4月1週
今週の相場感
(2) 欧米動向
今週号のバロンズではテクニカルアナリスト氏のキプロス弱気論。
登場したのはISIグループのテクニカルアナリストの大家ジョン・メンデルスゾーン氏。
「銅は予知能力に長けているため『経済学博士』と呼ばれることさえある、
その価格は06年5月にピークを過ぎ、17ヵ月後の07年10月に株式市場は天井となった。
フェデックスの急落でダウ輸送株指数は1.5%下落。
輸送株は堅調な経済を裏付けるものではない。
欧州あるいはその他の懸念が悪影響かどうかは決算発表でのトップのコメントで明確になる」。
賢く聞こえる。
たまにそうなることもあった。
でも・・・。
この類の危機警戒論はもう聞き飽きたのだが・・・。
それでも聞く人がいるということはある意味霊感商法みたいなものなのかも知れない。
人は楽観論よりも、どういう訳か悲観論や危機論がお好きらしい、
ノストラダムスの大予言や2012年地球破滅論など通過とともに消えた。
所詮、ビジネス的な警戒論と考えることの方が、賢明なのかも知れない。
そして「春休みか」というコラム。
「株価は過去最高値圏にあり、企業業績も拡大。
しかし、米国の投資家は、業績の伸びが今後鈍化して相場の腰を折らないかと気になって
夜も眠れない(キプロスの展開が気がかりな訳ではない)。
アナリストによるS&P500指数構成企業の各四半期のEPS。
25.74ドル→27.67ドル→28.56ドル→29.90ドルとの見通し。
これを前年同期比の増益率に換算すると・・・。
1.5%→6.2%→10.3%→13.6%。
驚異的な回復を遂げることになる」。
とポジティブコメントは揶揄された格好に映る。
(3)アジア新興国動向
中国では高利回り金融商品に対して規制強化の方向。多くのバブルや財政危機のトリガーとなってきた高利回り金融商品やデリバティブ商品だけに必要な措置ではあろうが、規制を嫌うマーケットからは煙たがれている。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
1日(月):日銀短観、米ISM製造業景況指数、中国製造業PMI
2日(火):3月マネタリーベース、歌舞伎座開場、米製造業受注、ユーロ圏失業率、豪州準備銀行理事会
3日(水):日銀金融政策決定会合、ADP雇用統計、ISM非製造業景況感指数、
4日(木):日銀総裁会見、ECB理事会、スペイン国債入札、
5日(金):景気動向指数、米雇用統計、貿易収支
日銀短観はマイナス12→マイナス7へと改善見通し。
3日からの日銀金融政策決定会合は黒田体制の試金石。
期待はずれかサプライズか。
大きすぎた期待感にならなければ良いが・・・。
ISMは改善見通し。
雇用統計は失業率7.7%、非農業部門雇用者数は19万人の増加予想。
4月。
過去23年間の日経平均株価は13勝10敗で12月の中で2位。
JASDAQは17勝6敗で12月中トップパフォーマンス。
やはりど真ん中の主力大柄ではなく、個別中小型に軍配があがる月になりそうな気配。
アノマリーは4月高。
新年度入りでの公的資金の注入への期待感があるというのが理由。
今年は日本株ウェイトの上昇期待も加わっている。
格言は「4月高、鯉のぼり天井」。
そんな単純な相場観で良いのだろうかという疑問は残るが・・・。
「4月17日は下げの特異日」というアノマリーもある。
日曜日経では「国内景気『拡大』7割」の見出し。
サブタイトルは「個人消費がけん引」。
社長100人アンケートの結果だが、3ヶ月後の見通しは88.5%が「良くなっている」。
あるいは「改善の兆しがある」。
理由は円安・株高・個人消費拡大などだが、明らかに経営マインドは好転している。
そし「日本株売買代金。世界シェア10」の見出し。
ほぼ7年ぶりの高水準ということ。
世界の株式売買代金は約12兆ドルと前期比横ばい。
1〜3月のドルベースの東証1部の売買シェアは10.6%。
05年10〜12月の12.5%以来の水準になるという。
当時は小泉郵政解散の頃。
結局は・・・。
日米蜜月の関係でないと株式市場は目も当てられないということなのかも知れない。
因みに・・・。
東証1部の12年度の売買高は先週末時点で5215億株。
年度ではこれまで過去最高だった90年度の5191億株を上回った。
12年度の売買代金は先週末時点で310兆9837億円。
11年度の285兆5553億円を上回り5年ぶりに増加する見通し。