英明コラム 7月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》07月 第4週

 
22日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って続落。「世界的なシステム障害に絡む混乱で不安が強まっている市場で不確実性が高まった」との解釈。背景はサイバーセキュリティー企業クラウドストライクのセキュリティーソフトの障害。クラウドストライクの株価は11%強急落。一方、競合のパロアルトネットワークスは2.2%上昇。ナスダック総合とS&P500は週間で4月以来の大幅な下落、VIX(恐怖)指数は16%台と4月下旬以来の高水準。
 
日経平均株価は464円安の39599円と4日続落。終値で4万円台を割り込み、6月28日以来約1カ月ぶりの安値水準。「米大統領選を巡る警戒感から半導体関連に売りがかさんだ。中国の景気不安も投資家心理を悪化させた」との解釈。東証プライムの売買代金は3兆3112億円。中外薬、ホンダが上昇。TDK、信越化が下落。
 
23日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反発。「大型グロース株に資金が回帰した」との解釈。アルファベット、メタ、テスラが2.2─5.1%高。エヌビディアが4.8%上昇。オンライン賭けサイト「プレディクトイット」によると、トランプ前大統領勝利のオッズは4セント低下して60セント。一方、ハリス氏勝利のオッズは12セント上昇して39セント。
 
日経平均株価は4円安の39594円と5日続落。週明けのNY株式相場は反発。これを受けて値がさの半導体関連の一角に買い物優勢の展開。
日経平均の上昇幅は一時300円を超えたが、4万円を前に投資家の利益確定や戻り待ちの売りが上値を抑え大引けでマイ転。TOPIXは反発。東証プライムの売買代金は3兆4885億円。郵船、良品計画が上昇。レーザーテック、HOYAが下落。空売り比率は44.1%と3日連続で40%超。
 
24日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って小反落。「一部主要企業のさえない決算が重し」との解釈。テスラは値下げや販売奨励策が奏功し、納入台数が予想を上回り、予想外の増収。アルファベットは売上高が14%増加し市場予想を上回った。ただ決算発表を控えテスラは2%安。アルファベットは0.1%高。小型株で構成するラッセル2000指数は1%上昇。6月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比5.4%減の389万戸。
 
日経平均株価は439円安の39514円と続落。6日続落は2021年10月6日以来。外国為替市場で円相場が円高・ドル安基調で推移していることが輸出関連株の重荷。日経平均の下落幅は一時500円に迫った。前日までの5日続落で1600円あまり下げており、下値では押し目買いも入った場面もあった。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は3兆8657億円。トヨタ、アドテストが上昇。ファストリ、富士フイルムが下落。
 
25日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅続落。テスラとグーグルの親会社アルファベットの四半期決算がさえなかったことが背景。「マグニフィセント・セブン」で最初となった両社の決算発表だった。S&Pは2022年12月以来最悪のパフォーマンス。365営業日ぶりに2%超下落して引けた。この期間は07年以降最長となる。ナスダック総合は22年10月以降で最大の下落率、
6月10日以来の安値水準。NYダウは2週間ぶりに4万ポイントを割り込んだ。テスラは12.3%安と20年9月以来の大幅な下落率。アルファベットは5%下落し5月31日以来の安値。アップル、マイクロソフト,アマゾン、メタ、エヌビディア も軒並み下落。
 
日経平均株価は1285円安の37869円と大幅に7日続落。下落幅、下落率はともに今年最大。NY株式相場の大幅下落や外国為替市場での急速な円高進行を背景に「リスク回避の売りが主力株を中心に膨らんだ」との解釈。大引け間際には下落幅を1300円超まで拡大する場面があった。日経平均が終値で節目の38000円を下回ったのは4月26日以来。7日続落は2021年9月27日から10月8日までの8日続落以来。下落幅はブレグジットの2016年6月24日(1286円安)以来、下落率は21年6月21日(3.29%安)以来。
 
日経平均は11日に付けた上場来高値(4万2224円)からの下落率が、調整局面入りとされる10%超に達した。東証プライムの売買代金は5兆1999億円。バンナム、ニチレイが上昇。SBG、日東電が下落。
 
26日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。S&P500とナスダック総合は続落。NYダウはGDPの伸びが予想を上回ったことが支援要因となり反発。ラッセル2000指数は1.3%高と前日の下げの一部を取り戻した。S&P小型株600指数は1.4%高。メタ、マイクロソフト、エヌビディアが下落。
 
大引けの日経平均株価は202円(0.53%)安の37667円と8日続落。取引終了にかけ下落幅を広げる展開だった。日経平均VIは、一時23.08と4月22日以来の高水準まで上昇。TOPIXは3日続落。東証プライムの売買代金は4兆4350億円。キャノン、富士通が上昇。ルネサス、リクルートが下落。
 
(2)欧米動向
 
S&P500は1929年以降、最も年間の最高値更新回数が多かったのは95年の77回だという。95年のS&P500は年末にかけ右肩上がりの上昇が続き、年間で34%上昇した。
この年間の上昇記録はいまだに破られていない。
因みにS&P500が最後に前日比で2%以上の下落となったのは23年2月21日。
そこから365営業日、5%下落はなかった。
これまでの最長記録は2003年5月20日から2007年2月26日の949営業日だった。
 
(3)新興国動向
 
中国国家エネルギー局が発表した今年の国内天然ガス需要は6.5─7.7%増の4200億─4250億立方メートルとの予想。
中国石油天然ガス集団(CNPC)が2月に予想した6.1%増を上回る水準となった。
国内の天然ガス生産量は2460億立方メートルと、前年から100億立方メートルを超える増加で拡大継続と予想。
上半期のガス消費量は前年比8.7%増の2108億立方メートル。
ガス火力発電と、より高価なディーゼル燃料に代わるトラック燃料としてLNGの使用が増加し全体を押し上げたという。
 
 (兜町カタリスト 櫻井英明)
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