9月2週
今週の相場感
(2) 欧米動向
オバマ米大統領の今の最大の苦悩はシリア問題。
親分英国が脱落し、いとこのフランスまでが遠い関係。
ノーベル平和賞受賞者として、ただ一人で空爆への決断を迫られている。
今週のバロンズ誌の指摘。
「1950年に北朝鮮が韓国に侵攻して米軍が軍事作戦を開始したときS&Pは5.8%下落。
しかし2ヵ月後には4.2%上昇していた。
2011年にリビアで空爆が行われる前にS&Pは4.8%下落していた。
2ヶ月後には5%上昇していた。
その教訓は『軍事的な機器が去ると株式市場は悪材料を織り込んで上昇に向かう』」。
なかなか難しいところだが・・・。
過去を紐解けば、1950年→2012年のNYダウ。は上昇25回、下落38回。
S&Pは上昇28回、下落34回、NASDAQは上昇23回、下落19回。
NASADQだけがかろうじて勝ち越し。
同様に1950年→2012年までの9月の月間騰落率。
NYダウがマイナス0.9%、S&Pがマイナス0.6%、NASDQがマイナス0.7%。
市場の指摘。
「米国株はそもそも過去50年間継続して上昇しており、月間平均がマイナスになること自体が珍しい」。
加えれば・・・。
MSCIのアドバンスドカントリーは過去30年でマイナスになのは6月と9月。
1980年以降のMSCIワールドインデックスの9月月間騰落率はマイナス0.7%。
(3)アジア・新興国動向
ショボかったのG20。
採択された首脳宣言は「世界経済の回復に向けた取り組みは終わっておらず、新興市場諸国の成長に対して資本フローの変動によるリスクが存在する」。
QE3縮小の新興国への影響が推し量られた格好。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
9日(月)4〜6月GDP改定値、国際収支、景気ウォッチャー調査、米消費者信用残高。中国消費者物価、生産者物価
10日(火)マネーストック、工作機械受注、米アップルイベント開催、3年国債入札、中国鉱工業生産
11日(水)国内企業物価、モンゴル首相・トルクメニスタン大統領来日、米10年国債入札、世界経済フォーラムダヴォス会議(大連〜13日)
12日(木)機械受注、オフィス空室率、米財政収支、30年国債入札、イタリア国債入札
13日(金)メジャーSQ、米卸売物価、小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感、企業在庫
日経平均の25日移動平均は金曜日は少し上向きなで人気は復活したものの金曜はまた下向き。
75日移動平均は下向きなので需給は依然一服感。
200日移動平均は継続して上向きなので景気は継続して良い。
一目均衡の雲は9月11日に白くねじれる予定。
三井住友アセットのト投信「日本再興戦略株式ファンド」が設定。
上限2200億円に対し約800億円の設定。
参考ポートは「日本産業再興プラン」では三菱UFJや地所。
「戦略市場創造プラン」では武田薬や楽天。
「国際展開戦略」では日ハムや丸紅などが挙げられている。
バロンズ誌のコラムは「日本の内需株を狙え」。
結論は「トヨタなどの為替を材料にする銘柄は忘れよう。
今後18ヶ月の大きなチャンスは内需関連銘柄中心となろう。
銀行・証券会社・建設・不動産・一部の小売がターゲット」。
個別では大和証券と三井不動産がピックアップされている。
大和?と唐突さの混ざった不思議な印象を受けた。
雇用統計はショボかった。
紅の豚が邪魔したのかどうかは不明ながら非農業部門雇用者数は16.9万人での着地。
前月分は10.4万人増に下方修正。
失業率こそ7.3%に低下したが、これでQE3縮小はさらに混沌としてきた。
ブエノスアイレスで行われた2020年五輪候補地の選挙で東京が決定。
56年ぶりの「3丁目の夕日」を迎える事になる。
東京開催に伴う経済波及効果は約3兆円と推計。
たった3兆円かも知れないが、この波及効果は大きい。
関連施設やインフラの整備で地方にも恩恵が及ぶに違いない。
飲食店や宿泊、広告などのサービス業が6510億円と波及効果が大きい。
建設業が4745億円、小売業などの商業が2779億円。
雇用押し上げ効果も東京都で約8.4万人、その他地域で約6.8万人で計約15.2万人。
それよりも国家と経済に対する自信の復活効果の方が大きいだろう。
1964年東京五輪開催が決まったのは1958年のミュンヘンIOC総会。
開催の5年前。
東京株式市場は岩戸景気を背景にした雄大な上昇相場の真っ最中。
日経平均は1957年12月の471円を底に、1961年7月の1829円まで4倍近く上昇。
「54年ぶりで同じような軌跡を辿るとすれば、2016年6月には3万2600円」という声も聞かれる。