英明コラム 10月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 10月 第4週

 
24日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って3日ぶりに2%超の反発。「12月FOMCで従来より小幅な利上げを巡り検討する公算が大きい」との報道を好感したとの解釈。それよりもサイコロの3勝9敗やS&P500の篭絡レシオの60%台からの反発と見た方がよさそう。週間ではS&P500は4.74%、NYダウは4.89%、NASDAQ総合は5.22%上昇。過去4カ月で最大の上昇率となった。
 
日経平均株価は84円高の26974円と3日ぶりに反発。朝方は主力株を中心に買いが先行。上昇幅は一時400円を超えた。一方、中国の新指導部の経済運営を巡る不透明感から香港株が急落。上値を抑えた格好。東証プライムの売買代金は2兆6027億円。川崎汽、エムスリーが上昇。三越伊勢丹、三井不が下落。
 
25日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。FRBが年内に利上げペースを緩めるとの見方が優勢。英国でスナク元財務相が次期首相に就任する見通しで財政運営が安定するとの見方から欧州株式相場が軒並み上昇。これも好感された。円は対ドルでオーバーナイトの取引で149.70円まで下落。その後急速に145.28円まで上昇。政府・日銀が再度介入したとの観測。
 
日経平均株価は275円高の27250円と続伸。香港ハイテク指数の上昇を好感したとの解釈。東証プライムの売買代金は2兆7990億円。ファーストリテ、日電産が上昇。資生堂、中外薬が下落
 
26日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って3日続伸。「長期金利の低下を好感」との解釈。「FRBの利上げトンネルの終わりに光が見えてきた」という声もある。第3四半期決算シーズンが本格化。S&P500採用銘柄のうち129社がこれまでに決算を発表。このうち74%が市場予想を上回った。恐怖と欲望指数は48→53。8月31日以来の50ポイント台回復。
 
日経平均株価は181円高の24731円と3日続伸。上昇幅は300円を超え75日線を上回った場面があった。ただ米指数先物の軟調から伸び悩み。東証プライムの売買代金は2兆7070億円。SBG、リクルートが上昇。東エレ、日電産が下落。
 
27日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは続伸。S&P500とNASDAQ総合は4日ぶりに反落。カナダ銀行の利上げ幅が市場予想よりも小幅にとどまったことを好感した場面があった。ただマイクロソフトとアルファベットのさえない決算が重荷。21日までの週の30年固定住宅ローン平均金利は7.16%に上昇。2001年以来の高水準に達した。
 
日経平均株価は86円安の27345円と小幅反落。「前日の米市場でハイテク株が下落した流れを受け、運用リスクを回避する目的の売りが優勢」との解釈。日中値幅(高値と安値の差)は120円。大引け直前が安値となりほぼ安値引け。東証プライムの売買代金は2兆6894億円。SBG、レーザーテックが上昇。トヨタ、キヤノンが下落。
 
28日(金):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは5日続伸。S&P500とNASDAQ総合は続落。「ハイテク株や高成長株が軟調。一方、消費財やエネルギー、金融、工業、公益事業は堅調」との見方。第3四半期の実質GDP速報値は年率換算で前期比2.6%増。貿易赤字の大幅な縮小が全体を押し上げた。市場予想は2.4%増だった。
 
日経平均株価は240円安の27715円と続落。米NASDAQ市場の続落を受けて売り物優勢の展開。香港株の軟調も重荷となった。東証プライムの売買代金は5兆7689億円と膨らんだ。背景TOPIXの浮動株比率変更。トヨタ、アドバンテストが上昇、エムスリー、郵船が下落。
 
 
(2) 欧米動向
 
米ニューヨーク州会計検査院の推計。

ウォール街の投資銀行や証券会社などで働く従業員が受け取った2022年の賞与は昨年より22%減る見通し。
「厳しい経済情勢で証券取引や引き受け業務が圧迫された」との解釈。
会計検査官のトーマス・ディナポリ氏は「22年上半期は税引き前利益が135億ドルに半減。
報酬用の資金が6.5%減った」と説明した。
企業は合併・買収(M&A)や上場のペースを減速。
投資銀行業務に打撃を与えている。
21年には記録的な水準に上昇しており、賞与額は06年以来の高水準となっていた。
「過去2年間の利益と賞与は連邦政府による新型コロナウイルスのパンデミックへの異例の対応で膨らんだ部分がある。
持続不可能だった」との見方だ。
22年の賞与に関する州会計検査院の年次報告書は来年3月に発表予定。
 
(3)新興国動向
 
世界銀行は2023年には原油先物が11%下落するとの見通し。
世界経済の成長鈍化と中国の新型コロナウイルス対策により、さらに下落する可能性もあるという。
エネルギーを価格は今年60%上昇している。
2023年の北海ブレント原油の平均価格は1バレル=92ドルと予想。
2024年には同80ドルに下落するが、過去5年間の平均価格同60ドルを依然として大きく上回る。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【10月】6勝4敗、(勝率60%、4位)
     気学では「弱象月。中旬以降押し目買い。吹き値は利食いして押し目で買い戻す」。
 
10月31日(月)鉱工業生産、商業動態統計、シカゴ購買部協会景気指数、ユーロ圏GDP速報値、中国コンポジットPMI、製造業・非製造業PMI
 
【11月】9勝1敗、(勝率90%、1位)
     気学では「今月は突っ込み買いで小幅に稼ぐとき」。
 
 1日(火)自動車販売台数、FOMC(→2日)、ISM製造業、JOLT求人件数、
      中国製造業PMI、株安の日、変化日
 2日(水)マネタリーベース、日銀金融政策決定会合議事要旨、パウエルFRB議長会見、
      ADP雇用レポート
 3日(木)文化の日で休場、米貿易収支、製造業受注、ISM非製造業景況感
 4日(金)米雇用統計、上げの特異日
 6日(日)国連気候変動枠組条約第27回締結国会議(エジプト)、
      NY市場冬時間入り(→3月12日)
 7日(月)米消費者信用残高、中国貿易収支、天赦日、下げの特異日、変化日
 8日(火)家計調査、景気動向指数、米中間選挙、株安の日
 9日(水)景気ウォッチャー調査、中国生産者・消費者物価株安の日
10日(木)マネーストック、都心オフィス空室率、米消費者物価。財政収支
11日(金)オプションSQ、国内企業物価指数、米ミシガン大学消費者信頼感、
      株高の日L、中国独身の日、MSCI日本株指数リバランス発表、
14日(月)株高の日L
15日(火)7ー9月期GDP速報値、米生産者物価、NY連銀製造業景況感、独ZEW景況感、中国各種経済指標
16日(水)機械受注、第3次産業活動指数、訪日外客数、米小売り売上高、輸出入物価、鉱工業生産、NAHB住宅価格指数、対米証券投資
17日(木)貿易統計、米住宅着工件数、建設許可件数、フィラデルフィア連銀製造業景況感、変化日
18日(金)消費者物価、米中古住宅販売件数、APEC首脳会議(→19日バンコク)
20日(日)FIFAワールドカップカタール2022開幕(→12月18日)
21日(月)首都圏マンション発売、株高の日L
22日(火)株高の日L
23日(水)勤労感謝の日で休場、米耐久財受注、新築住宅販売件数、FOMC議事録
24日(木)独IFO景況感、感謝祭でNY休場、株安の日L、変化日
25日(金)東京都区部消費者物価、企業向けサービス価格指数、米ブラックフライデー、
28日(月)米サイバーマンデー、 株高の日L
29日(火)失業率、商業動態統計、CB消費者信頼感、S&P住宅価格指数、FIFA住宅価格、株高の日L
30日(水)鉱工業生産、米ADP雇用レポート、GDP改定値、中国製造業非製造業PMI、
      MSCIパッシブ売買インパクト


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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