英明コラム 6月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》6月第1週

 
29日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の大幅高。「連邦債務上限引き上げに向けた協議が進展している」との見方。週明け月曜は祝日で休場。債務上限交渉の行方は風物詩みたいなものだが重要視されている。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は6.3%高。2日連続6%の上昇で合計13%高。
 
日経平均株価は317円の31233円と大幅に3日続伸。一時、前週末比600円以上上昇。31500円台まで上昇した場面があったが上昇幅を縮小した。TOPIXは5日ぶりに反発。東証プライムの売買代金は3兆5095億円。アドテスト、東エレが上昇。レーザーテック、アステラスが下落
 
30日(火):
週明けのNY株式はメモリアルデーで休場。日経平均株価は94円高の31328円と4日続伸。NY市場が休場で新たな手掛かりに乏しかった。前場のマイナスから後場上げに転じた。株価指数先物に海外の短期筋とみられる買いが断続的に入ったとの解釈。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は3兆194億円。神戸鋼、フジクラが上昇。SBG、デンカが下落。
 
31日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。連邦債務上限引き上げに反対する議員を巡る懸念が圧迫要因。一方でAI向け半導体需要への期待から半導体大手エヌビディアが上昇し3%高。時価総額は一時1兆ドルを超えたが終値バースは9910億ドル。S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で全国の住宅価格指数が前月比(季節調整後)0.4%上昇。
 
日経平均株価は440円安の30867円と5日ぶりに反落。円安一服が重荷。4月の鉱工業生産指数は前月から0.4%低下したのも悪材料。中国国家統計局などが発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)も前月比0.4ポイント低下の48.8。市場予想を下回った。東証プライムの売買代金は6兆9552億円。過去最大の最大記録。日野自、ソシオネクストが上昇。日本製鉄、三井物が下落。日経平均採用銘柄のPERは14.09倍。EPSは2192円。
 
1日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。利上げへの警戒感と債務上限問題の採決予定が交錯。方向感のない展開となった。インテルが4.8%高。HPが7.1%安。時価総額が一時1兆ドルを上回ったエヌビディアは5.7%安。4月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が35万8000件増の1010万件、市場予想は937万5000件だった。NYダウの騰落レシオは76.42%(前日73.95%)。6日連続で70%台。
 
日経平均株価260円高の31148円と反発。前日の米株安を背景に朝方は小幅安。ほどなく上昇に転じ上昇幅は一時300円に迫る場面があった。米下院で債務上限停止法案が可決されると金融セクターが上昇。もっとも「目先の懸念材料を想定通りに消化した」との珍妙で勝手な解釈から手じまい売りも出たという声もある。東証プライムの売買代金は3兆5971億円。SBG、トヨタが上昇。資生堂、楽天が下落。
 
2日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。FOMCでの利上げ見送りへの期待が高まったことが背景との解釈。NASDAQ総合とS&P500は2022年8月以来の高水準。エヌビディアが5.1%上昇。人工知能(AI)ソフトのC3.aiは13.2%安。セールスフォースが4.7%安。ISM製造業総合指数は46.9と前月の47.1から悪化。7カ月連続で拡大・縮小の分岐点となる50を下回った。市場予想は47.0だった。7カ月連続での50割れは2008年のグレートリ・セッション(大不況)以来最長。米経済が年内に景気後退に陥るおそれがあるという一部の予想を支える格好となった。
 
日経平均株価は376円高の31524円と続伸。大引けにかけて上昇幅を拡大。終値ベースでは年初来高値を更新。東証プライムの売買代金は3兆5210億円。SBG、トヨタが上昇。東エレ、レーザーテックが下落。
 
 
(2) 欧米動向
 
米上院は債務上限停止法案を賛成多数で可決しデフォルト(債務不履行)を土壇場で回避。
5月の雇用統計で非農業部門雇用者数は33万9000人増。
市場予想の19万人増を大幅に上回った。
一方、失業率は3.7%と7カ月ぶり高水準を記録。
時間当たり平均賃金は前月比0.3%上昇、前年同月比4.3%上昇。
ともに前月から伸びが鈍化した。
「FRB当局者は最近、6月に利上げを見送り、7月に利上げを検討する可能性を示唆していた。
雇用統計の非農業部門雇用者数の数字を見て後悔した可能性がある」という見方もある。
 
(3)新興国動向
 
財新/S&Pグローバルが1日発表した5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9。4月の49.5から上昇。市場予想は49.5だった。
一方中国国家統計局が5月31日に発表した5月製造業PMIは48.8に低下。
官民の指標で対照的な内容となった。
 
【展望】
 
【6月】(5勝5敗:勝率50%)
上旬は買い方針。中旬から買い警戒。夏至節を目途に売りに転ずべし。
 
 2日(金)マネタリーベース、米雇用統計、アジア安全保障会議(シンガポール→4日)、変化日
 4日(日)堺市長投開票、OPECプラス閣僚会合
 5日(月)米ISM非製造業景況感、製造業受注、連邦債務上限Xデー、JPモルガングローバルコンポジットPMI、天赦日
 6日(火)家計調査、株安の日、6月最弱の日
 7日(水)景気動向調査、米貿易収支、消費者信用残高、中国貿易収支
 8日(木)1−3月GDP速報値、景気ウォチャー調査、都心オフィス空室率、変化日
 9日(金)マネーストック メジャーSQ、中国消費者・生産者物価、株安の日L
12日(月)国内企業物価指数、工作機械受注、米財政収支
13日(火)4−6月法人企業景気予測調査、米FOMC(→14日)、消費者物価、独ZEW景況感、ゲーム見本市「E3](ロスアンゼルス→16日)
14日(水)米パウエルFRB議長会見、生産者物価、「サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム」(ロシア→17日)、変化日
15日(木)日銀金融政策決定会合(→16日)、機械受注、貿易統計、第三次産業活動指数、米輸出入物価、NY連銀製造業景況感、フィラデルフィア連銀製造業景況感、鉱工業生産、対米証券投資、ECB理事会、中国各種経済指標、ゴルフ全米オープン(→18日)
16日(金)植田日銀総裁会見、「骨太の方針」閣議決定予定、NY連銀ビジネスリーダーズサーベイ、ミシガン大学消費者信頼感、クアドラプル・ウィッチング、G7交通相会合(志摩→18日)、株安の日L、FTSE日本指数パッシブ売買インパクト
19日(月)首都圏マンション発売件数、米NAHB住宅市場指数、奴隷解放記念日でNY休場
20日(火)米住宅着工件数、建設許可件数
21日(水)通常国会会期末、日銀金融政策決定会合議事要旨 上げの特異日
22日(木)米1−3月経常収支、中古住宅販売、英金融政策委員会、
      ゴルフ全米女子プロ(→25日)、端午節(→6月23日)
23日(金)消費者物価、au自分銀行製造業PMI、米S&Pグローバル製造業PMI
24日(土)G7男女共同参画・女性活躍相会合(日光→25日)
27日(月)米耐久財受注、S&P住宅価格指数、 FHFA住宅価格指数、CB消費者信頼感
28日(水) e スポーツビジネス EXPO(→30日東京ビッグサイト)、国内最大級のスタートアップイベント「IVS」(京都→30日)、大幅高の特異日
29日(木)消費動向調査、米1−3月GDP確定値、EU首脳会議(ブリュッセル→30日)、上げの特異日、変化日、東証REITCore指数パッシブ売買インパクト
30日(金)失業率、東京都区部消費者物価、米個人所得、中国コンポジットPMI、製造業PMI、6月最強の日


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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