02月2週
【推移】

6日(月):
週末のNYダウは反発。再度2万ドルを回復した。S&P500は3日続伸。雇用統計を通過。トランプ米大統領が金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しに関する大統領令に署名。これらが好材料視された。
1月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が22.7万人増で市場予想の17.5万人を上回って着地。失業率は4.8%。時間当たり平均賃金は前月比0.1%増と小幅な伸びだった。この結果金利上昇は緩やかという観測が拡大。3月利上げの確率は雇用統計発表後に10%以下。6月利上げの確率は60%超。
また金融規制緩和の方向の確定は金融セクターへの追い風となりS&P500金融株1.9%上昇。1日の上昇率としては昨年11月14日以来の高さとなった。

週末の日経平均株価は一時83円安の1万8830円まで下落した後に3円高と小幅反発。金利上昇を受けて円高が進行し株価は下落。後場になり日銀が指値オペを7000億円規模で実施したことか株価は落ち着いた。13週移動平均(18873円)を上回ったことで歯止めが効いた格好。
日経平均株価は週間では549円の下落と反落。週足は陰線。「節分天井彼岸底」よりも「「戎天井節分底」(1月10日頃が目先天井、節分・立春頃が目先底)の声。

週末の日米首脳会談が今週のテーマ。となると貿易摩擦と為替の問題に一喜一憂。傍らに金利の問題も登場しよう。先週来日したマティス国防長官は同盟関係や費用負担の問題を心地よくしてくれた格好。しかし伏線は貿易摩擦と為替の問題なのだろう。肉を切らせて骨を斬るのならば、相場的にはおそらく負けとなる。だったらむしろ防衛費用の数千億円程度を増額しておいた方が市場は救われる。どちらに転ぶのかは1週間の時間を待たなければならない。

6週間ぶりに月曜安の継続からは脱却したものの25日線や一目均衡表の雲上限が抵抗帯。19000円をキープできずの月曜だった。為替の円高傾向を相変わらず嫌気した格好での伸び悩みの印象の週明け。
もっとも2万ドル台をキープしたNYダウと19000円を守れない日経平均との差は歴然。日経平均株価は58円高の18976円と小幅続伸。今年初の月曜高となった。背景はNYダウの2万ドル回復だがドル円の112円台が懸念材料で上値は重い展開。
25日線(19173円)は回復せず。19000円もキープできなかった。日足は「小陰線」で5日移動平均線(18999円)に押し戻される格好。「横ばい圏で陰線が3本連続は上値の重さ」との声もある。

東証1部の売買代金は2兆1807億円。東証1部の値上がり銘柄数は1132と全体の約半分。LIXILグ、ホンダ、伊藤忠、丸紅、小野薬、武田が上昇。ヤマハ、タカタ、三菱電、マツダ、信越化、三菱ケミHDが下落。


7日(火):
週明けのNY株式相場は小幅反落。「前週末に大きく上昇した反動で目先の利益確定売り」との解釈。もっとも堅調な経済指標や企業業績を背景に下値を売り叩く動きもみられずNYダウは2万ドル台をキープ。方向感は乏しい動きだった。ドル円は111.62円まで下げて昨年11月29日以来約2カ月ぶりの円高・ドル安水準。
NY金先物4月限清算値は1232.1ドルと昨年11月10日以来こちらも約2カ月半ぶりの高値圏を回復。トランプ大統領の保護主義的な貿易策や移民規制に対する懸念が重石。株価はやや軟調なもののドルや金にとっては快適な悪材料という印象。

日経平均採用銘柄のPERは15.76倍。EPSは1204.11円と1200円台を復活してきたのは第3四半期の決算発表のおかげだ。ちなみに前期基準でのEPSは17.09倍。EPSは1110円だったから約90円の上積みとなっている。
この増額を素直に見ることのできる感性が市場に欲しいところだ。EPSが1250円まで増加すればPER16倍で2万円だ。

日経平均株価は65円安の18910円と反落。一時1ドル=111円台半ばまでの円高を背景に売り物優勢の展開だったが、買戻しの動きもあり一時前日終値水準まで戻した場面もあった。「日銀のETF買い観測」も下値を限定的にした格好。東証1部の売買代金は2兆610億円。マルハニチロ、ディスコ、ホンダが上昇。ファストリ、第一生命HD、トヨタが下落。

8日(水):
NY株式市場は小幅高。ハイテク・消費関連セクターが上昇。NYダウとNASDAQは過去最高値を更新した。「投資家は政治リスクを見極めようとしている。だが経済は成長継続、企業業績はかなり好調。株式を取り巻く状況は良好で株価の上昇を支えるには十分だ」と反発したからこそのコメントが見られる。確かに企業業績は好調。S&P500採用銘柄の第4四半期決算は8.2%の増益予想。
2014年第3四半期以降で最も高い伸びとなる見通し。10年国債利回りは一時2.37%まで下落(価格は上昇)。1月18日以来の低水準となった。それでも株は上昇。
為替のトレンドはドル高円安傾向だから市場が教科書的に動くとは限らない好例だろう。ドル高傾向の原因の一つは欧州諸国の選挙の不透明感。フランスのルペン候補の勢いを嫌気してのユーロ安ドル高となった。

また1月の中国外貨準備高が前月から減少して6年ぶりに3兆ドルを割り込んだことからのドル高加速。思惑と思惑の間で為替も株も漂っている印象。バルチック海運指数の14日続落など見えないフリ。
因みに2月8日の騰落率は61.54%(32勝20負0分)。6割を超す勝率は悪くない。2月1日水曜も68.52%%(37勝17負)だった。相場にはある意味「リズムとハーモニー」があるものだ。

SQ週の荒れる水曜ではあるが1月SQ値19182円はまだ遠い。今年の水曜日は6連勝。特に好材料が登場した訳でもない。しかし市場からは「日銀ではなく年金でもない。何か、しっかりした買い物が入っているような感じ」との声。19000円台を復活した。もっとも依然として18800円〜19000円のレンジの展開。
「足元では値幅が狭まり三角保ちあいの様相」との指摘もある。13週線(18998円)近辺の攻防継続ということだろう。
日米首脳会談に対するお土産に期待と警戒が交錯した格好だ。日経平均株価は96円高の1万9007円と反発。
1万9000円回復は1日(1万9148円08銭)以来1週間ぶり。NY株高を好感して寄り付きはプラスで買い先行の動き。

日銀の国債買い入れオペ通知を受けて円が強含むと下げに転じ前場は安値引け。もっとも後場は次第に持ち直しの展開。「来期以降も好業績が続くと期待できる銘柄に買いが集まった」との指摘が聞かれほぼ高値引け。日米首脳会談を控えての様子見ムードから東証1部の売買代金は1兆9826億円。2月に入って初めて2兆円を割り込んだ。エスクリ、ヨコオ、セーレン、三菱UFJが上昇。横河電、出光、TDCソフトが下落。これで水曜は6週連続高。

9日(木):
NY株式市場は小動き。NYダウは小幅下落。NASDAQ総合株価指数はフェイスブックやアップルの上昇を背景に続伸。連日の史上最高値更新となった。
S%P500も小幅に続伸。過去最高値圏でのもみ合いといったところ。気になるのが債券市場。利上げ回数やトランプ政権の財政刺激策・減税への期待が後退し債券買いが加速。
ここに欧州政治の透明感が加わっての米国債買いで10年国債利回りは2.358%まで低下した。負の良遺産ともいわれるオバマケアの廃止の影響や貿易赤字の縮小策、今後の減税・インフラ整備策を市場が見極められるかどうかが喫緊の課題であることは間違いない。表面で起きている大統領のツイッター的呟きに翻弄されなくなれば、
株式市場はさらに上値を追い可能性は否定できない。騰落レシオは96.92%。

松井証券経由の信用評価損率速報で売り方はマイナス11.427%。買い方はマイナス5.309%とほぼ変わらず。Quick調査の2月3日現在の信用評価損率はマイナス7.81%と2週ぶりの悪化。裁定買い残は23億円だけ増加し1兆6493億円。
裁定売り残は1888億円減少し3004億円。空売り比率は38.6%。

日経平均採用銘柄のPERは15.63倍でEPSは1216円まで増加。前日まで全体の67.8%の企業が第3四半期決算を通過。通期純利益が11.5%増とようやく2ケタ増益に乗せてきたのは好材料とみたい。4〜12期決算集計状況(全体の67.8%が通過)。第3四半期売上高5.4%減、経常利益5.4%減、純利益0.5%減。通期売上高4.0%減、経常利益0.1%減、純利益11.5%増。

それこそ「キター!」という感じの純利益2ケタ増の朝刊。2ページでは「5社に1社最高益」の見出し。「働き方改革」にともなうIT投資、コト消費、健康志向がキーワードだ。年に一度の家族旅行なんて出来なくなったアメリカの中産階級。一生懸命働いても貧困層になっていくアメリカの中流層。ここと比べてみると日本の方がどうみても良い気がする。

日経1面では「がん治療新時代。免疫活用日本で産声」。小野薬のオブジーボが登場した。商品面では「IoTが変える」の特集。「価格下落で新たな需要」という視点が登場した。電子部品価格の下落が実用化を招くIoT。そのIoT市場は15年5200億円、20年1兆9400億円、22年3兆2000億円。5年で倍になるという。世界のデータ量は2020年には2015年の7倍と言う試算もある。

半導体シリコンウェハーは11年ぶりの値上げ。中古の半導体製造装置は奪い合い状態で価格は2〜3割上昇。
BBレシオも16年12月に1.31まで上昇した。半導体サイクルの変化の可能性と目先の人手不足。この現実を市場は評価しないのだろうか。

日経平均株価は99円93銭安の18907円67銭と反落。「国内外の投資家ともに買いを手控えている」との解釈。東証1部の売買代金は2兆2457億円。ソフトバンク、大東建、東ガス、住友不、菱地所が上昇。日立、三菱重、東芝、富士重、トヨタが下落。

10日(金):
NY株式市場は上昇し3指数ともの過去最高値を更新した。トランプ大統領が今後2〜3週間のうちに税制に関する「驚くべき」発表をすると述べたこと。
大型減税への期待感が拡大。S&P500指数は心理的壁の2300ポイントの抵抗線を上抜けた。債券市場もこのトランプ発言を受けて10年国債利回りは2.393%と上昇(価格は下落)。為替市場もドル高の動きとなりドル円は一時2月3日以来の高値となる113円29銭まで上昇した。
「財政出動と減税を通じた大型景気刺激策の具体的な内容を見極めようと、しびれを切らせていた市場の干天の慈雨のようなトランプ発言が効いた」と言う声が聞かれる。高リスク資産の株式売り→低リスク資産の米国債買いの動きに巻き返しが起こったという解釈もある。
もっとも「税に関して『目を見張るような」発言というだけで具体論はなにもない。それでも市場は反応した」とも言えよう。

日経平均採用銘柄のPERは15.33倍まで低下。
一方EPSは1233円まで上昇。2015年12月8日の1270円が見えてきた。(2016年末1181円、1月末1171円)。株式益回りが6.15%まで上昇していることにもいい加減気がつくべきだろう。少なくとも一目均衡の雲の上限19100円は抜けてくる筈。25日線(19115円)を奪還できれば1月30日以来のこととなる。
暫定SQ値は19276円09銭。1月のSQ値19182円は抜けた。あとは幻かどうかが気にかかるところ。通過予定の日米首脳会談はさておき足元好調な数字が出始めている。機械受注統計は1〜3月期の前期比11.6%増の1兆1843億円。1年ぶりの高い伸びとなる見通し。また1月の工作機械受注額は前年同期比3.5%増の1037億円。2015年6〜7月以来約1年半ぶりに2か月連続で前年実績を上回った。

ドイツの貿易黒字が過去最高だった。2016年の貿易黒字は2529億ユーロ(約30兆円)。対米輸出ではなくEU域内での輸出が伸びたのが背景だ。通貨安で輸出を伸ばした訳でなく「ドイツ製品に魅力があった」という主張。美しく聞こえる。あるいは「価格競争に巻き込まれるようなモノ作りでは雇用が危うい。高くても売れるようなモノを指向し、外需に活路を見出した」。日本もこれくらいのプライドを持って批判の声をかわしたいものだ。

日経平均株価は471円高の19378円と大幅反発。上昇幅は大発会の479円高についで2番目の大きさだった。トランプ米大統領の法人減税の可能性発言と113円台の円安トレンドを好感しての買い物優勢の展開。「買い遅れていた投資家の追随買い」という声も聞かれる。もっとも日米首脳会談を明日未明に控えており後場は上値の重い展開。

東証1部の売買代金は2兆7569億円と昨年12月16日以来の高水準だった。SQ値19276円を終値ベースで上回っており「幻のSQ値」でなくSQを通過したことは好材料。値上がり1707銘柄。昨年来高値更新は154銘柄。終値は5日移動平均線(19036円)と25日移動平均線(19109円)を一気に上抜けた。
一目均衡表の雲の上限(19112円)も上回っている。「1月27日高値(19486円68銭)が抵抗線。1月5日高値(19615円)を上抜くと新たな上昇相場入り」との声が聞かれる。三菱UFJ、ソフトバンク、トヨタ、第一精工、エムアップ、東海カ、日車輛、ヤマシン、西武が上昇。SUMCO、商事、洋エンジ、資生堂、PCデポ、エイベックス、Vキューブが下落。


(2) 欧米動向
ヒューストンで開催されたスーパーボウル。
AFCのペイトリオッツが34−29でNFCのファルコンズに歴史的な逆転勝利。
AFCチームが勝利した場合、その年のNY株は下落するとアノマリーがある。
昨年はAFCのブロンコスがNFCのパンサーズを破ったがNY株は年末にかけて上昇。
「スーパーボウル・アノマリーが2年続けて破られるのか気になる」という声も聞かれる。
投資雑誌バロンズの記事は「S&P500の犬戦略に賭けてみよう」。
S&P500採用銘柄の高配当株に注目した。
S&P500採用の高配当銘柄を投資対象とするETFは過去3年で年率12.91%のリターンだという。
「配当に着目しはじめたのは相場のこう着の表現」とも考えられよう。

暴言やブレが指摘されるトランプ政治。
しかしその実態は大統領就任の不安が醸し出す饒舌をスタッフが止める役割を担っている印象。
入国阻止問題は「米国第一の政策の迅速な遂行狙うトランプ政権に大きな打撃」。
ではなく「政策提言実行の姿勢をスタッフが阻止」と見た方がいいかもしれない。
片言隻句を疑い惑っていても仕方がない。
財務大臣が「金融政策は円高是正のため」と発言して「デフレ是正」に撤回するようでは勝てないだろう。
トランプ氏に財務大臣も呼ばれたことは警戒しなければならない。
出来れば首相のゴルフがうまいスコアになってくれれば良いのだろう。

水曜日経朝刊の「解剖トランプ流」が興味深い。
結論は「全米各都市で抗議デモが頻発するなか、地方では若年層を中心にトランプ大統領を支持する輪が広がっている」。
共和党から距離を置いていたリベラルな若者中心に「トランプデモクラット(トランプの民主党員)」と呼ばれる新たな支持層が台頭。
かつて共和党のレーガン大統領が民主党員の支持を得たのと類似した減少が起きつつあるという。
「トランプ減税の恩恵は中間層にも及ぶ可能性がある」。
そういう期待感があるという。
「ヒラリー・クリントン氏ならさまざまな地域で戦争を続けただろう。
トランプ氏はやらない」。
そういう見方もあるという。
岩波新書の新刊「ルポトランプ王国」(金成隆一氏著)でも同様のことが指摘されている。
特に地方の若者のトランプ支持拡大は大きいとの話。
ニューヨークやワシントン、ロスなどの大都会では見えないもの。
それは過疎化しはじめた米国地方都市を見ると見えてくる気がする。

弱気派がニンマリしそうなのはギリシャのユーロ離脱問題。
ギリシャ懸念はいつの間にか再燃しギリシャの10年国債は10.09%。
20日開催のユーロ圏財務相会合で改革案の完了が承認されないと次回の融資は実行されない。
7月に債務返済を迎え、追加支援がないと財政は行き詰まる。
弱気警戒派にとっては格好の材料。
しかしギリシャの実質GDPは1850億ユーロ(せいぜい20兆円)程度。
世界では48位。
「だから何」というのが床屋談義には通じないのかも知れない。
ギリシャがダメならイタリアがあるだとでも言うのだろうか。
イタリアはモンテ・パスキが33.8億ユーロ(約3500億円)の純損失を計上した。
どうせ政府の支援がくるのだろうが十分な悪材料にはなる。
因みにイタリアのGDPは1兆8150億ユーロ(約200兆円)。
世界では8位。
ギリシャとは規模が違う。
この程度の水準感を持たないといつも「びっくりポン」ばかりとなってしまう。
相手の思う壺に入ること必定だ。

(3)アジア・新興国動向
興味深いのはこのところの台湾加権指数の動き。
昨年来高値を更新し上昇基調で1年8カ月ぶりの水準となっている。
背景は「台湾ドルの対米ドルでの上昇」。
背景は米国に集まっていた投資資金のアジア本国回帰との観測。
「台湾ドルは世界でも強い通貨との認識拡大。
台湾通貨は安定」という声も聞こえる。
通貨高で台湾の資産価値も上昇するとの見方は、日本円とは全く違う視点となる。
通貨高で株高はアジアだけでなく世界の常識。
ここに逆らっている「円」とその関係者というのは結構稀有な存在に映ろうか。

【展望】
スケジュールを見てみると・・・
週末:建国記念日
13日(月):10〜12月GDP速報値
14日(火):首都圏マンション販売、米生産者物価、中国消費者生産者物価、独ZEW景況感、イエレンFRB議長上院証言
15日(水):訪日外国人客数、米消費者物価、鉱工業生産、小売売上高、イエレン議長下院証言
16日(木):米住宅着工件数
17日(金):米CB景気先行指数

話題は日米首脳会談。
木曜日経1面では「新経済協議の枠組み」という見出しが登場した。
米国のへインフラ投資、ロボット、AI、サイバー・宇宙分野など材料的には興味深い。
ただ、厄介な登場と思えるのは全米肉牛生産者・牛肉協会と全米豚肉生産者協議会。
トランプ大統領に早期のFTA交渉を要望。
関税問題で豪州に劣後し始めたこともあり「TPPからの離脱は反対」とまで言っている。
前門の狼、後門に虎状態のトランプ氏は、岸首相以来の日米ゴルフ対談でどんなスコアを出すのだろうか。
巷の噂ではハンディ3とされているが・・・。
ただ、中国が通商戦略や地政学上の最大の仮想敵であるならば、
日米関係は、悪化せずに同盟関係は良好化というシナリオもある。
一方で「安部首相は譲歩しない」というレポートもある。
理由は政権支持層の怒りを招くから。
あるいは「トランプ再選の2020年まで日本は財政拡大を継続」という見方もある。
中曽根首相が「一人100ドル外国製品を買おう」と言ったのは1985年。
翌1986年に前川リポートが登場したが今回も「なんとかレポート」というのが登場するのかも知れない。
もっともこの歴史はバブルの株高へと進んだのが歴史だった。

トランプ大統領の土日のツイッター呟きへの反応がNYの週明け。
だから日本の火曜日安につながるという見方。
アノマリーも荒唐無稽なようでそれなりに理由があるもの。
今後は議会との対話を進めて100日間に行うと宣言した政策の実行に視点が移ろうか。
となると、遅れてきたハネムーンに期待もできよう。

【戦後の米新任大統領と「ハネムーン期間」の米国株騰落率】

オバマ 民主    2009年 2.98%
ブッシュ(子) 共和 2001年 2.10%
クリントン 民主  1993年 5.65%
ブッシュ(父) 共和 1989年 8.21%
レーガン 共和   1981年 5.64%
カーター 民主   1977年▲3.35%
ニクソン 共和   1969年 0.31%
ケネディ 民主   1961年 6.99%
アイゼンハワー 共和1953年▲4.38%

「雲龍型横綱誕生株高アノマリー」。

千代の富士 1981年 雲龍型   △7.9%
隆の里   1983年 不知火型  △23.4%
双羽黒   1986年 不知火型  △42.6%
北勝海   1987年 雲龍型   △15.31%
大乃国   1987年 雲龍型   △15.31%
旭富士   1990年 不知火型  ▼38.72%
曙     1993年 雲龍型   △2.91%
貴乃花   1995年 雲龍型   △0.74%
若乃花   1998年 不知火型  ▼9.28%
武蔵丸   1999年 雲龍型   △36.79%
朝青龍   2003年 雲龍型   △24.45%
白鵬    2007年 不知火型  ▼11.13%
日馬富士  2012年 不知火型  △22.94%
鶴竜    2014年 雲龍型   △7.12%
稀勢の里  2017年 雲龍型   ??? 

日銀のETF買いは年6兆円規模。
単純に計算すれば月4800億円というのが平均となる。
昨年8月以降の購入額は2月1日時点で2488億円オーバー。
7日時点で1551億円のオーバーとなっている。
昨年7月以降は目標ペースに対してプラスマイナス2500億円前後のレンジが推移。
このペースはきっちり守っていくのだろう。


(兜町カタリスト 櫻井英明)


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