5月1週
今週の相場感
(2) 欧米動向
株の世界では5月株安のアノマリーを払拭したいところ。
でも執拗にネガティブアノマリーが登場する。
例えば「アルコアの法則」。
まずは明るいアノマリーの方から。
過去10年間アルコアの四半期決算の純利益が市場予想を上回ると
その後3ヶ月間でSP500は平均4〜5%上昇しているというもの。
8日発表のアルコアの1〜3月期EPSは市場予想の0.08ドルを上回る0.11ドル。
このアノマリーならよさげ。
一方で、「アルコア決算の翌週の週足が陰線だった場合、
ウォールマートの決算まで株価は下落傾向」というアノマリー。
今回は週足陰線。
5月中旬まで全体相場は軟調というのだろうか。
両方が該当したアノマリーは判断に苦しむところ。
「ベアキラー」が微笑むのか「ブルキラー」がほくそ笑むのか。
いっそのことキラーなんていらないのだが・・・。
(3)アジア新興国動向
アジア開発銀行は2013年のアジア経済見通しの中で、中国の今年のGDP成長率見通しを8.2と、従来予想の8.1%から引き上げた。14年の成長率見通しは8%。悪くはないが、米国・日本の成長復帰感が同国株式の復調を阻んだ格好。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
29日(月):昭和の日で休場、米3月中古住宅仮契約、イタリア国債入札、
中国ベトナム休場
30日(火):有効求人倍率、鉱工業生産、空売り規制の延長期限、FOMC(〜1日)、 ケースシラー住宅指数、シカゴ購買部協会景気指数、スペインGDP、
1日(水):ISM製造業景況指数、バーナンキ議長会見、ADP雇用統計、中国製造業PMI
2日(木):4月マネタリーベース、米貿易収支、ECB理事会、
3日(金):憲法記念日で休場、米雇用統計、ISM非製造業景況指数
4月月足陽線で9ヶ月連続。
09年の6ヶ月は既に通過。
05年の9ヶ月に並んだ(11302円→16649円)。
上場幅5347円でこれも抜いた。
26日の満月で変化するかどうか。
久しぶりに聞いたのは「ヒンデンブルグ・オーメン(暴落の前兆)」。
2010年8月以来、約2年8カ月ぶりに点灯したとの指摘はロイター。
因みに灯る条件は以下の4つ。
(1)NYSEでの52週高値更新銘柄と52週安値更新銘柄の数が
ともにその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.8%以上、
(2)NYSEインデックスの値が50営業日前を上回っている
(3)短期的な騰勢を示すマクラレン・オシレーターの値がマイナス
(4)52週高値更新銘柄数が52週安値更新銘柄数の2倍を超えない
一度発生すれば向こう30営業日は有効とされる。
ヒンデンブルグ・オーメンが確認されると77%の確率で株価が5%以上下落するというのが経験族。
パニック売りとなる可能性は41%
株式市場が重大なクラッシュとなる可能性は24%と算出されているという。
ヒンデンブルグ・オーメンが発生しても暴落しないケースもあるが、
1985年以降では米株が暴落した際はいずれの場合もシグナルが現れたという。
「米国株は主要株価指数が高値を更新しても
出来高が伴わないダイバージェンス(逆行現象)が起こっている。
ダウが最高値を更新しても、S&P.SPXがなかなか高値を更新しないパターンもみられ、
同様の現象が起こった2007年には、その後大きな調整が生じた」という指摘も聞かれる。
「異次元の緩和相場」の東京にこの経験則が通じるかどうかも見もの。
先週「日本株ラリー戦略」というレポートを発行したクレディ。
日本株のウェイトを6%→16%に引き上げた。
でも先物はずっと売り越しというチグハグさが楽しいのだが・・・。
大和のレポート「投資戦略ウィークリー」。
テーマは「長期政権」。
・・・7月の参議院選挙で安倍政権が勝利するとその後3年間は国政選挙はない。
衆議院の人気満了は2016年12月、参議院は同年7月。
2015年の自民党総裁選挙で安倍再任となり、2016年の参院選で勝つと、
2018年9月頃まで安部政権が続くことになる。
在任期間は2012年12月〜2018年9月で2000日以上6年近くなる。
1980年以降では、小泉政権1980日、中曽根政権の1806日を超える。
因みに小泉政権のTOPIX上昇率は約100%。
中曽根政権の同上昇率は220%。
まだ政権について5ヶ月という割には気の早い話だが・・・。
「日経平均が2万円を超えたら日本株投資を真剣に考える」。
そんな相場観のファンドマネージャよりはまともな思考法に映る。