4月3週
今週の相場感
(2) 欧米動向
米投資雑誌バロンズのコラムは「株式、そして日本の復活」。 最初の指摘は「株式ファンドの復権」。

金融危機で地に落ちた投資家の信頼感がついに回復し始めた。 米国経済の改善と堅調な企業利益により、 キプロス機器や北朝鮮の挑発に対する懸念は緩和され、投資家は続々と株式市場に戻っている。 (債券バブルの指摘も助けになったようだ)。 年初からの株式ファンドへの資金流入は752億ドル。 債券ファンドへの流入をわずかに上回った。 四半期ベースで株が債券を越えたのは07年以降で2度目のこと。 米国分散型株式ファンド1〜3月期に平均10,2%上昇。 世界株式ファンドは3.8%、ミックス型ファンドは4.5%。 一方で米国長期債券ファンド、世界債券、地方債券ファンドは1%割れ程度のパフォーマンス。 それでも債券ファンドに739億ドルが流入したという。

そして日本株ファンドの好調」。

日本株ファンドは1〜3月期に13%上昇。 14.3%のリターンを記録したファンドマネージャー氏のコメント。 「賃金が上昇しつつある。 これは過去5年で見られなかった現象。 日本の投資家は最近の変化と経済の方向性を好感している。 そして日本の銀行は金融危機で多くの欧米銀行が撤退したアジアのシンジケートローン市場で シェアを拡大している。

こういうコメントを見ると・・・。 賃上げを表明した企業を投資対象としたファンドというのもアリかも知れない。

(3)アジア新興国動向
上海株価総合指数は年初来安値を更新。堅調な東京市場と対照的に中国株は軟調継続だがそれほど話題にならないのが不思議なところ。15日発表の1〜3月のGDPが注目されている。ブラジルなど新興国市場の株安基調は先進国市場の株高の裏返しでもある。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
15日(月):安倍首相・ケリー国務長官会談、日銀支店長会議、TDL開園30周年、中国1〜3月GDP、各種経済指標
16日(火):首都圏マンション販売、米住宅着工、消費者物価、鉱工業生産
17日(水):消費動向調査、BBレシオ、米ベージュブック
18日(木):貿易統計、粗鋼生産、春の園遊会、北米BBレシオ、G20財務相・中央銀行銀行総裁会議(ワシントン)、
19日(金):千葉酒々井プレミアムアウトレット開業、世銀IMF会合(ワシントン)

特に期待も不安もないようなスケジュール。 17日が下げの特異日というアノマリーくらいだろうか。

時価総額は400兆円目前。 単純平均は300円目前。 裁定買い残は2376億円増加し、3兆1422億円。 08年5月16日時点水準まで積みあがった。 因みにその08年5月16日の日経平均は14219円。 TOPIXは1395ポイント。 現状は少し出遅れ感といったところか。 わずか2500億円だった09年3月など昔日の面影。 信用の評価損率が3週連続で悪化したとはいえ所詮マイナス2.62%。

アノマリーは「立花証券の大入り袋」との指摘が見られる。 5日(金)に出された同社の大入り袋。 07年3月11日以来のこという。 兜町では大入り袋は相場過熱のサインと言われるが・・・。 因みに・・・。 5日の売買高は64億株。 11年3月15日が57億株。 今年2月7日が51億株。 それ以下を見てみると2011年か今年の売買高が40億株台。 05年11月8日の45億株だけがそれ以外の年。 ということは、対して話題にもならないが昨日の47億株だって歴代8位になっている。

売買代金では07年8月9日の5兆2673億円がトップ。 次が07年6月8日の5兆1325億円。 3位が07年2月28日の4兆8222億円。 そして5日の4兆4833億円は歴代4位。 5兆円の売買代金にならないとなかなか抜けない。

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