1月5週
今週の相場感
(2) 欧米動向
通貨戦争というものがもしあるとすれば、世界に宣戦布告したのがアベノミクス。
金融緩和と円安願望、そして経済対策という方向性は変わっていない。
しかしすぐに反応したのは、ダヴォスでの独メルケル首相。
「為替操作は敏感な問題になりつつあり、日本に対する懸念が出ている。
政治が中央銀行に圧力をかけるべきではない」。
明らかに内政干渉的だが、世界はこの日本の姿勢には神経質。
もっとも、ようやく人並みの取り扱いをされるようになったとも言えるが・・・。
因みにCNBCのインタビューでジョージソロス氏も吼えている。
「FRBによる月額850億ドルの債券購入プログラムについて基本的には適切な政策だ。
一方、緊縮財政を実施することで財政赤字に対処するドイツの方針は、
金融緩和を目指す他国の方針と衝突する。
最大の危険は通貨戦争だ。
他国はドイツと異なった方針を目指している。
ドイツは緊縮財政を確信しているが、他国は金融緩和を確信している」。
通貨戦争ばやりのマーケット。
あるべき姿なのかも知れない。
(3)アジア新興国動向
中国の1月HSBC製造業PMI速報値は51.9と事前予想(51.7)を上回って3ヶ月連続で改善。中国景気の復調が目立ち始めており、以前のような足かせ状態から
は脱却してきている。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
28日(月):企業向けサービス価格、米耐久財受注、2年国債入札
29日(火):米FOMC、ケースシラー住宅指数、消費者信頼感、5年国債入札
30日(水):米10〜12月期GDP、ADP雇用統計、7年国債入札
31日(木):鉱工業生産、住宅着工戸数、シカゴ購買部景気指数
1日(金):有効求人倍率、米雇用統計、ISM製造業、新車販売
裁定取引の買い残は2740億円増加。
2兆6527億円になった。
これは08年8月のリーマンショック直前以来の水準。
この部分もリーマンショックを越えた。
そして多くの市場関係者が懸念した解消売りは先々週はなかったとも言える。
明らかに最低動向は変化している筈。
そして外国人投資家は日本株を10週連続での買い越し。
買い越し額は2136億円で前週よりは減ったものの10週合計では2兆7589億円。
日本株を買う外国人、日本株を売る日本の金融機関の構図。
生損保は19週連続での売り越し。
信託銀行は13週連続での売り越し。
この間に日経平均は約20%超の上昇。
運用ルールがあるとはいえ、うまいトレードとは程遠い。
日経平均株価は約42年ぶりの11週連続の上昇。
相当大きな相場が始まってきたとも言える。
東証1部の単純平均株価はまだ253円。
「300〜350円までの可能性もある」という声も聞かれる。
指数よりはわかりやすい数値ではある、