英明コラム 5月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 5月 第4週

23日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは反発。NASDAQ続落。S&P500はほぼ変わらず。「弱気相場入りを辛うじて回避した」との見方だ。NYダウは90年ぶりに8週続落。1932年の世界大恐慌以来の最長を記録した。S&P500とNASDAQは7週続落。ドットコム・バブルがはじけた2001年以来最長となった。S&P500は一時、1月3日の最高値から20%超落ち込む場面もあった。ただ引けにかけ1月3日の終値から約18%安の水準まで戻した。NASDAQは21年11月の終値での最高値から約27%下落した水準。
日経平均株価は262円高の27001円と続伸。上昇幅は一時300円を越えた場面があった。東証ブライム市場の売買代金は2兆6714億円。川船、東京海上が上昇。東ソー、日揮が下落。上向きの5日線は一応25日線を上抜きゴールデンクロス。

24日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。ほぼ全面高となった。NYダウは2%近く続伸。前週まで8週連続で下落。その間の下落幅は3600ドル近くに達したことからの押し目買いとの解釈。JPモルガンは222年12月期通期の純金利収入の見通しを上方修正し6%高。連想買いでゴールドマン・サックスなど銀行株は軒並み上昇した。

バイデン大統領が「中国製品に課している制裁関税の引き下げを検討している」とコメント。これも好材料視された。アップルが4%、マイクロソフトが3%上昇。「5月に入ってから相場は下落、株式市場には月末にかけ年金基金の資産配分見直しに伴う買いが入る」との観測もある。

日経平均株価は253円安の27648円と3日ぶりに反落。前日のNY株式は大幅上昇だったが引け後のNASDAQ100先物が大幅安。後場下落幅を拡大した。東証プライム市場の売買代金は2兆6381億円。板硝子が上昇。リクルート、リコーが下落。

25日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは続伸。NASDAQとS&P500は午後の取引で下げ幅を縮小したが反落。「積極的なインフレ対応策で経済がリセッションに陥るとの懸念」が台頭した。
業績予想を下方修正したスナップが43.1%急落。ソーシャルメディア関連株にも下げが波及。メタ・プラットフォームズ、アルファベット、ツイッターが下落。4月の新築一戸建て住宅販売戸数は年率換算で前月比16.6%減の59万1000戸。減少は4カ月連続で2020年4月以来2年ぶりの低水準。
住宅ローン金利と住宅価格の上昇が重しとなり、市場予想の75万戸を大きく下回った。30年物固定金利の住宅ローンは4月、2011年2月以来初めて5%を突破。5月19日までの1週間の平均は5.25%に急上昇した。

日経平均株価は70円安の26677円と小幅続落。前日の米株式市場でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が2%超下落。ハイテク株の一角に売りが出た。25日移動平均(26726円)を下回る水準では押し目買いも入りやすかった。東証プライムの売買代金は2兆7190億円。三菱地所、第一三共が上昇。電通グループ、リクルートが下落。

26日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。5月3─4日のFOMC議事要旨通過。「大半の参加者が6月と7月の会合でそれぞれ0.50 %ポイントの追加利上げを行うことが適切。参加者全員が、米経済は非常に強く、労働市場は極めてタイトで、インフレ率は非常に高いという点で一致した。インフレリスクは上向きに偏っている」との見解。
アマゾンが2.6%、テスラが4.9%上昇。百貨店のノードストロムは14.0%急伸。第2四半期の売上高見通しが市場予想を下回ったエヌビディアは時間外取引で8%超下落。
4月の耐久財受注統計で民間設備投資の先行指標とされるコア資本財受注は前月比0.3%増。伸び率は市場予想の0.5%を下回った。3月の1.1%増からは減速。

日経平均株価は72円安の26604円と小幅に3日続落。東エレクとアドテストの2銘柄で日経平均を70円ほど押し下げた。TOPIXは33日ぶりに小幅反発。東証プライムの売買代金は2兆7142億円。5営業日連続で3兆円を下回った。川船、ANAが上昇。DeNA、三菱電が下落。

27日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅続伸。主要3指数はいずれも過去数十年で最長の下げに終止符を打つ見通し。3指数は週間で3月半ば以来の大幅な上げとなる可能性がある。アップル、テスラ、アマゾンが上昇。ツイッターは6.4%上昇。アリババ・グループの米上場株は14.8%高。第1四半期の実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.5%減。4月に発表された速報値(1.4%減)から下方修正。第4四半期は6.9%増だった。「FRBは9月に引き締めを一時停止。政策金利を1.75─2%のレンジにとどめる可能性が高い」と言う声もある。

日経平均株価は176円高の26781円と4日ぶりに反発。半導体セクターなどへの買い戻し優勢の展開となったが27000円の壁は厚かった。TOPIXは続伸。東証プライム市場の売買代金は2兆9671億円。東エレ、アドバンテストが上昇。ファーストリテ、オリンパスが下落。ドル円は127円台前半。

(2) 欧米動向

JPモルガンのリポート。
バランス型投信による5月末までのリバランスで、株式の買い需要を340−560億ドルと見込んだ。直近の株価下落が5月に入って加速。
今月末に向けて月次のリバランスと四半期末に迎えたリバランスも一部発生すると予想している。
6月末までの潜在的な株式購入フローとして、ノルウェー中央銀行や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)といった公的年金で400億ドル。米確定給付年金で最大1670億ドルとそれぞれ推計した。

(3)新興国動向

週末の中国・上海株式相場は3日続伸した。
米中対立への懸念後退や中国当局による政策期待が相場の支え。
ただ一部地域で新型コロナウイルス対応の行動規制は継続。
中国景気をめぐる不透明感は根強い。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・。

5月30日(月)メモリアルデーでNY休場、バンクホリデーでロンドン休場
5月31日(火) 株高の日L、変化日。MSCI日本株指数パッシブ売買インパクト

【6月】6勝4敗、(勝率60%、4位)
    気学では「夏至前後の安値は底入れとみて駆け引きすべき」。

 6月1日(水)法人企業統計、米ISM製造業景況感、JOLT求人件数、ベージュブック、中国製造業PMI
 6月2日(木)マネタリーベース、米ADP雇用レポート、製造業受注、英国休場
 6月3日(金)米雇用統計、米ISM非製造業景況感、水星順行、中国端午節(→5日)
 6月6日(月)米アップルの世界開発者会議、韓国休場、株安の日、変化日
 6月7日(火)家計調査、景気動向指数、米貿易収支、消費者信用残高、東証REITCORE指数年次リバランスの発表
 6月8日(水)GDP確定値、景気ウオッチャー調査
 6月9日(木)マネーストック、ECB定例理事会、中國貿易収支、株安の日L
6月10日(金)メジャーSQ、国内企業物価指数、米消費者物価、中国消費者・生産者物価天赦日、一粒万倍日
6月13日(月)変化日
6月14日(火)鉱工業生産、米FOMC(→15日)、生産者物価、製造業売上高
6月15日(水)機械受注、米小売り売上高、NY連銀景況観、NAHB住宅市場指数、中国各種経済指標
6月16日(木)日銀金融政策決定会合(→17日)、株安の日L
6月17日(金)変化日、FTSE日本株指数パッシブ売買インパクト
6月20日(月)ジューンティーンス(奴隷解放記念日)でNY休場
6月21日(火)上げの特異日
6月23日(木)変化日
6月24日(金)米個人所得支出
6月26日(日)G7(→28日)ドイツ
6月27日(月)米耐久財受注
6月28日(火)大幅高の特異日
6月29日(水)失業率、上げの特異日、変化日、東証REITCORE指数パッシブ売買インパクト
6月30日(木)鉱工業生産

世界経済フォーラム(WEF)が終了。
来年の年次総会(ダボス会議)を来年は従来通りの1月開催に戻すことになった。
過去2年は新型コロナウイルス流行で中止や延期。
来年は1月15─20日の日程で開催する予定。
ひとつのイベントが元に戻る。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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