5月5週
今週の相場感
(2) 欧米動向
ゴールドマンの「ポートフォリオ戦略」。
日経平均の今後1年間の目標水準は1万6000円→1万7000円。
TOPIX1350→1400ポイントに引き上げ。
コメントは「市場が最近の上昇分を消化する過程で、
目先の指数はレンジ内での変動が予想される。
今後6〜12ヵ月以降は7月の参院選で見込まれる自民党の勝利やマクロ経済の着実な回復の兆候、
企業収益のポジティブ・サプライズ、インフレの兆し、
政府の成長戦略の進展などが指数の上昇を促す。
昨年11月以降の外国人投資家の累計買い越し額は9.3兆円に達するが、
小泉政権下での強気相場時の実績(2003〜2007年の39兆円)と比べると
依然4分の1の規模に過ぎない。
結論は「日本株の『持たざるリスク』がさらに高まっている」。
この「持たざるリスク」が登場すると通常は高値懸念だが、どうも「今回は違う」。
この「今回は違う」も天底アノマリーの一つだが・・・。
米投資雑誌バロンズノ「現在の状況は1980年代、90年代に類似」というコラム。
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1980年代、90年代の米国経済は平均4%弱で拡大した。
株式市場では1982年から1991年の10年間のうち7年間はディフェンシブ株が主役。
その後の8年間のうち6年は景気循環株が牽引役となった。
今年の上昇相場はディフェンシブ株が牽引。
日経平均株価も上昇していることkら1980年代が戻ってきたかのようだ。
現在5%以上の調整のない期間は183日以上継続で、今回の相場で最も長い。
絶え間なく続く上昇は1995年に似てもいる。
当時も現在と同様に政府の財政赤字と欧州の景気低迷が懸念だった。
民主党政権をマスコミは批判。
爆発事件の衝撃(95年オクラホマシティ連邦政府ビル、今年ボストンマラソン)も一緒。
1980年代の上昇相場はインフレ退治のためにFRBが行った積極的利上げが端緒。
インフレ率は80年の13.5%→86年に1.9%まで低下。
投資家は配当利回りを強く求めたのが歴史だった。
さて今回は、というところ。
日米ともにマーケットそのものとマーケットに入り込んでくるマネーは成長しているということ。
日銀の188億円のETF買いなど、市場では小さい存在と化した。
債券の投資規模を株式に当てはめれば、それこそ規模の差は際立つ。
モンスターのように成長した市場では、規模と方向性の違った動きが求められる筈。
(3)アジア新興国動向
相変わらず中国景気の鈍化懸念はくすぶっており折に触れて関連銘柄の下落の材料とされる。この傾向は依然として継続使用か。新興国関連で新たに注目され始めたのは安倍首相が訪問したミャンマー。あるいはアフリカ諸国。小さな国々の成長に期待するには時間が多少はかかるだろう。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
27日(月):シン・インド首相が来日、メモリアルデーでNY休場
28日(火):米S&Pケースシラー住宅指数、消費者信頼感、2年国債入札
29日(水):米5年国債入札、
30日(木):米GDP改定値、7年国債入札、イタリア国債入札
31日(金):有効求人倍率、消費者物価、鉱工業生産、米個人所得、シカゴ購買部景気指数
ケースシラー住宅指数をアレコレ論じるのだろうか。
円滑な米国債入札を進行させるシナリオでないことを願いたいところ。
国内の失業率、鉱工業生産待ちも加わるのだろうか。
因みに5月月足陽線基準は5月陽線基準13799円(5月1日終値)。
5月SQ値14601.95円。
日経平均株価は一時15900円水準。
第一次安倍内閣のスタート時点は15557円。
長い時間の禊は完了。
ようやく新たな局面にはいることになろうか。
因みに第一次安倍内閣の期間騰落率はプラス5.65%。
解散時点の07年9月26日は16435円だった。
今回は12月26日からはプラス50.15%。
野田氏の解散宣言時点の11月14日からはプラス77,28%。
因みに福田内閣マイナス26%、麻生内閣マイナス15.22%。
鳩マイナス7.14%、菅マイナス6.15%、野田内閣マイナス3.2(11月14日)。
安倍内閣以降のマイナスは安倍内閣で取り戻したことになる。
一方で乱高下状態に陥ったのは木曜の大幅安。ロングストラドルの圧倒的勝ち」との声も聞かれる。
このロングストラドルは合成オプションの手法。
同じ行使価格のコールとプットを1単位ずつ購入するという手法。
相場が上昇した場合にはコールオプションを行使し、
相場が下落した場合にはプットオプションを行使することで利益が得られるという戦略。
相場が動きさえすれば利益が得られるポジションなので、昨日は大儲け。
しかも「ロングストラングルも圧倒的勝ち」。
時価よりも「行使価格が高いコールオプション」を買い、
「行使価格が安いプットオプション」買うというもの。
これは相場の大変動が予想される場合にとられる戦略。
前場はコールで大儲け、後場はプットで大儲け。
通常は股咲きになることが多いのだが・・・。