英明コラム5月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》05月第3週

13日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。「来週の消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)待ち」との相変わらずの陳腐な解釈。NYダウは8連騰。アトランタ地区連銀のボスティック総裁。「インフレ率の低下が緩やかであっても、FRBは年内に利下げする公算が大きいと」と発言。ダラス地区連銀のローガン総裁。「FRBの政策金利は現在、インフレ率の2%目標回帰に向けて十分制約的であるかは不明で、利下げは時期尚早」と発言。5月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は67.4と6カ月ぶりの低水準。決算を発表したS&P500構成銘柄459社のうち77%が市場予想を上回る業績となった。
 
日経平均株価49安の38179円反落。日銀がこの日実施した定例の国債買い入れオペ(公開市場操作)で長期債の購入額を減らした。国債購入減を受け、日銀が政策正常化を早めるとの思惑から国内の長期金利が上昇。日経平均の下落幅は200円を超え、節目の38000円を下回る場面があった。東証プライムの売買代金は4兆6093億円。東証プライムの値上がり808銘柄。値下がり807銘柄。SBG、KDDIが上昇。大成建、トヨタが下落。5月SQ値38509円には0勝2敗。
 
 
14日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。S&P500はほぼ横ばい。前週まで3週連続高となっており、上昇が一服した格好。4月のニューヨーク連銀消費者調査で1年先のインフレ期待が3月の3%から3.3%に、5年先のインフレ期待が同2.6%から2.8%に上昇した。アップルが1.8%上昇。ゲーム販売のゲームストップが74%急騰。「ミーム株」人気の火付け役とされるキース・ギル氏が約3年ぶりにXへの投稿を再開したことを好感。他のミーム株も買われ、AMCエンターテインメントは78%、コスは36.7%急伸。
 
日経平均株価は176円高の38356円と反発。一時下落に転じた場面もあったが上昇幅は300円近くまであった。東証プライムの売買代金5兆4880億円。東証プライムの値上がり746銘柄。値下がり574銘柄。スズキが上昇。大和、鹿島が下落。日経平均採用銘柄のPERは17.34倍(前日17.19倍)。3日連続で17倍台。前期基準では17.52倍。
 
15日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。ナスダック総合は終値ベースで最高値を更新した。4月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比(季節調整済み)0.5%上昇。市場予想以上に加速した。ただFRBパウエル議長が「FRBが再利上げを迫られる可能性は低い」とコメントしたことを好感。ゲームストップは60%急騰。AMCエンターテインメントも約32%、コスは40.7%上昇。4月のコアCPIは前月比0.3%上昇、前月の0.4%から伸びが鈍化すると予想されている。3市場の合算売買高は136.6億株。
 
日経平均株価は29円高の38385円銭と続伸。前日の米長期金利の低下と米ハイテク株高を支えに半導体関連の一角が上昇。一方、決算発表を受けて急落する銘柄もあった。今夜に控える4月の米消費者物価指数(CPI)などの発表に対する様子見ムードもある。日経平均は朝方に460円ほど上昇する場面があった。TOPIXは小幅反落。東証プライムの売買代金は5兆141億円。ソニー、三越伊勢丹上昇。ニトリHD、荏原が下落。空売り比率は2日連続で40%割れ。
 
16日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500とナスダック総合はともに1%超上昇。主要3指数は終値ベースの過去最高値とザラバ高値を更新。4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で3.4%と3月の3.5%から鈍化。エヌビディアが3.6%高。マイクロソフトが1.7%高。アップルが1.2%高。スーパー・マイクロ・コンピューターが15.8%急伸。SOX指数は2.8%高。連日急騰していたゲームストップは18.9%安。合算出来高は147億8000万株と増加。直近20営業日の平均は111億1000万株。
 
日経平均株価は584円高の38920円と大幅に3日続伸。前日の米株式市場で主要3指数が過去最高値を更新。ハイテク株の上昇が目立った。大引けにかけては一段高。東証プライムの売買代金は5兆657億円。東エレク、信越化が上昇。ファストリ、ダイキンが上昇。日経平均採用銘柄のEPSは2358円(前日2238円)と一気に120円増加。日経平均は7日ぶりに25日線を上回った
 
17日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。ただNYダウは取引時間中に史上初めて4万ドル台に乗せた。S&P500とナスダック総合も不安定な値動きで結局はマイナス。通期業績見通しを上方修正したウォルマートが約7%上昇。通期業績見通しを再び下方修正した農機大手ディアは4.7%安。ミーム株のゲームストップとAMCエンターテインメントは続落。合算出来高は約176億株(直近20日間平均は約115億株)。市場は年内に2回の0.25%利下げを織り込み、9月開始の可能性を70%と予想している。
 
日経平均株価は132円安の38787円と4日ぶりに反落。日経平均は前日までの3日間で740円上昇。週末要因もあり前日の米株の反落を背景に持ち高調整の動きが目立った。一時380ほど下げる場面もあった。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は4兆236億円。コナミG、オリンパスが上昇。テルモ、信越化が下落。
 
(2)欧米動向
 
4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で3.4%と3月の3.5%から鈍化。
3カ月にわたり予想上振れが続いていたが「インフレ率が再び低下傾向に転じた」との見方。
市場ではFRBが9月と12月に利下げするとの期待が高まった。
4月の小売売上高は増加予想に反して横ばい。
 
(3)新興国動向
 
中国の総合的な不動産支援策が発表された。
地方政府が一部のマンションを買い取ることを認めるほか、住宅ローン規制を緩和する。
未完成住宅の建設を進める方針も示した。
1軒目と2軒目の住宅購入時のローン金利の下限は廃止。
人民銀は、人民銀の地方支店は独自に商業用住宅ローンの下限金利を決めることができるとした。
また、1軒目の住宅購入時の最低頭金比率を15%に、2軒目購入時の最低頭金比率を25%に引き下げた。
 
(兜町カタリスト 櫻井英明)
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