1月2週
今週の相場感
(2) 欧米動向
モルガンスタンレーの「2013年マクロ経済びっくり予想」。
↓
・中国や米国の景気急回復、農産物の供給不安、中央銀行のバランスシート拡大不安。
世界的なインフレ惹起。
・米英日の財務省が量的緩和に伴って中央銀行に買い取らせた国債の棒引きを宣言。
・米国は「財政の崖」に陥るが、米国人はそれを気にしない。
一時しのぎの合意を急ぐよりもきちんと不透明感を除去することに成功する。
・米住宅市場は一転停滞。
・日銀がCPIに基づくインフレ目標を導入。
しかし、物価指数は13年末でも前年比マイナス。
・日銀がユーロ圏国債を購入。
・投資家はイタリアのユーロ圏離脱を心配し始める。
・ギリシャは当面ユーロ圏にとどまるもの、英国の脱EUの動きが警戒される。
・豪州が景気後退に陥る。
・新興国の景気拡大は短期間で収束する。
・中国が金融引き締めに動き景気回復は頓挫。
・メキシコペソが上昇し。国債の格付けも上げられる。
・ウクライナのEU加盟は消え、旧ソ連諸国は経済再統合へ向かう。
あまり明るくない「びっくり」ばかり。
米投資雑誌バロンズでは、「ダウの犬」についてのコラム。
毎年、ダウ採用30銘柄のうち利回りが高い10銘柄を買いのが「ダウの犬」戦略。
ただ昨年は失敗。
利回り上位10銘柄の値上がり率は7%。
他の20銘柄の値上がり率はその倍以上。
今年も失敗に終わるかも知れないが、以下は2013年版の「ダウの犬」10銘柄。
ATT(5.27%)、ベライゾン(4.7%)、インテル(4.28%)、
メルク(4.08%)、ファイザー(3.80%)、デュポン(3.78)、
HP(3.66%)、GE(3.61%)、J&J(3.45%)、マック(3.43%)。
もう一つのコラムは「弱い円に注意」。
今年の円相場を86円から100円のレンジと想定。
そして「円安は、アジアでの直接投資に影響し、より多くのアジアの部品や製品需要を
取り込むような力強い日本経済をもたらす可能性がある。
円安はアジアのすべてを変えてしまう、と香港のエコノミスト氏。
加えて、極端な円安はアジア株式市場にとって問題にもなり得る」と。
その上で円安メリット株はトヨタ(7203)、日産(7201)、ホンダ(7267)と。
もし円が対ドルで15%下落し、韓国ウォンが横ばいであると韓国企業のコストは急増。
日本企業は利ざやが拡大し、利益が増加、研究開発費が増加と理想的シナリオともされる。
当たり前のシナリオではあるが・・・。
(3)アジア新興国動向
元旦の日経1面の見出しは「世界の5割経済圏」。むしろマーケット的には「アジア跳ぶ」の特集名の方がふさわしいのだろうか。あるいは「日本、ネジ巻きなおそう」の方が似合いそう。ただ、今年のテーマとして、アジアがピッタリ嵌るのかどうか。例年は、その年の先行きを表現していることが多かったが今年はどうなのだろう。終わってみれば「やっぱりアジアだった」ということになるのだろう。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
7日(月):12月マネタリーベース
8日(火):米消費者残高、3年国債入札、ユーロ圏小売売上高、
9日(水):米10年国債入札
10日(木):米30年国債入札、ECB理事会、スペイン国債入札
11日(金):12月景気ウォッチャー調査、米貿易収支、輸入物価
信用取引の評価損率はマイナス6.1%。
2010年1月以来の水準。
先週は株価上昇の週だったが信用取引の残高も増加していた。
通常は株下落→信用残増加、株上昇→信用残現象の構図だが、今回は異なっている。
先週の裁定の買い残は638億円減少し1兆9229億円。
2週連続の減少となったが、株価は全く影響を受けず上昇。
「裁定解消が懸念」と言っていた向きも消えてしまった印象。
売買単価は465.44円。
2010年7月22日の458.88円以来の低水準。
「背景は低位株物色の旺盛さ」との指摘。
一方でファナックは3月19日の上場来高値を更新。
あちらもこちらも、というか個人も外国人も買っている様相。
期待したいのは「私の履歴書」の連載を開始した作家の渡辺淳一氏。
渡辺淳一氏が日経に連載小説を書く時期の株価は高いと言うアノマリー。
これが「私の履歴書」でも通用するのかどうか。
古くは「化粧」、「化身」に「失楽園」。
あるいは「愛の流刑地」。
あの時代の甦りがどうもありそうな気配。