6月2週
今週の相場感
(2) 欧米動向
何のかんのと言っても市場の中心はNY。 おそらく週末の雇用統計を巡っての喧々諤々というところなのだろう。 いつの時点でも目標がなければ動けない市場参加者と市場関係者は多いもの。 前場は夜明けの延長線。 後場は夜更けの前哨戦。 今は残念ながら早起き鳥ではなく、宵っ張りの梟に分がある印象。 倒錯した時間で動く生き物に蹂躙されたくはないものだが・・・。 そもそもそのNY市場。 景気指標が良くなく、金融緩和の出口が遠のくシナリオがベターというシナリオ。 本来は景気指標の好転を待ち望んでいたはずなのに、今では景気指標の悪化を好感する始末。 本末転倒の解釈となっている。 日経でも指摘は「米緩和『出口』ねじれる市場。景気回復でも株安」。 ねじれというか曲解というか。 ここが変なところ。 お金さえ刷られているのならば株高という意味不明のシナリオも権威のもとに言われると・・・。 さすがに「おかしい」といえなくなるのかも知れない。

怪しいところに登場してきたのはパリバの「ラブパニック指数」。 S&P500の先行きを予測するもので、今後6ヶ月以内に12%下落の可能性が示唆されている。 指数の構成項目は16。 グローバル株式ファンドへの資金流入の減少、 プット・コール比率、高成長株の資金流入、AAA格企業のCDSの低下などなど。 株価の上下に沿った形でさまざまなものが登場する。

(3)アジア新興国動向
ここしばらくはやや蚊帳の外の印象。中国やブラジル、トルコなどを見ているのは投信くらいだろうか。いずれにしても平穏無事は悪くない。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
10日(月):日銀金融政策決定会合(〜11日)、GDP確定値、国際収支、景気ウォッチャー調査
11日(火):マネーストック、黒田日銀総裁会見、ゲーム見本市E3(ロス)、3年国債入札。Wカップ予選(イラクー日本)
12日(水):機械受注、米財政収支、10年国債入札、スプリントネクステルの臨時株主総会
13日(木):米小売売上高、輸入物価、30年国債入札、イタリア国債入札
14日(金):メジャーSQ、成長戦略と骨太の方針を閣議決定、米鉱工業生産、経常収支、ミシガン大学消費者信頼感、五輪招致プレゼン(スイス)

裁定取引の買い残は4338億減少して3兆4265億円。 この2週間で約8000億円減少した。 株価は約2500円の下落。 ということは裁定買い残1000億円の減少で指数は300円下落したことになる。 こいつが増加に転じれば株価は下げ止まりから反発なのだが、所詮遅行の数字。 日経平均のボラはまだ40%以上であり、ボラの高さは変わらない。 GW明け以降日経平均の続落はなかったが、また連続は途切れるのだろうか。

1/4〜6/3までの、曜日別の日経平均の勝敗。

・月曜日 10勝8敗(うち100円以上の上昇:7回、100円以上の下落:7回)
・火曜日 8勝13敗(同:4回、同:3回)
・水曜日 14勝6敗(同:9回、同:4回)
・木曜日 12勝9敗→直近5連敗中(同:6回、同:7回)
・金曜日 16勝5敗(同:11回、同:3回)

いつも事前に騒がれるだけの雇用統計も非農業部門雇用者数は増加基調、失業率は悪化という玉虫色で着地。新月を通過してメジャーSQに向けてのバトル再開だが、そろそろ一方通行は終わると見る。

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