5月2週
今週の相場感
(2) 欧米動向
4月第3週までにS&P500採用銘柄のうち255社が決算を発表。
純利益は前年同期比3.7増加した。
ただ売上高は同0.1%増。
売上高が市場予想に届かなかったのは全体の43%。
結構微妙な決算の着地となっている。
一方で民間調査機関の1〜3月GDP予測は平均で2.8%成長の見通し。
背景は、円安・株高により好転しつつある個人消費とされている。
コメントは「必需品よりもぜいたく品が好調」。
ということは・・・。
今まではフォーカスする点が違っていたということになるのだろう。
そもそも・・・。
必需品で伸びる国家経済はほぼありえない筈。
「ぜいたくこそ成長の礎」とも言える気がする。
風物詩のように話題になる「セル・イン・メイ」のお題目。
あちこちで異論が出始めたからこれもまた趣深い。
たとえばカブコムの検証。
過去25年間(1988年1月〜今年3月)での平均騰落率の調査。
NYでは5月の株価上昇率は0.9%と4月の2.5%から低下。
6月には下落に転じている。
その後9月まで下落トレンドで、10月に1.3%の上昇に転じているという。
日本は4月の上昇率1.3%だが5月にはマイナス0.4%。
NYよりも1ヶ月早いとの指摘。
一方株価が上昇に転じるのは11月でNYよりも一月遅れ。
「日本では5月売り9月戻りでは遅い。セル・イン・エープリール」との声も聞かれる。
因みに今年4月の月間上昇率は11.8%で過去25年間の4月の平均の10倍の上昇。
完全にワープしていたということになる。
もう一つは「セル・イン・メイは5月前半から始まるとは言っていない」という格言があるという。
過去3年は5月から下落。
しかし06年は前半上昇した後に下落。
05年は前半下落、月半ば反転し6月にかけて上昇。
「セル・イン・メイ」は押し目待ちの合言葉という解釈もされている。
(3)アジア新興国動向
中国の諸々の経済指標は弱いものが目立っている。依然として中国経済停滞の懸念が残る状態。ただ市場は以前ほど中国株の動向に一喜一憂しなくなっておりアジアの株式は日本が完全にトップとなっている印象。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
7日(火):米3年国債入札、米韓首脳会談
8日(水):国際バイオテクノロジー展、米10年国債入札
9日(木):都心オフィス空室率、景気動向指数、米30年国債入札、スペイン国債入札、中国消費者物価、生産者物価
10日(金):国際収支、景気ウォッチャー調査、オプションSQ、出雲大社平成の大遷宮、G8財務相・中央銀行総裁会議、米財政収支
5月のアノマリー。
残念ながらあまり明るいものはない。
もっとも20年近くの下落エネルギーのワープを想定すると、あまり関係ないかも・・・。
・5月7日から下がる(確率80%程度)。
・投信の解消売りの可能性。
・最終月曜日メモリアル・デーからバケーションで休み。
・中国の端午節
・月末から5日線を越えたら買い始める。
・外国ファンドは6月中間決算を控え利益確定売りに向かう。
・ヘッジファンドは5月中間決算、解約資金手当てで利益確定売り。
・ビール株の高値は5月のアノマリー
・5月17日は下げ止まりの特異日。
日経平均株価は過去22年間11勝12敗で勝率47.8%。
12月中6位。
子供の日の後の3日間のパフォーマンス。
07年は3連勝、一方04年、12年は3連敗。
日経平均株価の過去10年の月足陽線は5勝5敗とイーブン。
10日のSQは金環日食に新月が重なっている要注意日。
25日が満月。
あちらこちらで強気をぶち上げるほどに変身したNY大学のルービニ教授。
破滅博士の名前は打ち捨てた格好となっている。
リーマンショック時点に「100年に一度の危機」とした危機論者の変身
海の向こうだけのことではないが・・・。
そのルービニ教授。
最近は一転して強気。
ロスで開催された会議でのコメントは「できるだけ株を買いなさい」。
そして「FRBの金融緩和で今後2年間は株価の上昇が続く。
ただし賞味期限は2年間」
背景は「FRBが作り出そうとしている大巨額の詐欺(massive fraud)」。
08の住宅バブル崩壊を招いたことと同様の金融緩和を今回もやり、
資産バブルを作り出しているとの解釈。
「levitational(魔術による空中浮遊)」という比喩まで披露されている。