7月1週
今週の相場感
(2) 欧米動向
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」とか「後講釈は厚く見通しは薄く」というのが常の市場。
金曜の後場の上昇に対する観測は「米WisdomTreeの定期リバランス。
同社が運用しているETF「Japan Hedged Equithy Fnud」で
日本株の大規模買いが発生したという話。
指摘は商事240億円、トヨタ160億円、キャノン93億円それぞれの買いなど。
6月期末だからそういうこともあり得るという解釈ですが、それにしても訳のわからないところでの
ファンドの暗躍。
良い方に転べば構わないのでしょうが、悪い方に転んでくると目も当てられなくなります。
一概に「何だそうだったのか」と素直に受け止められるということではないでしょう。
しかも・・・。
前日木曜のNYの下げは「バーナンキFRB議長の金融緩和縮小の具体化」を嫌気したとの解釈。
でも考えてみれば、そんなことはむしろ織り込み済みだった筈。
中国の短期金利の急騰の方がよほど説明がついたような気がします。
なんとなく聞いていると「そうかな」と思わせてくれる解釈。
でも比較的多くの場合、真実はそこからは離れて場所にあるような気がしてなりません。
依然として誰かが言うと「この指止まれ」が続いているようです。
(3)アジア新興国動向
米投資雑誌バロンズのカバーストーリーは「中国。長年の信用拡大主導経済限界?」。
BOAのストラテジストのコメント。
「中国の現在の信用拡大の状況は08年のベアスターンズ救済の段階まできている。
ここで局面を一片させるのは、リーマン破綻のような大きな出来事となる可能性大」。
警戒の中心は対GDPにおける信用の爆発的拡大とされる。
08年以前6年間のアメリカやイギリス。
85〜90年の日本。
アジア金融危機以前の韓国などと同じ状況と指摘される。、
中央政府を除く企業・家計・地方政府の負債の合計は07年は対GDP比で130%。
今年第1四半期には210%。
バブル時の日本は150%から195%に拡大しただけ。
とすると警戒感は高まるという論法。
もっとも、世界の信用システムに問題が生じた場合にはドルはすべての通貨に対して強含む。
となると、衰退危機の中国、20年のデフレから脱却する日本という構図。
音無しの構えが不気味な中国の動向は、確かに気にかかる。
あの国の故事には「杞憂」というのもあるが・・・。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
1日(月):日銀短観、米ISM非製造業景況感
2日(火):マネタリーベース、米製造業受注
3日(水):米ADP雇用統計、
4日(木):NY休場(独立記念日)、ECB理事会
5日(金):景気動向指数、米雇用統計、失業率
過去22年の7月の日経平均株価は10勝13敗で12ヶ月中で8位。
国内は21日の参院選挙に向けての堅調展開が見込まれる。
海外は以前アメリカ景気の好調と中国の変調の綱引きだろうか。
ただ日柄整理は完了。
半値戻りからの逆襲と見る。