英明コラム 5月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 5月第1週

25日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って2%超の続落。FRBが積極的に利上げを実施するとの見方への警戒感が継続。NYダウの下落率は2.82%。2020年10月以降で最大だった。NASDAQが1日で2%以上変動したのは4月の15営業日のうち8回目。来週に決算発表を控えるアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベットが大幅安。メタ・プラットフォームも2.1%安で直近3日間の下落率は15.3%。ただ大幅な下落の割に売買高は通常通りというのがやや変な点だ。
 
日経平均株価は514円安の26590円と続落。週末のNY株式の下落を受けて売り物優勢の展開。下落幅は一時600円を超えた場面があった。原油がバレル100ドルを割れ込んだことも警戒不安材料と解釈された。東証プライムの売買代金は2兆4584億円。NTT、日立物流が上昇。日産自、キーエンスが下落。空いた窓は26904円―26764円。
 
26日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反発。ツイッターがイーロン・マスク氏による買収で合意。引けにかけ5.7%上昇。グロース株への買いが優勢となりNASDAQが急伸した。S&P500はほぼ終日マイナス圏で推移したがツイッターの発表後に上昇幅を拡大。グーグルの親会社アルファベットは26日引け後の決算発表を控え2.9%高。マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)も上昇。シェブロン、エクソンモービルは2%超下落。小型のラッセル2000指数は0.7%高。売買高も3月末以来の水準に回復した。日経平均株価は109円高の26700円と3日ぶりに反発。ただ上値の重い展開で伸び悩んだ。米国の金融引き締めや中国のロックダウンなどによる景気減速懸念が払拭できなかった。東証プライムの売買代金は2兆5854億円。アドバンテスト、小田急が上昇。住友鉱、任天堂が下落。
 
27日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅反落。世界経済の成長鈍化やFRBが一段と積極的になるとの懸念台頭。NASDAQが4%近い下落となった。終値としては2020年12月以来の安値水準。昨年11月の終値での最高値を22%下回る水準となった。金利低下でもグロース株が下落というのはこれまでと符合しない。テスラが12%急落。イーロン・マスクCEOがツイッター買収資金に充てるためテスラ株を一部売却するのではないかとの思惑。アルファベットとマイクロソフトは引け後の決算発表を前に4%近く下落。アルファベットは引け後の取引でさらに6.5%下落した。ゼネラル・エレクトリックは10%超急落。
 
日経平均株価は313円安の26386円と反落。約2週間ぶりの安値水準。下落幅は一時600円を超えた場面があったが後場下げ渋りの展開。東証プライムの売買代金は3兆9994億円と市場再編以降で最大。第一生三共、アサヒが上昇。ファナック、キッコーマンが下落。
 
28日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。マイクロソフトやビザの好決算を背景に買い物優勢の展開。マイクロソフトは堅調な売上高見通しを好感して4.8%上昇。ビザも収入が新型コロナウイルス感染拡大前の水準を上回るとの見通しで6.5%高。
全体は引けにかけて上昇幅を縮小。ボーイングは7.5%安。グーグルの持ち株会社アルファベットは3.7%下落。メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は第1四半期の1日当たりアクティブユーザーは19.6億万人。市場予想の19.5億万人を上回った。株価は時間外取引で15%上昇。通常取引では3.3%下落していた。
 
日経平均株価は461円高の26847円と反発。日銀金融政策決定会合で大規模な金融緩和策継続維持と決定。ドル円が一時130円台となり輸出関連銘柄中心に買われた。プライム市場の売買代金は3兆4114億円。フジクラ、キーエンスが上昇。エムスリー、任天堂が下落。
 
2日(月):
前週木曜のNY株式市場で主要3指数は大幅高。メタ・プラットフォームズの好調な四半期決算を受けハイテク株やグロース株が買われた。四半期の売上高見通しが市場予想を下回ったアマゾンは時間外取引で約10%安。
週末のNY株式市場で主要3指数は大幅反落。S&P500とNASDAQは1日の下落がそれぞれ20年6月以来、20年9月以来の大きさ。低調な決算を発表したアマゾンが14.05%安。1日の下落としては06年以降で最大。約2年ぶりの安値水準となった。
NASDAQの4月の下落率は約13%、08年の世界金危機以降で最大。S&Pは年初来で13%安。同期間の下落率としては1932年以来の大きさ。
 
日経平均株価は29円安の26818円と続落。米株価先物の上昇を背景に後場はプラスに転じた場面が長かったが、大引けにかけて3連休のネガティブリスクを取れない動きとなった印象。TOPIXも反落。ドル円は130円台前半。
東証プライム市場の売買代金は2兆9593億円。そこそこの商いとなった。値上がり949銘柄。値下がり830銘柄。値上がり銘柄の方が多く少し奇異な恰好。商船三井、アルプスアルパインが上昇。アンリツ、東エレが下落。「NYが1000ドル安の割には影響軽微」という声が聞こえる。週末の日経平均が461円高だったことを忘れているのかも知れない。
日経平均採用銘柄の予想PERは12.53倍(前日12.85倍)。5日連続で12倍台。EPSは2140円(前日2089円)。昨年11月8日の2179円にあと40円に迫ってきた。今年の大発会は2078円だった。
 
6日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って4日ぶりに急反落。中国での売り上げ低下やインフレ懸念が揺り戻し。水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って3日続伸。火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。ただ「地合いは不安定。主要株価指数が前日終値を挟んで一進一退」との見方だ。
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反発。FOMCを控え神経質な展開で激しい値動き。FOMCが予想通りに0.5%の利上げを決定。一度に0.5%ポイントの大幅利上げを決定するのは22年ぶり。
6月に保有資産の縮小に着手することも決定した。NNダウは932ドル高の後の1063ドル安。週初と比較するとNYダウは20ドル安。GW前の27日と比較すると263ドル安
 
日経平均株価は185円高の27003円と反発し27000円台回復。後場上昇率を拡大。一時200円以上上昇した場面もあった。その後伸び悩んだが大引けに再度27000円台に乗せた。週足は陽線。政府の外国人観光客の一部入国を認める方針を好感したとの解釈だ。TOPIXも反発で1900ポイント台を回復。東証プライムの売買代金は3兆4359億円。東電、物産が上昇。資生堂、SBGが下落。
 
(2) 欧米動向
 
4月の世界の株式時価総額は8兆ドル(7.8%)減少。
合計では103兆7658億ドル。日本円では1.3京円。
2020年3月以来の低水準となった。米国が9.3%減少。
減少額は4兆6534億ドルと世界全体の約6割。
世界シェアが約4割だから世界に対してはシェア以上に下げたという印象。
まさにNY主導の下落だった観。
 
(3)新興国動向
 
財新の4月中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は36.2と前月の42から低下。
2005年11月の統計開始以降2番目に低い水準となった。
過去最低は新型コロナのパンデミック初期に当たる20年2月の26.5。
新規事業指数は前月の45.9から38.4に低下。
過去2番目に低い水準を記録した。雇用指数は4カ月連続で50を下回った。
製造業とサービス業を合わせた総合PMIは37.2。前月の43.9から低下した。
また米証券取引委員会(SEC)の動向。
取引所から上場廃止となる可能性がある企業に80社以上を追加した。
含まれるのはJDドットコム、ピンドゥオドゥオ、ビリビリ)、ネットイースなど。
今回追加された中国企業はシノペック)、ジンコソーラー・ホールディング、NIOなど。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【5月】6勝4敗、(勝率60%、4位)
    気学では「押し目買いの月。中旬に高値をつけると後半下押し。乱調を見せる」。
 
5月9日(月)中国貿易収支、フィリピン大統領選、ロシア対独戦勝記念日、株安の日
5月10日(火)家計調査、独ZEW景況感、株高の日L、水星逆行開始
5月11日(水)系動向指数、米消費者物価指数、中国消費者・生産者物価
5月12日(木)国景気ウォッチャー調査、都心オフィス空室率、米生産者物価指数、変化日
5月13日(金)オプションSQ、マネーストック、ミシガン大学消費者信頼感、輸出入物価、株高の日L、MSCI日本株指数半期リバランス発表
5月16日(月)企業物価指数、NY連銀製造協景況感、中国各種経済統計、株安の日
5月17日(火)米小売り売上高、鉱工業生産、上げの特異日(下げ止まりの日)
5月18日(水)1−3月期GDP、米住宅着工、G7財務相・中央銀行総裁会議(ドイツ)
5月19日(木)貿易統計、機械受注、米フィラデルフィア連銀製造業景況感、中古住宅販売
5月20日(金)消費者物価、
5月21日(日)オーストラリア総選挙
5月22日(日)世界経済フォーラム(ダヴォス会議)
5月23日(月)首都圏マンション販売、独Ifo景況感、IT見本市「台北国際電脳展」
5月24日(火)米新築住宅販売
5月25日(水)米耐久財受注
5月26日(木)企業向けサービス価格指数、米GDP改定値、中古住宅販売契約、株高の日、変化日
5月27日(金)米個人所得、ミシガン大学消費者信頼感
5月30日(月)メモリアルデーでNY休場、バンクホリデーでロンドン休場
5月31日(火)失業率・有効求人倍率、商業動態統計、鉱工業生産、消費者態度指数、米CB消費者信頼感、CS住宅価格、FHFA住宅価格、株高の日L、変化日。MSCI日本株指数パッシブ売買インパクト
 
「株式市場にとって重要なイベントがあった5月」。
1792年5月17日  NY証券取引所が創設(「すずかけの木協定」)。
1878年5月16日 東京株式取引所創立(6月1日営業開始)
1949年5月16日 東証など3市場で株式取引再開
1987年5月1日  東京市場が時価総額で世界一に
2000年5月9日 「東証アローズ」オープン


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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