIXは埋めらなかったし値下がり銘柄は1158と全面的上昇でなく局地戦での「埋め」だった印象。ほとんど「寄ったら終い」で場中の動きが鈍く日中値幅は約90円だった。
中小型は結構元気な展開。「日経平均がほぼ寄引同時線だったがマザーズ指数は大陽線で勢いの差は歴然」という声が聞こえる。昨年4月は日経平均やTOPIXが横ばいだったがマザーズ指数は10%超の上昇だった。「気にしなければならないのは権利落ち後の腰砕け」という声もある。
ここ数年は権利付き最終日までは堅調で買い物が一巡後の3月末には安くなることが多い。
昨年も権利落ちの29日は日経平均が30円安。権利落ち分127円からするとけっこう堅調だったが翌日から7連敗。合計1400円以上の値下がりだった。市場は良い歴史ばかりではないようである。
日経平均は14円高の19217円と続伸。3月期末の配当権利落ち分(約130円)を埋めた。世界景気の堅調さと3月期決算企業の来期業績への期待感から買い物優勢の展開。ただTOPIXは2ポイント安と3月配当権利落ち分(約13ポイント)を埋められなかった。
東証1部の売買代金は2兆1595億円。東証1部の値上がり銘柄数は716と全体の36%にすぎなかった。値下がり銘柄は1158銘柄と全体の57.6%と半分以上を占めた。ニトリHD、関西電、ソニー、東芝が上昇。大東建、JAL、第一生命HD、武田、トヨタ、日産自が下落。
30日(木):
NY株式市場はマチマチの動き。NASDAQとS&P500が続伸しNYダウは反落した。原油価格上昇を受けたエネルギーセクターと消費関連セクターの上昇と金融セクターの下落が混在した。英国のEU離脱通知の影響はほとんどなかった。
市場の焦点はややトランプ政策を離れて第1四半期の企業決算。S&P500採用銘柄の予想PERは18倍。長期平均の15倍を上回っている。このレベルを裏付けるだけの好業績かどうかがが伺われているということだ。
第1四半期の増益率の市場予想は10.1%。市場で話題のアノマリーは「NYダウとS&P500の4月高」。
2006年以降4月のNYダウは11年連続で上昇し平均上昇率は2.6%。リーマンショックの2008年でも4月7月8月は上昇していた。大統領選挙翌年の4月のNYダウの上昇率は1.9%とやや鈍化しているという。「NASDAQは2.4%、ラッセル2000は2.2%上昇していたことから中小型株指向」。そんな声も聞こえる。
松井証券信用評価損率で売り方はマイナス11.812%(前日マイナス8.619%)。買い方マイナス4.476%(前日マイナス5.758%)と売り買いの差は指数の推移以上に拡大。中小型堅調の裏返しだった印象。3月24日時点の裁定買い残は1兆7832億円とほとんど増加せず。
信用買い残が6週連続の増加で2兆6147億円と1年ぶりの高水準となったこととは好対照だ。(売り残も9389億円と依然として1兆円レベル)。また空売り比率はまた40.2%まで上昇したことが気にかかる。
日経VIは16.89まで低下。日経平均のPERは15.77倍。採用銘柄のEPSは1218円まで増加した。英国はEU離脱を通知、東芝は最終赤字1兆円、債務超過6200億円との記者会見。悪材料も出尽くし感があるが、ハイエナのような視点でウクライナでも持ち出してくるのだろうか。
昨年比プラス基準は19114円。3月月足陽線基準19393円。3月上昇→5月下落、3月下落→5月上昇(3月と5月は逆相関)のアノマリーがある。3月小幅安も許容できるのかも知れない。
因みに日経平均の3月月中平均は19375円、TOPIXは1555円。これも結構目印だろうか。日経平均株価は154円安の19063円と反落。上海総合指数が1%超下落する場面があり、中国の株安を警戒する売りも出たという指摘もある。東証1部の売買代金は2兆605億円。東芝、武田薬、JX、国際石開帝石が上昇。東ガス、大ガス、小野薬、楽天、味の素が下落。
31(金):
NY株式市場は主要3指数そろって上昇。背景の一つは2016年第4四半期のGDP確報値が年率換算、前期比2.1%増で着地したこと。改定値の1.9%増から上方修正された。市場予想は2.0%増だった。特に個人消費が堅調で輸入も増えた格好。
米経済の3分の2以上を占める個人消費は改定値の3.0%増から3.5%増へと上方修正された。NASDAQの5日続伸はNY市場の底堅い動きの象徴と読みたいところ。
10年国債利回りは2.419%と、前日の2.387%から上昇した。
3月4週の外国人投資家は6週連続の売り越しで売越額は3741億円。個人は2週連続で買い越し、買越額は3266億円。前週の1328億円の買い越しから増加した。「個人信用」(1月第2週以来11週連続の買い越し)に加え、「個人現金」が2週連続して買い越しとなった。個人現金の2週連続買い越しは今年に入って初めて。16年6月3週にかけての5週連続で買い越し以来となる。
信託銀行は8週連続で売り越しとなった。個人の買い越し姿勢の鮮明化が目立つ数字となった。
何だかんだとアレコレと材料や背景を探してはみるものの、結局日経平均は18750円と19600円のレンジ。この範囲で動いているに過ぎない。微分した日々の動きにとらわれると、ココが見えなくなる。
大引けの日経平均株価は153円96銭安の18909円26銭と続落。1万9000円を4日ぶりに下回った。前場は125円高と反発。NY株高と為替の円安傾向、中国の製造業PMIは5年ぶりの高水準に改善したことを好感。しかしなるとカレンダーの期末と受け渡しベースでの期初の国内機関投資家の売りが指数を下落させたとの解釈。
年度ベースで日経平均は2150円59銭(12.83%)上昇したことになる。JPX日経インデックス400、TOPIXともに3日続落。東証1部の売買代金は2兆5881億円。東証1部の値下がり銘柄数は1677。全体の8割を超えた。東芝は大きく上昇し、時価総額は1兆円を回復。東ガス、中部電、ファストリ、楽天が上昇。ソニーは連日の昨年来高値更新。一方、森永、森永乳、資生堂、旭化成、住友商、三井物が下落。
(2) 欧米動向
北米では2017年年1月分からBBレシオが突然公表中止となった。
背景は一部の製造装置メーカーがデータを出さなかったため。
「出荷が間に合わない程の状況なら、他社が付け入る隙があることを公表することになりかねない。
だからデータ提出を拒んだのではないか」という指摘も聞こえる。
20年前にも半導体チップの分野で起こった。
米半導体工業会(SIA)1997年1月発表をもって半導体チップの米国BBレシオの発表を中止。
理由は北米半導体メーカーのシェア低下など。
しかしIT関連株が世界的に1995年頃から2000年まで集中物色の対象であった最中の出来事。
その後にITバブルが登場したことは記憶に新しい。
トランプ大統領の温暖化規制見直しと英国のEU離脱通知。
どちらにバリューがあるのだろう。
どちらも既定路線の延長線上の通過点。
もし逆の動きとなったとしても大きな相場変動要因にはならないような気がする。
英国のEU離脱が大きなマイナス材料であるならば・・・。
ロンドンFTSE指数が過去最高の14連騰(12月〜1月)する筈はない。
しかも離脱通知に向けては続伸の動き。
英国市場はEU離脱、あるいは2年での離脱交渉を悪材料視していないということになる。
それを外野からアレコレと邪推するからモノが見えなくなる。
上昇しているのは非エネルギー資源セクター。
あるいは非耐久消費財や金融などのセクター。
ポンド安が英国経済にプラスという声まで聞こえてくる。
支持率低下の打開策になるのかどうかは不明だがトランプ氏の次の一手は環境問題。
地球温暖化政策の見直しに着手した。
本当に二酸化炭素が温暖化の原因とは証明されていないことから結構興味深い動きである。
確かに東京の空は環境問題が騒がれるようになってから澄んだ空になった。
上海では晴れた日も雲ばかり。
排気ガスはない方が良いに決まっている。
そうではなく温暖化という論点を持って環境問題を論じるから訳がわからないこともある。
パリ協定を形骸化するのなら、この本質を問う良い機会であるとも言えよう。
何十年もかけて築き上げたものがどちらへ向くのかは興味深い。
面白いのは中国の報道局長の会見。
「気候変動は全人類共通の課題。
他国が政策を変えようとも中国は自らの義務を100%果たす」。
パリ協定からの脱退には最低4年が必要だという。
こちらも気の長い時間軸。
それでも排ガス基準の見直しでもあれば米国車には格好の支援材料となる。
(3)アジア・新興国動向
米通商代表部(USTR)が公表した年次「外国貿易障壁報告書(NTEレポート)」。
中国の恒常的な過剰生産能力や強制的な技術移転、米国産牛肉の禁輸措置などを非難。
報告書では63カ国の貿易障壁に言及した。
USTRは「中国は鉄鋼産業の過剰生産能力に対応し始めたものの、これまでのところ措置は不適切。
アルミ産業を含むその他の産業への対応は鉄鋼産業への対応を下回る水準にとどまっている」と指摘。
またサイバーセキュリティー面で制約を設けているとも指摘している。
いずれ市場の影を落としてくるのだろうか。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・
3日(月):日銀短観、自動車販売台数、米ISM製造業景況指数、建設支出、ユーロ圏失業率、中国、台湾休場
4日(火):マネタリーベース、エネルギー業界最大のイベント「ガステックジャパン」(〜7日)、米貿易収支、製造業受注、香港・インド休場
5日(水):米ISM非製造業景況指数、ADP雇用レポート
6日(木):消費動向調査、タイ・ベトナム休場
7日(金):景気動向指数、「生活意識に関するアンケート調査」結果、米雇用統計、消費者信用残高、ユーロ圏財務相会合
【4月】
3日(月)日銀短観、株高の日
5日(水)変化日、ECB理事会
7日(金)土星逆行開始
9日(日)G7エネルギー相会合(〜10日・ローマ)
11日(火)満月
14日(金)SQ、NY・ロンドン市場休場(グッドフライデー)、金星逆行開始
17日(月)変化日、ロンドン市場休場(イースターマンデー)、下げの特異日
19日(水)上海国際自動車ショー
20日(木)変化日
22日(土)IMF世銀春季会合(ワシントン)
23日(日)フランス大統領選第1回投票、株高の日
24日(月)世界最大の産業見本市「ハノーバーメッセ」開催
26日(水)日銀金融政策決定会合(〜27日)
27日(木)ECB理事会
28日(金)米GDP速報値
日経ヴェリタスの特集は「花開く増配株投資」。
「目指せ配当長者」というのがサブタイトルだ。
花王(4452)は2017年12月期に28年連続の増配予定。
これが日本の上場企業で最長記録だ。
上場企業全体で2016年度の配当総額は過去最高の11.9兆円。
金融危機の09年度比でほぼ倍増する。
しかも配当性向は平均35%程度。
「3分の1時代」が到来する。
因みに、野村証券調べでは欧州企業の平均的な配当性向は5〜6割。
米国は3割で配当性向だけ見れば日本と同水準。
しかし自社株買いを合計した総配当性向は主力企業で100%を超えている。
「日本では長期金利を配当利回りが上回る「逆利回り革命」が常態化、
日銀が金融緩和継続しているだけにこの状態は当面変わりそうにない。
配分積み増しの動きが広がれば配当利回りが高まる。
債券から株式への投資マネーのシフトが加速する可能性もある」というのが結論。
3月14日に開催された経済財政諮問会議。
出席したのは米コロンビア大学のジョセフ・E・スティグリッツ教授。
17日付日経朝刊の大機小機では「米国の寅さんの対日提言」として紹介された。
「政府(日銀)が保有する政府債務を無効にする」。
これは日銀の資産と政府の債務を相殺するという思考法だ。
もうひとつは「債務を永久債、あるいは長期債に組み替える」。
そして「政府債務を低下させるために消費税を上げることは(景気下押しで)逆効果」のくだり。
結構な辛口提言だ。
14日の会議に提出されたのは「持続可能で共有された繁栄への移行」。
「仮訳」とは言えわかりにくい日本語である。
興味深い論は「アメリカなしの新しい世界秩序」。
↓
アメリカは、自身が創出を助けた世界秩序から後退した。
速やかな転換は期待しないように。
良いニュースは、国際機関は自身の任務を続行する十分な力があること。
日本にとっての良いニュースは、政権はメキシコと中国に焦点をあてていること。
世界は、日本のリーダーシップを必要としている。これは好機かもしれない。
日本は、民主主義国の中で世界第二位の経済を有する。
米国通商代表部が特定の利益に支配されている中で
アメリカなしのより良い貿易協定を結ぶ余地があるかもしれない。
環境や労働者の権利、人権に関する貿易協定を進めることができる。
非民主主義的な投資協定や、薬価を上昇させ、ジェネリックへのアクセスを阻害する医薬品に関する条項は除くべき。
結論は「重要なメッセージ」とされている。
↓
日本を含む先進国経済はあまり良い状況ではない。
生活水準向上に必要な生産性の上昇率は低い。
これまでの成長の成果は相対的に少数の人々にしか届いていない。
技術進歩、改革、グローバリゼーションは期待されていた程の利益をもたらさなかった。
これらの問題に取り組まなければ、深刻な政治的結果が現れてくるだろう。
そして「先進国全般には代替的な政策がある」
↓
代替的な政策は、持続可能で共有された繁栄を確かなものにするだろう−成長率を高め、全ての者が恩恵を受ける。
これらには政府の重要な役割が含まれる。
市場における所得の平等を高める政策
市場経済ルールの書き換え
再分配面でのより積極的役割
経済を近代的なサービス部門を中心とする経済へ再構築する政策
その価値が社会的に決定されているサービス(教育、健康、介護)を供給するため、より高い賃金を支払うことを含む。
学習社会の創造、イノベーションの促進
イノベーションが、より重要な社会的ニーズのために行われることを保証する。
最後は「日本にとって、今こそが機会とチャレンジの時」
↓
これらの政策の殆どは、日本の状況に適用することができる。
日本には多くのアドバンテージがある。
産業政策の長い経験、失業率と不平等は低水準
しかし、同時に、労働力人口の減少や、高齢者の不平等の拡大という特別なチャレンジにも直面している。
金融政策は限界に到達しており、日本は成長に悪影響を及ぼすことなく必要な税収を得るため、炭素税を導入する必要がある。
最も重要なのは構造政策?イノベーションにおけるリーダーシップを日本が取り戻すために必要な政策を含む。
世界第二位の民主主義国家として、世界は、来る数年間の日本のリーダーシップを特に必要とするだろう。
そのほかに目を引いた部分。
★「金融政策は、ほぼ限界に達している」。
日本の金融政策はよく設計されているが、経済を刺激できるような、更なる余地は大きくはない。
金利引下げ(マイナス金利)は大きな効果は持たないだろう。
★「世界的にタックスヘイブンや税の競争を抑制するためにもっとやるべきことがある」。
↓
移転価格に基づく多国籍企業税制システムを変える必要があるだろう。
JPモルガンのレポートは「2013年以降の米経済と日本株」。
↓
ISM製造業景況指数が52を下回るとTOPIXの1株利益の3か月前比はマイナスになる傾向。
つまりISM製造業景況指数が52を上回っていることが米国経済堅調悪化の分岐点。
直近は57.7となっている。
そしてISM製造業景況指数が52を上回っている場合、日本株の調整時間は平均2週間。
調整率は7%と試算されている。
昨日権利配当落ちだったが機関投資家の配当の再投資に関する計算。
225連動が846億円。
TOPIX連動が3344億円。
JPX400連動が366億円。
MSCIJAPANが1525億円。
合計で6081億円。
毎年増えている。
前場のTOPIXの下落率と日銀のETF買い。
↓
★TOPIX下落率マイナス0.1%以下の場合
16年8〜12月:8回中2回
17年1月〜3月:3回中1回
★TOPIX下落率マイナス0.1%台の場合
16年8〜12月:8回中4回
17年1月〜3月:7回中2回
★TOPIX下落率マイナス0.2%台の場合
16年8〜12月:11回中7回
17年1月〜3月:4回中1回
★TOPIX下落率マイナス0.3%台の場合
16年8〜12月:9回中7回
17年1月〜3月:7回中6回
★TOPIX下落率マイナス0.4%台の場合
16年8〜12月:4回中3回
17年1月〜3月:3回中3回
★TOPIX下落率マイナス0.5%以上の場合
16年8〜12月:21回中20回
17年1月〜3月:9回中9回
今年は0.3%以下の下落率でもETFを買ってきたと読める。
(兜町カタリスト 櫻井英明)
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