11月2週
今週の相場感
(2) 欧米動向
米国の投信業界では、世界最大の投信に変化。リーマンショック以降、首位の座は債券ファンドの「トータル・リターン・ファンド」(ピムコ)。10月末には、バンガードの「トータル・ストック・マーケット」が運用資産で首位になりました(運用資産2510億ドル)。
債券ファンドを凌ぎ、株式ファンドが5年ぶりの返り咲きということ。この「トータル・ストック・ファンド」の今年の運用パフォーマンスは約26%。日経平均の年間パフォーマンスは約39%。青く見える隣の芝よりも、自分の庭の方が花が咲いている状況。
(3)アジア・新興国動向
中国動向が静かな状況。むしろブラジル・インド・メキシコなどの経済状態に対してのコメントが目立つ。豪ドルの強さ、豪州株の強さが注目される。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
11日(月)国際収支、貿易収支、景気ウォッチャー調査、ユーロ圏財務相会合
12日(火)マネーストック、小泉元首相記者会見、シカゴ連銀全米活動指数
13日(水)機械受注、企業物価指数、米財政収支、10年国債入札、バーナンキFRB議長講演
14日(木)7〜9月GDP、米新規失業保険申請者指数、貿易収支、イエレン氏公聴会、ユーロ圏GDP,
15日(金)ケネディ次期駐日大使来日予定、米NY連銀製造業景気指数、鉱工業生産、アメリカでソニーのプレステ4発売予定
週末:ダライ・ラマ14世来日、安倍首相カンボジア訪問、チリ大統領選挙
政府機関の一時閉鎖でいい加減さが増した米雇用統計10月分。
発表は1週間遅れた。
結果は20万人増での着地。
市場予想は12〜13万人程度だったから多少はサプライズ。
これを演出というのかどうかは微妙だが・・・。
9月分は14.8万人→16.3万人、8月分は19.3万人→23.8万人に上方修正。
9月に金融緩和の縮小をしたくなかったから低めの設定。
9月を通過したので元に戻したなんて穿った見方もできなくはない。
そして政府機関の一部閉鎖での一時帰休した職員の雇用は維持との解釈。
一方失業率では一時帰休は失業との解釈。
この首尾一貫していない姿勢は興味深い。
細かく見ていくと・・・。
過去1年間の毎月の増加数の平均は19万人超で「労働市場の力強さが増している」との指摘。
ただ10月は労働人口が72万人減少。
労働参加率は62.8%で1978年3月以来の水準に低下。
就業者数は73万5000人減少。
10月の雇用増はすべて民間部門で政府部門は8000人減少。
時間当たり賃金は前月比2セント増の24.10ドルで前年比では2.2%増。
雇用減少→金融緩和維持→株高。
雇用増加→金融緩和縮小→株安→景気実態良好観測→株高。
このねじれた解釈こと真骨頂なのだろうか。
東京はオプションSQを通過。
SQ値は14013.07円で幻どころか下過ぎた印象。
騰落レシオは98.34%。
信用の評価損率はマイナス8.98%。
裁定の買い残は612億円増加し3兆5490億円。
空売り比率は前日の30.5%〜28.4%へ低下。
SQ通過で多少は風景が変わる事に期待したいところ。