英明コラム 3月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》  3月第4週

22日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は反落。FRBパウエル議長は全米企業エコノミスト協会(NABE)で講演。「物価安定を回復するために必要な政策を採る。一般的な中立金利を上回る利上げが必要と判断した場合にはそうするだろう」発言。今後のFOMCで通常の倍の0.5%の利上げに踏み切る可能性を示唆した。
 
これを受け5月のFOMCで0.50%の利上げ確率は52%→63%に上昇。金利先物市場が織り込む、年間の合計利上げ幅は1.84%。債券利回りは上昇。10年債利回りは一時2.3%を上回った。2019年5月以のこと。
 
日経平均株価は396円高の27224円と6日続伸。円安が支援材料との解釈だが基本は動意薄の展開。東証一部の売買代金は3兆4261億円。出光興産が上昇。郵船、キッコーマンが下落。
 
23日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。ハイテクセクターへの買戻しからNASDAQ総合が約2%高。アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、テスラが上昇。国債利回りの上昇を受け金融セクターも上昇。FRBが5月に0.5%利上げする確率は72.2%。
 
一方、0.25%利上げの確率は27.8%。ゴールドマン・サックスはFRBが5月と6月にそれぞれ0.5%利上げを行うと予想。空売り比率は39.9%(前日42.1%。46日ぶりに40%割れ)。1月12日の39,70%以来。
 
日経平均株価は816円高の28040円と7日続伸。28000円台は1月18日以来。後場上昇幅を拡大した格好。東証一部の売買代金は3兆4288億円。三菱UFJ、レーザーテックが上昇。郵船、東京海上が下落。日経平均の25日線も75日線も上向いた
 
24日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の反落。原油価格の急騰を警戒して売り物優勢の展開。ソフトウエア大手アドビが9.3%下落。クリーブランド連銀のメスター総裁とサンフランシスコ連銀のデイリー総裁。5月の次回FOMCで0.5%利上げを決定することに前向きな姿勢を表明。10年国債利回りは2.289%。
 
日経平均株価は前日比70円高の28110円と高値引けで8日続伸。1月18日以来およそ2カ月ぶりの高値水準。8日続伸は昨年9月8日以来。幅広い銘柄に売りが先行したが一巡後には主力銘柄の一角に買い直しが入った。75日移動平均を2日連続で上回った。TOPIXも8日続伸となり1981ポイント。1月17日以来の高値水準。東証1部の売買代金は3兆1574億円。太平金、三菱重が上昇。川崎船、クボタが下落。
 
25日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の反発。ここまで売られていた半導体株や大型グロース株への買い戻しとの解釈。アップルが8日続伸。エヌビディアが9.8%上昇。1月半ば以来の高値水準を回復。インテルが6.9%上昇。フィラデルフィア半導体(SOX)指数は5.1%高。2月15日以来の大幅な上昇率となった。
 
日経平均株価は39円高の28149円と9日続伸。日足は8日ぶりに陰線。
週足は2週連続陽線。後場は一時160円安まで下げる場面もあったが3月期末の配当取りや円安基調による企業業績の改善を期待した買いが入ったとの解釈。TOPIXは9銭安と小幅に反落。東証1部の売買代金は3兆581億円。郵船、鉄が上昇。トヨタ、三井住友が下落。
 
(2) 欧米動向
 
2月の耐久財受注統計でコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注は0.3%減。
市場予想(0.5%増)に反して減少。
1月は1.3%増だった。
週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は18万7000件。
前週比2万8000件減少。
1969年9月以来52年半ぶりの低水準となった。
市場予想は21万2000件だった。
 
(3)新興国動向
 
24日に1カ月ぶりに取引を再開したロシアの株式市場は荒い値動きの中で大半の銘柄が上昇。
「寄り付きから大口の買い注文が見られた。
財務省が株式を買うとの見方が全体的な地合いを支えている」との声が聞こえる。
ルーブル建てのMOEX指数は9%高の2695.8。
ドル建てのRTS指数は取引が再開されていない。
航空会社アエロフロートは一時約20%急落後、下落幅を9%に縮小。
大手銀行VTBは1.5%安。
ガス大手のノバテクは25%近く上昇。
ガスプロムは約18%、ロスネフチは20%超、ルクオイルは6%上昇していた。
 
【展望】
 
時の進行とともに権利配当落ちが近づいてくる。
19日の日経朝刊では「配当増額、4社に1社」の見出し。
今期の配当予想を期初の計画から引き上げた企業は25%。
過去最高益だった18年3月の同時期よりも多い。
電気・化学・海運などが配当上方修正の主役だ。
配当総額は約13兆円。
個人株主が17%とすると2兆円が配当されることになる。
「配当の貴族」の資金が向くのが消費なのか再投資なのか興味深い。
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【3月】5勝5敗、(勝率50%。10位)
 
気学では「初旬は戻り売り。一進一退で続かず。後半に下げ」。
 
3月25日(金)企業向けサービス価格指数、独Ifo景況感、株高の日
3月29日(火)失業率、有効求人倍率、3月権利付き最終日、米CB消費者信頼感、CS住宅価格指数、FHFA住宅価格指数、JOLT求人件数、株安の日L
3月30日(水)商業動態統計、3月権利配当落ち日、米ADP雇用レポート、
3月31日(木)鉱工業生産、KDDIが3Gサービス終了、米個人所得、シカゴ購買部協会景気指数、中国製造業非製造業PMI、OPECプラス閣僚級会合株安の日
 
【4月】6勝4敗、(勝率60%、4位)
    気学では「初旬に波乱あり。静観して見送りが良い」。
 
 4月1日(金)日銀短観、成人延齢を18歳に引き下げ、使い捨てプラの使用量削減義務化、米雇用統計、ISM製造業景況感、中国製造業PMI、ラマダン入り、上げの特異日
 4月3日(日)中国清明節(→5日)
 4月4日(月)東証が新3市場に移行、マネタリーベース、米製造業受注、中国・台湾休場
 4月5日(火)家計調査、TDLにトイ・ストーリーホテル開業、米貿易収支、ISM非製造業景況感、中国清明節、変化日
 4月6日(水 FOMC議事録、株安の日L
 4月7日(木)トシンオフィス空室率、景気動向指数、米消費者信用残高、株高の日L、TOPIX7ー9月決算企業浮動株比率見直し
4月8日(金)オプションSQ、景気ウォッチャー調査、国際収支
4月10日(日)フランス大統領選第1回投票
4月11日(月)株安の日L
4月12日(火)企業物価指数、米消費者物価指数
4月13日(水)マネーストック
4月14日(木)米小売り売上高、ミシガン大学消費者信頼感、ECB理事会、ECB総裁会見
4月15日(金)米鉱工業生産、変化日
4月19日(火)米住宅着工件数
4月20日(水)貿易収支、米ベージュブック
4月21日(木)米フィラデルフィア連銀製造業景況感、変化日
4月22日(金)千葉市でXゲーム国際大会開催、IMF世銀春季総会(ワシントン)
4月26日(金)米耐久財受注、新築住宅販売件数、消費者信頼感
4月27日(水)日銀金融政策決定会合(→28日)、変化日。TOPIXパッシブ売買インパクト
4月28日(木)日銀展望レポート、米第2四半期GDP速報値、東証REITCORE指数年次リバランス基準日
4月29日(金)米シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者信頼感、ユーロ圏GDP速報値、昭和の日で休場
4月30日(土)ラマダン明け 中国労働節(→5月2日)
 
(兜町カタリスト 櫻井英明)

 
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