2月3週
今週の相場感
(2) 欧米動向
最近良く目にする「グレートローテーション」の言葉。
バロンズでも「本物か」と題してファンドマネージャーへの取材記事。
「債券から株式へのグレートローテーション(大転換)が起きており、
その地鳴りが聞こえそうだ」とのコメント。
そして「米国債の利回りは下がり続けた。
経済環境は改善され、国債と社債の利回り格差も縮小。
株式のような債券であるジャンク債市場は活況。
NYダウは最高値水準。
一部の投資家にとって株式市場に戻れというサインだろう。
キャッシュレスの推進が続けば、人々はより大きなリスクを取り始めるだろう」。
もう一つは「バレンタイン」と題されたコラム。
「アーニーとローバーのルービン夫妻は2010年にユタ州のパークシティに豪邸を建てた。
ゴルフリゾート・プロモントリー内の高級住宅地である。
もしルービン夫妻が今その家を売りに出しても買った価格とほぼ同額で問題はない。
2005年12月に100万ドルだった。
その価格で今でも売れるというのである。
昨年1年で土地価格が40%以上、住宅価格は35%以上も上昇したという。
『毎日夢じゃないかとお互いをつねってみるんです』とも。
結びは『楽しいバレンタインデーを』」。
そういえば20年近く前にパークシティを訪れたことがある。
冬はスキー場になるという完全に山の中のリゾート地。
ソルトレーク五輪前だったので開発前だった。
あちらもこちらもそれこそ「グレートローテーション」の様相。
それにしても・・・。
ルールをいとも容易く替えるのは海外勢。
オリンピックでのレスリングの問題を見ればよくわかる。
たぶんレスリングが悪いのではない。
世界の、あるいはIOCの主要国以外の国が勝ち続けることは、ルールを変えて避けるという行動に見える。
うがち過ぎかも知れないが・・・。
多くの分野でこの国が勝ち続けると行われるルールの変更。
この行動はたぶん変わらない。
開国して150年以上経ってもこの部分がなかなか理解できないもの現実。
(3)アジア新興国動向
先週のブラジル・ムンバイなどは軟調展開。むしろアジア市場での注目は東京市場ということの裏返しかも知れない。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
15日(金):鉱工業生産確報値、米鉱工業生産、ミシガン大学消費者信頼感、G20財務相、中央銀行総裁会議
18日(月):確定申告受付開始、米休場(プレジデンツデー)
19日(火):米NAHB住宅指数
20日(水):1月貿易統計、日本BBレシオ、米1月住宅着工件数、ソニー「プレステ3ミーティング」
21日(木):米消費者物価、中古住宅販売、スペイン国債入札
22日(金):独IFO景況感指数
2月月足陽線の条件=11191,34円(1日終値)。
そして大発会始値10604円、終値10688円(年足陽線基準)。
興味深いのは、主力の動きが止まるとすかさず中小型・材料系が復活する展開。
昨日はアメリカでの特許査定の発表を受けナノキャリがストップ高。
今朝は呼応あるいがフォローするような格好で日経1面に「iPS初の臨床研究」。
しかも目の難病が対象なら業績好調・増配のアールテックウエノにとっても好材料。
主力と中小型バイオの織り成す縦糸・横糸の軸は結構わかりやすい。
裁定買い残の動向。
前週末比2兆2163億円増加して5兆9668億円。
リーマンショック前のピークの6兆円にあっという間に達した。
それこそ「キター!」。
「積みあがった裁定買い残の解消が懸念される」と解説されたのは2兆円レベル。
ほぼ6兆円レベルまで積みあがっても同じ指摘は聞かれるのだろう。
ただ問題は、ここまで積みあがったのに、株価が追随していない点。
勿論、裁定取引は結局はゼロサム商い。
しかし株価との連動性は高い。
6兆円まで積みあがれば日経平均で17000円〜18000円していてもおかしくはない筈。
ということは株価が出遅れていると解釈したいところ。