8月4週
今週の相場感
(2) 欧米動向
グレート・ローテーションとマーケットが盛んに言い立てたのは今年の春。 なかなか進んでいないが、米国債などの世界では少しずつ兆しが見え始めている。 例えば前々週1週間に世界の国債ファンドから流出した資金額は過去最高の40億ドル。 流出額のほとんどは米国債ファンドからの流出。 特に上場ETFであるiシェアーズの米国債3〜7年ETFからの流出が際立っていたという。 市場の声は「投資家は米国債のネガティブパフォーマンスを踏まえ、ファンドから資金を引き揚げている」。

PIMCOの投信からは7月に74億ドルの資金が流出。 米投資信託の月間の流出規模で1993年のデータ開始以降、6月の145億ドルに次いで過去2番目の大きさ。 PIMCOの旗艦債券ファンド「トータル・リターン・ファンド」は7月に75億ドルの資金が流出。 6月には96億ドルが流出し過去最大だったがそれでも過去最大級。 トータル・リターン・ファンドの資産規模は約2620億ドルとされている。 同ファンドの7月の月間運用成績はプラス0.49%。 6月のマイナス2.64%からプラス圏を回復したと指摘されているものの今年通年ではマイナス2.52%。 儲からない場所にはお金が集まらないというのが常識だろう。 一方、PIMCOの株式ファンドは1億3800万ドルの流入。 個別投信でもそれこそグレートローテーション。 この国のマーケットだけが「我関せず」ではいられない筈だが・・・。

強さが戻ってきた市場に水差すようだが、端末等で流れた弱気論。 唱えているのは香港在住の著名投資家マック・ファーバー氏。 「今年後半の米国株は1987年型」という説である。 1987年のNYダウは年初770ドル→8月2772ドルと3.5倍の上昇。 その後10月19日のブラックマンデーまでに妬く23%下落したというのが歴史。 ダウもNASDAQもSP500も20%程度上昇しているのが今年だが・・・。 もう一つはマネーの流れに対する指摘。 それは日本株→欧州株への資金シフトが見られているというもの。 「上がらなくなった日本株、米国株」→「上がりそうな欧州株」という構図という。 シナリオ的には「これまで上がった国は売り、下がった国は買い」。 興味深いのは「自国通貨安を前提にしてその国の輸出関連株を買い動きは既に終了。 日本は09年〜12年までにこのシナリオ大きく出遅れた。 この間に欧米の輸出関連株は自国通貨安の動きから大きく買われた。 昨年後半からのアベノミクス相場で日本は半年程度でこの動きにキャッチアップ」。 たぶんこのシナリオはリセットなのだろう。 次のシナリオの1番手は「ユーロ買い/欧州内需(金融)買い」。 次が「ドル買い/米国内需株買い」のシナリオとされている。 ならは放っておいても円安のシナリオ。 ただ円安株高という無理筋シナリオの継続のためには オリンピックなどのインパクトは必要とされる。 それよりも重要なのは日銀の次の一手とされているが・・・。

(3)アジア新興国動向
HSBCの中国PMIが50を上回るかどうかが課題。もっとも中国準大手銀行、招商銀行の不良債権が急増。16日に発表された1〜6月期決算で昨年末比28%増加している。また野村証券のレポートが市場で話題になっている。それは「中国が経済成長率6%を下回るとアジアや豪州、中南米など多くの国が打撃受ける」という分析。可能性は10〜20%あり「小さくはない」という警鐘になっている。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
19日(月)貿易収支、日本BBレシオ、
20日(火)百貨店売上高、コンビニ売上高、ASEAN経済相会議、シカゴ連銀活動指数、独IFO景況感
21日(水)米中古住宅販売、FOMC議事要旨
22日(木)訪日外国人数、ジャクソンホール金融シンポジウム、HSBC中国PMI、TPP交渉会議
23日(金)米7月新規住宅販売、英独4〜6月GDP改定値


早急に奪還すべきはSQ値13640円そして8月1日終値(8月月足陽線基準)14005円。
7月31日終値13668円では志が低すぎるような気がする。
SQ値の推移を見てみると・・・。
12月分  9720円36銭
 1月分 10771円98銭
 2月分 11151円92銭
 3月分 12072円98銭
 4月分 13608円19銭
 5月分 14601円95銭
 6月分 12668円04銭
 7月分 14410円75銭
 8月分 13640円03銭

メジャーSQだと9月9076円→12月9720円→3月12072円→6月12669円→9月??? 12月〜3月のアベノミクスワープは3000円。 その後12000円台での微増。 9月でワープできなければまた12000円台ではつまらないのだが・・・。

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