英明コラム 3月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》03月第3週

11日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。S&P500とナスダックは取引時間中の最高値を更新した。ただ前場後半から失速した。フィラデルフィア半導体指数(SOX)も一時最高値を更新したが終値は4%安。エヌビディアが5.6%安と7日ぶりに反落。一時5%超上昇する場面があった。ブロードコムも7%安。
 
日経平均株価は868円安の3万8820円と大幅に反落。取引時間中として39000円を下回ったのは2月29日以来。一時下落幅は1100円を超えた。終値ベースの下落幅は2021年6月以来の大きさ。1ドル146円台の円高トレンドは逆風。東証プライムの売買代金は5兆2687億円。任天堂、パーソルが上昇。三井金、川重が下落。TOPIXは前場2%超の下落でも日銀はETFを買わなかった。
 
12日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。S&P500とナスダック総合は小幅続落。今度は「消費者物価指数(CPI)と米卸売物価指数(PPI)待ち」との見方。ボーイングが3%下落。エヌビディアが2%安、AMDが4.3%安、ブロードコムが1.2%安。
 
日経平均株価は22円安の3万8797円と続落。前日の米ハイテク株が下落した流れを受け、東京市場でも値がさのハイテク銘柄に売りもの優勢の展開。前日に日銀がETFの買い入れを見送っており、ETF購入を含む大規模緩和策の早期終了への警戒が強まったことも重荷。ただ、売り一巡後は下落幅を縮小。一時ブラスに浮上した場面もあった。東証プライムの売買代金は4兆7860億円。ファストリ、ダイキンが上昇。SBG、物産が下落。
 
13日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。S&P500は終値ベースの過去最高値を更新した。オラクルが11.7%上昇し過去最高値を更新。エヌビディアも反発し7.2%上昇。2日続落していたフィラデルフィア半導体指数(SOX)は2.1%高。
 
日経平均株価は101円安の3万8695円と3日続落。朝方は前日の米エヌビディア株高を支えに350円程度上昇する場面もあった。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は4兆4428億円。東エレク、ソニーが上昇。ダイキン、第一三共が下落。
 
14日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは3日続伸。S&P500とナスダック総合が反落。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は2.5%下落。国防総省がインテルに最大25億ドルの半導体補助金を提供する計画を撤回したとの一部報道を受けてインテルの株価は4.4%安。ビットコインは7万3678ドルと過去最高値を更新。
 
日経平均株価は111円高の3万8807円と続落。下落幅は一時300円に迫る場面があった。TOPIXは反発。東証プライムの売買代金は4兆3374億円。ファーストリテ、住友鉱が上昇。リクルート、中外薬が下落。
 
15日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。半導体株の売りは継続。「卸売物価指数(PPI)の伸びが加速。利下げ開始時期が後ずれするのではないかとの懸念が浮上」との解釈。もし上昇していたら別の解釈が効かれていたことだろう。エヌビディアが3.2%下落。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.8%安。週末の先物決済「クアドラプル・ウィッチング 」を控えたポジション調整という見方の方が正しいだろう。
 
日経平均株価は99円安の3万8707円と反落。朝方は下落幅が300円に迫る場面もあった。ただ売り一巡後は急速に下げ渋り。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は5兆7934億円。三井物、トヨタが上昇。ダイキン、ヤマハが下落。3月メジャーSQ値39863円に対して0勝6敗。3月配当落ちは昨年で日経平均270円程度、TOPIX26ポイント程度。FTSEの見直しで売買は膨らんだ。
 
(2)欧米動向
 
2月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増加。
市場予想(20万人増)を上回った。
ただ、過去2カ月分の雇用の増加数が合計16万7000人下方修正。
失業率は約2年ぶりの水準に上昇。
2月のCPIは前月比0.4%上昇、前年同月比3.2%上昇。
市場予想は前月比0.4%上昇、前年同月比3.1%上昇。
1月は前月比0.3%上昇、前年同月比3.1%上昇だった。
2月のPPIは前月比0.6%上昇と1月の0.3%上昇から加速。
市場予想(0.3%上昇)を上回った。
2月の小売売上高は前月比0.6%増加。
市場予想(0.8%増)を下回った。
 
(3)新興国動向
 
中国の銀行間市場で取引されている債券のうち外国機関の保有額は2月末時点で3兆9500億元。前月末時点の3兆8700億元から拡大した。
中国の30年債利回りは年初から0.46%低下した。
米国と中国の10年債の利回り格差は2月下旬に1.93%に拡大。
昨年11月以来の高水準となっている。
 
 


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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