英明コラム 7月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 7月第4週

【推移】
 
20日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは続落。ゴールドマン・サックスが1.5%下落し全体を圧迫。S&P500とNASDAQは反発。ネットフリックスが6.5%安。第3四半期に契約者数の伸びが予想以上に鈍化するとの見通しが嫌気された。
政府による追加失業給付の特別措置終了が月末に迫る中、追加支援策が打ち出されるとの期待も高まっている。議会は週明け新たなコロナ経済対策を巡り審議を始める予定だ。
 
日経平均株価は21円高の22717円と反発。後場は日銀のETF買い期待もあり前日終値を挟んでの展開で動意薄。「薄商いの中、日銀の買いが入ったとすればインパクトは大きい。今週は立ち会い日数が3日しかなく、来週は決算発表が本格化する。動きづらい」という見方だ。
都内の新型コロナ感染者数は168人。多いと見るか、少ないと見るかは微妙。東証1部の売買代金は1兆6776億円。東エレ、富士通が上昇。SBG、ファーストリテが下落。
 
21日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はそろって上昇。NYダウは8ドル高と3日ぶりに小幅反発。マイクロソフトの大幅高やアップル、ビザの上昇が寄与した。5月26日(火)以来週明けは10連勝だ。NASDAQは263ポイント(2.5%)高の10767ポイントと続伸。過去最高値を更新した。
 
日経平均株価は166円高の22884円と続伸。EU首脳会議が復興資金で合意したとの報道を好感。米ナスダックの最高値更新も追い風となった。一時22900円台を回復した場面もあった。日足は4日ぶりの陽線。TOPIXと新興2指数も上昇。
東証一部の売買代金は2兆1142億円と3日ぶりに2兆円台回復。富士通、キーエンスが上昇。鉄、三菱UFJが下落。
 
22日(水):
新型コロナウイルス対策を策定するとの期待から景気敏感株が上昇。NYダウとS&P500は続伸。NASDAQはハイテクセクターの軟調から反落。数百万人に対する失業保険拡充が期限を迎えるのが2週間後。その前に議会は新たな景気刺激策をまとめようとしている。「回復か停滞かの瀬戸際にいる」という見方だ。年初来ではS&P500が0.8%高とプラス圏に浮上。NASDAQは19%上昇。NYダウ平均は6%下落。
 
日経平均株価は132円安の22751円と反落。4連休を控えて動意薄い展開だった。東証一部の売買代金は1兆8880億円。日電産、エムスリーが上昇。テルモ、セコムが下落。連休前の手仕舞い売りが優勢だが大きくは売られず下値限定的。日足は2日ぶりの陰線。
日経平均は3日間で55円(0.24%)上昇。週足は十字に近い陽線。TOPIXは週間でマイナス。200日線が上抜けない展開。
 
23日 (木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はそろって上昇。ただ終日不安定な展開。NASDAQはアマゾンが1.2%安となったことから上昇幅が最も小さかった。「主要指数は上昇しているものの投資家は一段と慎重になっている」という声もある。次回の新型ウイルス経済対策を巡り共和党と民主党の協議は膠着。数千万人に上る失業者に対する現行の支援措置は2週間弱で期限を迎える。決算は佳境。S&P500構成銘柄ですでに発表した75社のうち77.3%が予想を上回った。
ただ市場予想は前年同期比41.2%減と元々低水準だ。東京株式市場は海の日で休場。
 
24日(金):木曜のNY株式市場で主要3指数はそろって反落。NYダウが353ドル安。NASAQは244ポイント安。企業決算は強弱まちまちの内容。新型コロナウイルスの感染ペースも拡大。ハイテクセクター中心に売り優勢の展開。「これまでグロース株とバリュー株の乖離がかなり大きかった。ここにきて縮小。
また大型株と小型株の差も同様に縮小している」との声がある。週間の新規失業保険申請件数は141万6000件。前週の130万7000件から約4カ月ぶりに増加に転じた。東京市場はスポーツの日で休場。
 
 
(2) 欧米動向
 
米国の6月住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比17.3%増の118万6000戸。
2016年10月以来の高い伸びを記録した。
ミシガン大学発表の7月の消費者信頼感指数(速報値)は73.2。
前月の78.1から低下した。
 
(3)アジア・新興国動向
 
6月の中国の新規証券投資口座設定者数は、前年同月比で46.7%増加。
保険会社の資金運用規制緩和や証券市場の改革方針などもあり、資金流入は一段と加速するとみられている。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【7月】陽線確率5勝5敗、(陽線確率50%)、過去15年7勝8敗(10位)
    気学では「悪目買い。買い方針にて下旬戻り売り方針」
 
27日(月):米耐久財受注、独Ifo景況感
28日(火):企業向けサービス価格指数、米FOMC(→29日)、CB消費者信頼感、週間小売り売上高、S&P住宅価格指数、変化日
29日(水):株高の特異日
30日(木):商業動態統計、米GDP速報値
31日(金):失業率、鉱工業生産、米個人所得、中国製造業PMI、ユーロ圏GDP速報値
 
7月17日の総理大臣官邸での経済財政諮問会議及び第41回未来投資会議の合同開催。
安倍首相のコメント。
「本日は、経済財政諮問会議と未来投資会議、それぞれ骨太方針2020と成長戦略実行計画を取りまとめていただきました。
本年の骨太方針は、世界が新型コロナウイルス流行という正に歴史的な危機に直面する中で、我が国として、思い切った社会変革を果敢に実行することによって、自ら未来を切り拓(ひら)いていく。
そうした強い意志を持った未来志向の骨太方針としており、副題も、危機の克服、そして新しい未来へ、といたしました。
国民の皆様と力を合わせ、この困難を乗り越え、未来を見据えて進んでいく。
そのためにも、この骨太方針を着実に実行してまいります。
また、本年の成長戦略は、新しい働き方の定着、決済インフラの見直し、デジタル市場への対応、オープン・イノベーションの推進などを柱として策定しました。
今月後半からは、新型コロナウイルス感染症の時代、さらにはその先の未来の新たな社会像、国家像を構想する、新たな議論を開始いたします。
デジタル化を進め、地方創生を推進するとともに、変化への対応力があり、強靱(きょうじん)性や持続可能性を持った、長期的な視点に立った社会像を追求してまいります。
最後に、これまでの議員各位の皆様の御議論、そして御協力、心から感謝を申し上げたい」と思います。ありがとうございました。
 
骨太の方針のポイント。
(1)行政のデジタル化
(2)テレワーク
(3)財政健全化
(4)国土強靭化、防災・減災
(5)デジタル通過
 
(兜町カタリスト 櫻井英明)
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