2月1週
今週の相場感
(2) 欧米動向
米投資雑誌バロンズで印象に残った記事が2本。
一つは「アップルへの処方箋は利回り4%」のコラム。
提言は「もはや、高成長企業ではなくなったアップルはキャッシュを溜め込むのを止め、
配当支払いと自社株買いを通した株主還元にもっと力を入れるべき」。
同社株の今年に入ってからの下落率はS&P500指数採用銘柄で最低。
ピーターオッペンハイマーCEOは「増配や自社株買いのプログラムは実際に検討している。
株主の利益のために最良と考えることを実施していく」とコメントしている。
一番記憶に残ったのはアップルを保有しているファンドの責任者のコメント。
「アップルは成長株として挫折したが、成長企業としては挫折していない」。
言いえて妙な表現。
そして「挫折した成長株はバリエーションが低くなりがちだ。
アップルが世界一有望なグロース銘柄だった頃は配当などは無関係だった。
今は違う」。
これは結構大事な視点。
もう一つは「消えない不安」というコラム。
「最近の401Kの好調に気を良くしながらも、
相場のメルトアップ(投資家の殺到による急激な相場上昇)にを期待して集まってくる群集を
見ると落ち着かなくなる」との指摘。
メルトダウンはよく聞いた言葉だがメルとアップというのも存在するらしい。
「今年の相場は1987年以来となるスタートダッシュを見せた。
NYダウは5年ぶりの高値を記録。
ダウ輸送株指数は史上最高値を更新した。
S&P500指数は10%以上の調整を480日間見ていない。
03年〜07年の渡って続いた1673日には遠く及ばないが過去10番目の長さという」。
そして続くのはバンカメのストラテジスト氏のコメント。
「リーマンショック以降、資産価格の上昇にもっとも貢献したには中央銀行による流動性。
しかし最大級の流動性が供給された時代はまもなく終わりを迎えると予想される」。
日銀は遅ればせながら、資産買い入れの動きに乗ることを決めたが、
これが世界的な大リフレーション時代の最後となるかも知れない、という指摘も登場する。
「高流動性・低成長が債券にとってプラスであったように、低流動性・高成長への転換は株価にプラスに寄与すると予想されるとも・・・。
ストラテジスト氏は「世界のインフレ率が1〜4%の範囲にある限り、投資家は株価上昇を期待していいだろう。ただし1株あたり利益が増加することが条件」との声も聞かれる。
JPモルガンのストラテジストのトム・リー氏。
「直近の数種間は警戒が必要ながら、NYダウは今後4年間で2万ドルまで上昇の可能性。
そしてS&Pは2400〜2500ポイントまで上昇」とのコメント。
雇用統計は15.7万人増で着地した。
(3)アジア新興国動向
上海総合株価指数やロシアのRTS指数は約9ヶ月ぶりの高値水準。中国の寒波やスモッグ等の影響は懸念されるものの、先進各国市場の動向になびいたような穏やかな展開が続こうか。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
週末:スーパーボール(NFCサンフランシスコ49erS対AFCボルチモア・レイブンズ)
4日(月):マネタリーベース、米製造業受注
5日(火):米ISM非製造業、中国HSBCサービス業PMI
6日(水):カーボンマーケットEXPO2013
7日(木):12月機械受注、12月景気動向指数、都心オフィス空室率、米消費者信用残高、ECB理事会、EU首脳会議、
8日(金):オプションSQ、景気ウォッチャー調査、国債宗旨、東穀取での取引終了、JR東海が最新型N700A導入、米貿易収支、中国消費者物価、生産者物価
スーパーボウルで株高を確認し、週末をSQを迎える格好。
FOMC通過。
次回は3月19日〜20日。
今年は2月、5月、8月、11月には開催されない。
ということは多少安穏な2月とも考えられる。
そして日銀金融政策決定会合。
セカセカと毎月開催予定。
次回は2月13〜14日でまたバレンタインに期待なのだろうか。
バレンタインデーには同時にGDPも発表される。
因みにECBの理事会は8月を除いて毎月2回開催予定。
2月は1日に木星が順行開始、20日に土星が逆行開始、24日に水星が逆行開始。
15日には小惑星「2012DA14」が地球に再接近。
何や怪しげな月。
過去23年間では日経平均は12勝11敗で4位。
TOPIXは12勝11敗で6位。
そういえば週末はスーパーボウル。
スーパーボウルの勝利がNFC所属チームの場合、その年の米ダウ平均株価は年間で上昇。
AFC所属チームの場合、逆にダウ平均は年間で下落するというもの。
今年はNFCがサンフランシスコ49ers、AFCがボルチモア・レイブンズ。
昨年はNFCのパッカーズの勝利で株高だった。