英明コラム 10月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》10月第1週

【推移】
 
28日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は続伸。アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、エヌビディアが軒並み2%強上昇。ハイテクセクターへの買いが上昇をけん引した。「NASDAQの調整局面入り以降、売りがきつかった銘柄を買い戻す動きが見られる」という声もある。そのNASDAQは週間で4週間ぶりに反発。
一方NYダウとS&P500は4週連続下落。値下がり期間としては昨年8月以降で最長となった。
 
日経平均株価は307円高の23511円と続伸。14日以来2週ぶりの高値水準。9月末の配当権利付き最終売買日にあたり、配当再投資に絡んだ先物買いが入るとの期待から引けにかけて上昇幅を拡大した。東証1部の売買代金はで2兆7082億円。新高値228銘柄は今年最高。ニトリHD、SBGが上昇。ANAHD、ホンダが下落。
 
29日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は大幅に3日続伸。上昇を主導したのはエネルギーと金融セクター。「新型コロナウイルス禍による景気低迷の打撃を受けていたセクターに安値拾いの買いが入った」との解釈だ。
 
ただ主要3指数は月初の水準を回復しておらず9月月間としては3月以来初めて下落する見通し。「今月は低調だったこともあり、一部リバランスの動きが出ている可能性がある」という見方もある。
一方で第2第3四半期の2四半期としてはNASDAQが2000年以来、S&Pは09年以来のパフォーマンスだ。
 
日経平均株価は27円高の28539円と3日続伸。配当落ち分を換算すると実質は170円程度の上昇となったことになる。TOPIXは反落。東証一部の売買代金は2兆3585億円。東エレ、ファーストリテイリングが上昇。テルモ、アステラスが下落。
日経500は2441円と続伸。連日の史上最高値更新。新興市場はマザーズが2年半ぶり、ジャスダックが7か月ぶり高値水準。
 
30日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は4日ぶりの反落。「第1回米大統領候補テレビ討論会への警戒感の売りが拡大」との解釈だ。ペロシ下院議長は経済対策を巡りムニューシン財務長官と協議。週内の合意に希望的な期待を表明した。コンファレンス・ボード(CB)消費者信頼感指数は101.8と前月の86.3から上昇。3月以来の高水準となった。市場予想の89.5も上回った。
 
日経平均株価は353円安の23185円と大幅反落。アジアでは東京市場だけが軟調だった。東証一部の売買代金は2兆9096億円。ドコモ、jフロントが上昇。みずほ、物産が下落。米大統領選のTV討論会の内容を警戒したとの解釈。実際は7月月末同様の逆化粧だったのかもしれない。9月SQ値も25日線も回った。日足は3日ぶりの陰線。月足は2カ月連続陽線で今年5勝4敗。
 
1日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は反発。ペロシ下院議長とムニューシン米財務長官が追加のコロナ経済対策を巡り協議したことを好感。ただ共和党のマコネル上院院内総務が「コロナ対策を巡る与野党間の溝は依然深い」とコメント。上昇幅を縮小した。東京で勝手に悪材料視された大統領選第1回テレビ討論会は「消化されつつある」との解釈。主要3指数9月は3月以来の下落。
 
一方第2、第3四半期の2四半期としてはNASDAQが2000年以来、S&P500はが09年以来の上昇となった。ADP民間部門雇用者数は74万9000人と市場予想の65万人を上回って着地。シカゴ景気指数も前月の51.2から62.4に上昇。予想の52.0も大きく上回ったことがリスク資産を後押しした。木曜はシステム障害で初の全銘柄終日売買停止。
 
日経平均が「前日比変わらず」となった。今回実商いはなかったが、前回の「変わらず」は1989年1月12日だった。日銀短観で大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス27。6月の前回調査から7ポイント上がった。改善は11四半期ぶり。大企業非製造業のDIはマイナス12と5ポイント改善。
景況感の悪化に歯止めがかかった。もっとも「水準自体はなお低い」という解釈だ。
 
2日 (金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は不安定ながら続伸。ムニューシン財務長官とペロシ下院議長の電話会談は継続。民主党は2兆2000億ドル規模の対策を提案する。一方政権側は1兆5000億ドル程度なら受け入れられるとの考え。溝はまだ埋まらなかった。アマゾン、マイクロソフト、アップルが上昇。
週間新規失業保険申請件数は83万7000件と前週から小幅減少。2日に発表される9月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が85万人増加するとの予想だ。個人消費支出(季節調整済み)は前月比1.0%増と7月の1.5%増から鈍化。
 
ただ市場予想の0.8%増を上回った。ISM製造業景気指数は55.4と前月の56.0から低下。市場予想は56.3へ上昇する。もっとも景気拡大・縮小の節目となる50は4カ月連続で上回った。「ISMが市場予想を下回ったことが株価の上値を抑えた」との声もある。
 
日経平均株価は前日(9月30日終値を10月1日終値と認定)比155円22銭安の23029円90銭。8月28日以来の安値水準に沈んだ。トランプ大統領が「新型コロナウイルスに感染した」とツイート。先行き不透明感が広がりNYダウ先物が急落。日本株にもリスク回避の売りが広がった。下落幅は一時230円に拡大。2万3000円の心理的な節目を割り込んだ場面もあった。東証1部の売買代金は28642億円。
 
 
(2) 欧米動向
 
JPモルガンのレポートは「リスク」。
(1)最高裁判事をめぐるもめ事で追加経済対策は11月3日までに可決される可能性は33%。
(2)コロナによるさらなるロックダウンの現実性。
(3)実質金利の底打ち感。
(4)大統領選の正当性と最終結果のタイミングの不確実性。
(3)アジア・新興国動向
 
(3)新興国動向
 
国内乗用車メーカー8社の8月生産台数は前年同月比12.1%減。
13カ月連続で減少だが、減少幅は5月の同6割減を底に回復傾向。
8月の工作機械受注額(確報値)も同23.2減と3カ月連続っで減少幅が縮小。
けん引役は中国。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
 5日(月):全国証券大会、ISM非製造業景況感、ノーベル賞受賞者発表(医学生物学賞)
 6日(火):米貿易収支、ノーベル賞受賞者発表(物理学賞)、株高の日
 7日(水):景気動向指数 米消費者信用残高、、副大統領候補テレビ討論会、ノーベル賞受賞者発表(化学賞)
 8日(木):景気ウォッチャー調査、都心オフィス空室率、下げの日、変化日、ノーベル賞受賞者発表(文学賞)
 9日(金):オプションSQ、家計調査、ノーベル賞受賞者発表(平和賞)、株安の日
10日(土):ストボ資産形成フェア
11日(日):ストボ資産形成フェア
 
話題のNTTのドコモ完全子会社化。
1985年の民営化で昇華したNTTはドコモもデータも都市開発も入っていた。
だからこそのあのフィーバーだったと言えよう。
しかし、それぞれを子会社として分離しての上場の連続。
手と足をもがれたNTTの復権と考えれば良かろう。
一方のドコモ。
98年10月22日の上場から約20年。
上場の際は個人法人を問わず多くの個人投資家の懐を温めITバブルへの序章となった。
「ドコモの公募価格よりも下のトリガー価格の仕組債ならいくらでも買う」。
地方の農林系金融機関から聞いた言葉だった。
当時公募価格を下回ることなどなく、株価は一気に3倍超。
1000万(分割換算前)を超えた記録もあるし記憶に残っている。
バブルの先駆けのNTT、ITバブルの先駆けのドコモ。
市場から見ればそんな印象だ。
それにしても当時のドコモの時価総額は約43兆円。
日本企業の時価総額最高を記録した。
今の日本の最大時価総額のトヨタが22兆円。
しかも当時とほとんど変わっていない。
NTTとドコモを合算してもまだ勝てない。
この時のドコモのメインエンジンは「i-mode」だった。
そういえばNTTも1989年には時価総額約20兆円で当時は世界1位だった。
この時は興銀、住銀、富士銀、第一勧銀と日本が5位までを独占。
6位がIBMだった。
ドコモはこのままいけば上場廃止。
225から場外されるので市場の話題は代替銘柄。
村田製作所、ローム、アイシン精機、島津製作所などが新規採用候補。
もう次の行動ということだろう。


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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