01月2週
【推移】
4日(月):
元旦の日経1面トップ見出しは「目覚める40億人の力」。特集「アジアひと未来」の第1回だった。これが今年の日本株のテーマとは思えないが、第1回がインド、第2回がAIIB関連での中国。そして第3回がフィリピン。中国とインドの順番が逆になったことは目立っていた。政治的配慮かどうかは別にして、インドのIT関連の方が際立っているということだろうか。株式市場的に興味深いのは特集「2020ニッポンの道しるべ」だろう。「視点はTPP、観光、成長へレバレッジ」。提示された3つのエンジンは「訪日客4000万人視野、賃上げ3%で消費60兆円増加、TPPでのインフラ受注30兆円」。ばら色だが夢ではなかろう。
干支も登場している。「子(ね)年に巡りくる2020年。『子は繁栄を目指す』企業の『種(SEED』は既に芽吹きつつある。『衣』『食』『住』、そして進展たくましい『走』の分野で、我々の生活を買える企業はどこか」。「衣」で登場しているのは山形県鶴岡市の「スパイパー」だった。その他に登場しているのはアパレル通販のライフスタイルアクセント、ファッションアイテムのステイトオブマインド。
佐賀の素材ベンチャー・炭化、東大発の農業ベンチャー・ベジタリア、電力消費サービス・サッソー、マンション改修サービス・リノべる。自動運転のZMP、電動三輪車のテスラ。キーワードは「ベンチャーが切り開く」という修飾。これは2016年も該当しよう。結論はGDP600兆円。この命題を市場が歓迎するか疑問視するかが天国と地獄の境目となろうか。なぜか3日付けでなく元旦付けとなった経営者アンケート。結論は「2万2000円以上」。
日経平均が1万円の時よりも分母が倍になっているのだから多少ボラがあっても良いだろう。個別銘柄の人気トップはまた「トヨタ」。このところ数年1位だし時価総額はトップだからといってトヨタの株価に大きな夢がある訳でもない。
むしろ小数意見に正論があるとすればANA、サイバーエージェント、西武、ガイシ、JT、ファナック、富士重工、富士通、三越伊勢丹、地所が2票。1票はオリンパ、鹿島、クックパッド、クボタ、ソニー、武田薬、JR西、三菱ケミカル、ヤクルト、ユーグレナ、良品計画、ローム。
日経平均株価は582円安の18450円と反落。国際帝石、イーレックスが上昇。ファーストリテ、アドバンテストが下落。
5日(火):
日本経済新聞社とマークイットが発表した12月のインド製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.1。前月の50.3から低下し、28カ月ぶりの低水準となった。景況の改善・悪化の節目となる50を2013年10月以来初めて下回ったことになる。コメントは「インドの製造業は年末に悪化した。内需が低迷していたところに南部の洪水が追い打ちをかけた」。生産指数は46.8で、前月の50.4から低下。2009年初め以来最低。新規受注も過去2年あまりで初めて減少。そして中国の12月財新メディア製造業PMIは48.2で市場予想48.9を下回った。
新年初日の取引となる4日の中国株式市場は前場に約4%下落。中国経済に対する改善期待が後退。大株主による株式売却を禁止する措置が近く期限を迎えることも、売りの材料視された。午後は5%下落となり今年から導入された「サーキットブレーカー」制度が一時発動。その後CSI300指数が7%下落。大引けまで取引が停止となった。サーキットブレーカー導入初日の発動は敬意を表した訳ではなかろう。しかし、日のないところに煙は立たないように、何らかの制度の変更は必ずといってよいほどその実施を伴うもの。それにしても迷惑だったのか、あるいはサーキットブレーカーがあったから止めてくれたのか。結論は時間の進行を待つしかない。
因みに昨年は大発会と翌日の2日で日経平均は567円下落したが今年は1日で500円以上下落した。
日経平均株価は前場プラス展開だったが、結局76円安の18374円と続落。東電、さくらネットが上昇。日水、マツキヨが下落。
6日(水):
日経マーケット面では「株、先物主導で揺れ大きく」の見出し。「16年に入ると、現物株が伸び悩む一方、先物売買が増加。現物株の売買には先物と現物の価格差で利ざやを稼ぐ裁定取引の『仮の需要』も含まれており、実需は見た目以上に少ない可能性がある」。
ファーストリテの極端な値動きを見ればわかるように、たしかに先物という尾が胴体を動かしている。ただ指数という怪物が暴れまくっていることを実態経済の変化ととらえるには無理がある。いつかは本筋に戻るのが株価。実態を極端に離れた値動きもいつかは是正されよう。
面白いのは上昇局面ではこの手の動きはあまり見られないこと。上げは緩慢、下げは急速だからこそ、先物は下げをターゲットにしがちなもの。しかも特徴は些細な材料を過大に解釈した悲観論の台頭。長い間、負け犬マーケットに慣れ親しんできたことこら世相は楽観論よりも悲観論に同調しがち。この間隙をぬっての巧みな動きには脱帽する。
日経朝刊の投資情報面では「『フィンテック』銘柄急騰」の見出し。「5日はラクーンも16%高と値幅制限の上限まで上昇した。ソフトウェア開発のインフォテリアは大幅に5日続伸し、この間に約2倍に値上がりした」。12月15日に280円だったさくらインターネットは前日1075円。前日まで3日連続ストップ高で株価は4倍近く上昇した。背景は金融とITを融合したフィンテック。政府が打ち出しているICTの動きに沿ったとも言えるし、今年のテーマを先取りしているのでもあろう。
言えることは株を買っているのか、株価を買っているのかということ。おそらくある時点までは将来に期待して株を買っていたのだろう。しかし値動きの良さに注目して株価を買う向きが増えたからこそ売買高も増加。せいぜい数万株しかできなかったのに数千万株という商いにもなった。
因みに大発会のラクーンの売買高は3339万株。発行済株式数は1808万株。強烈な仮儒が発生したということ。株は実需の時代が長く仮儒の時代に脚光を浴びる。しかし仮儒がどこまで続くかは神のみぞ知る世界。とはいえ仮儒と仮儒のスパイラルは株価のモンスター的成長には必要不可欠。「世にも奇妙な日々」はこういう時に訪れがちなものであるのもまた現実である。指数などよりも底深い個別の動きと言える。
日経平均株価は182円安の18191円と3日続落。モバクリ、Vキューブが上昇。村田、川船が下落。
7日(木):
荒れるSQ週の火・水・木。申年の相場の初めにいきなりサル3匹登場。
1匹目は中東のサウジとイランの国交断絶。正月早々の中東リスク懸念を醸し出している。2匹目は中国。製造業PMIの悪化で景気先行き不安を感じさせている。余計だったのは3匹目。北朝鮮が水爆っぽい核実験を行い、東アジアの地政学リスクを高めた格好。
昨年もウクライナとかイラク、ギリシャなどの午が暴れさせられるが、今年もアチコチで悪猿の乱舞。神出鬼没のサルに翻弄される市場からの声は「うんざり」。しかしいずれにしてもこれらと付き合っていかなければならないのが市場の宿命。
「うんざり」と言いたくもなるが、あしらい方を学ぶ方が賢明だろう。とはいえ、年初大発会から3日続落。
リーマンショックの08年やITバブル崩壊の01年頃にもあったような気がする。それでも改めて調べてみれば95年以来の3日続落。しかもその前は1980年まで調べてみても3日続落はなかった。
因みに95年は大発会から4日続落。阪神大震災、サリン事件、円高ともろもろの悪材料で日経平均は19684円→14485円まで下落。ところが金融機関の破たん処理が進行。住専処理が閣議決定され年末には2万円台復活。5000円下落して5000円戻した年だった。
あの年為替は4月の円高の極致だったが、株価の底打ち反転は7月。アノマリー的に似たような動きになると半年辛抱なのだろうが、そこまで時間を浪費する意味もなかろう。
1月14日は上げの特異日というアノマリーにすがれば長くてあと5日。そこまの覚悟は要らないと思うが年初3日間の下落幅は842円。10年債利回りは0.245%と11か月ぶりの水準。
1.9%も見えてきたのかも知れない。空売り比率は41.8%と依然高水準。裁定買い残(12月30日時点)は2858億円増加し3兆3018億円。しかも売り残も1530億円増加し3452億円。日銀のETF買いは352億円と前月の369億円から減少。日銀も買い回数増加を少し懸念したのだろうか。日経平均の25日移動平均は19120円で4.86%のマイナスかい離。
日経平均株価は423円安の17767円と4日続落。東証1部の売買代金は2兆8338億円。東電、Nフィールドが上昇。パナソニック、大和が下落。
8日(金):
21年ぶりの大発会から3日続落を越えて4日続落。年初から日経平均株価は1266円の下落。12年ぶりの原油安に4年ぶりの人民元安。そして2度目の上海サーキットブレーカー。中東ではサウジのイエメン・イラン大使館空爆まで加わっての売り一色。不思議なことに北朝鮮の核実験など霞んでしまった。泣きっ面に蜂は指数寄与度トップのファーストリテの5年ぶりの減益という下方修正。
背景は原料高と円安とされる。だったら原油安と円高トレンドはむしろ歓迎と言いたくもなる。ただ「安くなければ買われない」というビジネスモデルの限界なのかも知れないのは懸念。行き過ぎもまた相場。とはいえ売られ過ぎ指標を数え上げるもの5日目になるといい加減にして欲しくなる。
日経平均の25日移動平均かい離はマイナス6.69%。9月29日のマイナス6.83%以来の水準。この時、日経平均は瞬間16901円まで売られ翌日から12月1日の20012円までの起点となった。9月8日はマイナス10.82%。翌日の日経平均は1300円超の大幅高。8月25日がマイナス12.24%。そう考えると25日線かい離は物足らないのかも知れないし、後から悪さが付いてくるのだろうか。
NTレシオは12.18で昨年10月19日の12.12に近づいてきた。これは225主導で売られた傍証。サイコロも3勝9敗で25%。サイコロ100%が見られるかと期待したのはついこの間のことのように思える。
松井証券信用評価損益率速報で売り方はマイナス6.890%。買い方はマイナス12.117%と2ケタに乗せてきたが昨年の記録は9月29日のマイナス17.630%。こちらも少し物足りない水準。そして空売り比率は42.4%だがこれも昨年9月29日が43,4%のバッケンレコード。これら紙芝居的数値は最悪に近づいてはいるものの最悪ではない。もっとも週足一目均衡の雲の下限が17740円。9月29日はココでぴたりと止まった。24か月移動平均線が17533円を覗きに行くのかどうかが課題なのだろうか。ファンダ的には日経平均採用銘柄のPERは14.64倍でEPSは1213円。14倍は明らかにリバウンド水準だが、まさか13倍台を望んでいる訳ではなかろう。(もっとも上海は13倍だが・・・)。
東証1部の単純平均は2869.15円。3000ポイント割れはあまりにショボすぎる。因みに東証1部配当りは加重平均で1.93%と2%に近付いてきた。市場では「出口の見えないトンネル」という声があるがどんなトンネルも必ず出口がある。決して洞窟や井戸ではない。
日経のイヤな見出しは「外国人、7年ぶり売り越し」。外国人は08年以来7年ぶりに2509億円の売り越しだった。6月までは2兆6583億円買い越しだったから後半一気に売りに転じた格好。背景としてオイルマネーの逃避も挙げられている。現物は2509億円ながら先物は2兆8653億円の売り越し。残念ながら相場乱舞の背景となっていたことになる。ただ現物は個人も4兆9995億円の売り越しで4年連続。一方事業法人が2兆9632億円の買い越しで過去最高。信託も2兆75億円の買い越しだった。
SQは通過。推定SQ値は17420.01円(12月メジャーSQ値は18943円)。ファーストリテの売り気配で算出まで10分かかったが絶妙の下方修正タイミング。幻か幻でないかは結構大きな問題となる。なにも作意はなかろうがどうしてSQ前日に四半期決算を発表するのか理解に苦しむ。225寄与度トップという概念があるのかどうか。決算役員会が木曜だからなのかも知れないがマーケットインパクトという点では一考の余地はあろう。
日経平均株価は69円安の17697円と戦後初の大発会から5日続落。東証1部の売買代金は3兆2017億円。ファナック、さくらインターが上昇。富士重工、ヒトコムが下落。
(2) 欧米動向
興味深いのは昨年のNYダウ採用銘柄の動き
上昇13銘柄、下落17銘柄で年間2.23%の下落。
下落率トップは小売りのウォールマート。
そしてキャタピラ、アメックス、シェブロン、エクソンなど。
資源価格の下落よりも消費関連小売りの方が下落率は高かったという事実。
アメリカ経済大丈夫?という気にならないでもない。
一方上昇率トップはナイキ。
以下、GE、ホームデポ、マック。
統一性のない値動きはやはり指数という尾に振り回された結果なのだろうか。
(3)アジア・新興国動向
中国は人民元安を食い止めるの為替介入で12月の外貨準備高は12.7兆円減少。
ピークの14年6月比で2割の減少。
IMFのSDR採用なんて時期尚早だったのだろう。というか、反対勢力のオフショアでの人民元売りだったとすると面白い。
朝令暮改という故事の出典は「漢書・食貨志」。
まさに中国はそういう歴史のあるところで今回はサーキットブレーカーの発動を4日で停止。
寄り付きから30分で全銘柄の取引を停止する規制は消えた。
というか、タッタ4日で消える規制などあり得ない。
中国市場の未成熟さの象徴でもあろうか。
そんな市場を一人前に取り扱うから間違える。
体だけ成長した未熟者として考えないと思わぬ誤解と錯覚は増えるのだろう。
中国証券監督管理委員会(CSRC)のコメント。
「サーキットブレーカーが株価急落の主因ではないが、想定通りに機能しなかった。
コストがメリットを上回った。
相場の安定化に向けて停止を決定した」。
市場では売買停止の発動基準が5%とか7%というのが低すぎるという声がある。
デイトレの基準としては妥当なのかも知れないが取引停止条件ではきつすぎる。
しかも先物だけでなく全銘柄停止というのも理解不能。
本来は疑問視し辟易しなければならない筈の規制だった。
世界金融市場への影響など何も考えていない証拠でもあり、フリーでもグローバルでもフェアでもない。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
11日(月)成人の日で休場、北米自動車ショー(デトロイト〜24日)
12日(火)景気ウォッチャー調査、国際収支
13日(水)マネーストック、米財政収支、ベージュブック
14日(木)機械受注
15日(金)米小売売上高、生産者物価
2015年最終週の日経平均は3日続伸。
終値ベースで19000円台を回復した。
週間では264円の上で週足では陽線、残念ながら月足では陰線となった。
2015年の日経平均は上昇率で9.1%、値幅では1582円の上昇となった。
年足では4年連続の陽線。
TOPIXは9.9%上昇。
日経ジャスダック平均は12.0%上昇、東証2部指数は7.7%上昇。
東証マザーズ指数は2.5%下落。
海の向こうのNY市場ではNYダウが2.23%、S&Pが0.71%下落。
NASDAQは5.73%上昇となった。
大統領選挙前年の株高アノマリーは崩れた格好。
背景は原油安と言う解釈だが・・・。
昨年末の指標のまとめ。
↓
NTレシオ12.30《最高12.56(7月9日)、最低12.12(10月19日)》。
騰落レシオ79.80%。
サイコロは5勝7敗で41.7%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方はマイナス10.258%。
《最大マイナス15.37%(1月10日)、最小マイナス4.87%(5月21日)》
買い方マイナス7.989%。
《最大マイナス17.630%(9月29日)、最小マイナス1.639%(6月24日)》
信用評価損率(12月25日現在)マイナス11.47%。
裁定買い残は2526億円現状し3兆159億円。
空売り比率は33.9%。
《最大43.4%(9月29日)》
日経VI19.47。
日経平均採用銘柄PERは15.57倍。EPSは1224円(最大は12月8日の1270円)。
ブラックストーン副会長のバイロン・ウィーン氏の「2016年版ビックリ10大予想」。
(1)【2016年米大統領選、民主党のヒラリー候補が勝利】
共和党のテッド・クルーズ候補を打ち負かすだけでなく、民主党が米上院で多数派に躍り出る。
クルーズ候補の極端に保守的な政策が裏目に出る見通し。
ただ選挙結果は、両党とも予想以下にとどまる。
(2)【米株は下落】
業績不振、利ザヤ縮小(賃金上昇でも価格競争力低下)、株価収益率(PER)の縮小が打撃となる。
世界的に不安定な情勢で、現金志向も強まり株価を圧迫へ。
(3)【FEDは2015年12月利上げ後、2016年の利上げは1回のみ】
2015年12月に利上げを開始した当時は2016年に4回にわたる利上げを予想していたものの、
0.25%1回のみにとどめる。
経済と業績の低迷に加え、経済的苦難を抱えるエマージング国が背景。
年後半には利下げ転換すら、検討され始める。
成長率は2%以下に終わる。
(4)【海外投資家、米株の持ち高を縮小】
米経済の鈍化や業績不振を受けた米株安により、海外投資家が米株の持ち高を縮小させる。
米大統領選など政治的な不透明性も嫌気され、ユーロドルは1.20ドルまでユーロ高・ドル安が加速する。
(5)【中国は辛うじてハードランディングを回避も経済減速は免れず】
中国経済はハードランディングを回避するとはいえ若い世代を満足させる雇用を創出できず、
銀行も不良債権の増加に苦しむ。
債務はGDP比250%に増大し、小売売上高をはじめ自動車販売、鉱工業生産が上向くも
成長率は5%以下まで鈍化へ。
人民元は輸出促進を目指し、対ドルで7.0元へ切り下げる。
(6)【難民問題でEUは再び崩壊の危機】
国家主義者、極右が台頭し、EU崩壊の決断こそ下されないものの
ユーロの長期見通し長期的見通しに暗雲が垂れこむ。
(7)【原油は30ドル台で低迷】
世界経済の鈍化に加え、イランの増産やサウジアラビアの産油量調整への躊躇が仇となる。
採掘活動の縮小でいずれ原油高を迎えるときが到来するだろうが、2016年に需給ひっ迫は見られない。
(8)【ニューヨークやロンドンなど、高級不動産が急落】
ロシアや中国の買い手が市場から撤退し、高級不動産が値崩れする。
原油安により、中東の投資家の需要も低下。
数多くのコンドミニアムが売れ残り、不動産開発業者は困難に直面する。
世界都市部の高級不動産物件。
2016年は1.7%の上昇と2015年の3%から鈍化するとの調査結果も。
(9)【米10年債利回り2.5%以下で推移】
米経済の鈍化と米株の失速を受け、投資家は安全資産へ資金を振り向ける。
(10)【世界経済成長率は2%増へ】
米国の弱い国民総生産(GNP)に加え中国、その他エマージング国経済も予想以下に終わる
その他の「起こりうる」予想。
(11)【米欧で大規模なテロは減少】
安全保障面が強化されイスラム国(IS)やアルカイダなど、
テロ組織による100人を超える死傷者を出すような大規模な攻撃は米国及び欧州で減少する。
ただし、米国は中東からの難民受け入れを限定的にとどめる。
(12)【日本、アベノミクスが奏功する】
2015年下半期の景気後退から脱し、成長率は1%増となる。
日経平均は2万2000円へ上昇する一方、ドル円は130円までドル高・円安が進む。
(13)【投資家は金融工学への態度を硬化させる】
自社株買いをはじめM&A、租税回避策は短期的に1株当たり利益こそ引き上げるのみと気づき、
設備投資や研究開発費の改善を求めるようになるためPERは低下する。
(14)【製薬業界にとって大躍進の年に】
ガン、心臓病、糖尿病、パーキンソン病などにおいて画期的な新薬が複数開発され、
新薬の価格に対する政治家の批判も緩和する。
寿命は延び続け、年金プログラムを一段と圧迫していく。
(15)【商品価格は安定へ】
農業主、産業素材メーカーが減産に踏み切るため、商品価格は安定していく。
エマージング経済はリセッションから脱却し同株式市場も好調なパフォーマンスに驚きを禁じ得なくなる。
(兜町カタリスト 櫻井英明)
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