英明コラム 7月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》7月第2週

 
【推移】
 
6日(月):
週末のNY株式市場は独立記念日の振り替えで休場。週間ではNYダウが3.3%、S&P500が4.0%、NASDAQが4.6%と3指数そろって大幅高。欧州株式は反落。
 
日経平均は407円高の22714円44銭と大幅3日続伸。昼休み中に上海総合指数や香港ハンセン指数が一段高。後場は上昇幅を拡大した。
5日線、25日線を上回り形はよい。13週線と26週線がゴールデンクロスしたことも好材料。ダウ先物の上昇も支援材料となった。「NY休場で売る人がいない」という見方もあり買戻し主体との指摘もある。
TOPIXも3日続伸。東証1部の売買代金は1兆8013億円と2日連続2兆円割れ。東エレ、ニトリが上昇。キーエンス、塩野義が下落。3日続伸で日足は2日連続陽線。今週後半は主なETFの分配金落ち。約7000億円超の分配金捻出売り観測だ。
 
7日(火):
3連休明けNY株式市場で主要3指数はそろって大幅続伸。NYダウは459ドル(1.8%)高の26287ドルと3週間ぶりの高値水準を回復。
NASDAQは昼前にザラ場の高値を付けた後やや戻したもののFANG銘柄などハイテク大型が強く2.2%高と5日続伸。連日の最高値更新。
 
ISM非製造業景況感指数は57.1と前月より11.7ポイント上昇。過去最大の改善幅となり好不況の境目となる50を3カ月ぶりに上回っての着地。上海総合指数が6日に5.7%上げ2018年2月以来の高値となったことも好材料。
ゴールドマン・サックスが5%高となるなど銀行セクターが上昇。
 
日経平均株価は99円安の22614円と4日ぶりの反落。利益確定売りに押されたとの解釈だ。東証一部の売買代金は2兆1263億円と3日ぶりの2兆円超。SBG、東エレが上昇。日産、中外薬が下落。
 
8日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はそろって反落。ニューヨーク州のクオモ知事のコメントは「感染が再拡大しているデラウェア、カンザス、オクラホマ3州からの訪問者を14日間の自主隔離の対象にする」。新型コロナウイルスの国内新規感染者数が一段と増加したことを嫌気した格好だ。「多少の後退は健全。3月安値からの信じ難い反発を受けて、下降局面では利食いやボラティリティーが高まる」という声もある。
 
日経平均株価は176円安の22438円と続落。ETFの配当金捻出の売りが懸念された。続落で日足は2日連続陰線。「コロナと災害で投資心理悪化」という声と「自律下落」の交錯。東証一部の売買代金は2兆1539億円。ヤマト、ドコモが上昇。郵船、花王が下落。
 
9日 (木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。アップル、マイクロソフト、アマゾンが指数をけん引。NASDAQは終値ベースの史上最高値を更新した。セントルイス地区連銀のブラード総裁が「雇用者のほとんどが90日以内に復職する。年末の米失業率は8%を下回る可能性が高い」とコメント。これが好感された。
 
一方で「市場は新型コロナ感染者の急増がもたらす潜在的な影響を無視し続けている」との声。この2者の綱引きの強弱は日々の株価の背景を継続している。
 
日経平均株価は90円高の22529円銭と反発。後場は買い優勢でスタート。一時240円高の22679円まで上昇した場面があった。根拠レスながら日銀によるETF買い観測が浮上し買いが優勢となったとの解釈。東京都で新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多となる220人以上確認され警戒した売りが出た。
 
東証1部の売買代金は2兆2220億円。SBG、ソニーが上昇。トヨタ、神戸物産が下落。伊藤忠によるTOBが発表されたFマートがストップ高。2銘柄合わせて116円ほどの上昇寄与度。
 
10日(金):
木曜のNY株式市場はマチマチの展開。NYダウとS&P500は反落。コロナウイルス感染が国内で再拡大。ロックダウン(都市封鎖)措置再導入への懸念が拡大した。一方、NASDAQは終値ベースでの史上最高値を連日で更新。
過去6営業日のうち5日は終値ベースでの史上最高値を更新している。アマゾン、マイクロソフト、アップルなどが上昇を主導。テスラも2.1%高。S&P500の50日移動平均線が200日移動平均線を上抜ける「ゴールデンクロス」が発生。「短期的な強気相場入り」という見方を後押しした。
 
日経平均株価は238円安の22290円と反落。ほぼ安値引けとなった。後場、下落幅を拡大。週末で模様眺めムードが強い中、中国株式市場が軟化したことも見送り材料。「国内での感染者急増もリスク要因」という見方だ。
暫暫定SQ値は22601円で「幻のSQ値」。ETFの分配金のための売りも意識された格好だ。東証1部の売買代金は2兆4589億円。Fマート、ソニーが上昇。ファーストリテ、東エレが下落。
 
(2) 欧米動向
 
今週からは第2四半期の決算シーズン。
S&P500構成銘柄の四半期利益は前年比で約44%減の見通し。
2008年の金融危機以来の落ち込みとなる予想だ。
 
(3)アジア・新興国動向
 
中国本土株は木曜まで8連騰。
ただ金曜は大型株が下落した。
背景は政府系の2つの基金が株式の保有を減らすと発表したこと。
「新たな株式バブルを巡る懸念が広がる中で、中国当局が株高を抑える動きに出た」との解釈だ。
 
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【7月】陽線確率5勝5敗、(陽線確率50%)、過去15年7勝8敗(10位)
    気学では「悪目買い。買い方針にて下旬戻り売り方針」
 
13日(月):第三次産業活動指数、米財政収支、民主党大会は延期
14日(火):日銀金融政策決定会合(→15日)、米週間小売り売上高、消費者物価、中国貿易収支
15日(水):黒田日銀総裁会見、展望レポート、米鉱工業生産、輸出入物価、ベージュブック、NY連銀製造業景況感、変化日
16日(木):米小売り売上高、フィラデルフィア連銀製造業景況感、ECB理事会、中国各種経済指標
17日(金):米住宅着工件数、ミシガン大学消費者信頼感
18日(土):G20財務相・中央銀行総裁会議(サウジ)、香港立法会総選挙立候補届け出開始
 
 
7月3日に開催された未来投資会議。
その成長戦略案のポイント
・兼業・副業/フリーランスのルール整備
・銀行間振込手数料の引き下げ
・人工知能(AI)やデータを活用した規制改革
・大企業のスピンオフなど事業再編支援
・技術革新による高齢運転者の交通事故対策
・7月後半から未来会議を拡大し、新たな社会像を議論
 
 
「今日の日経平均予想」なんてコーナーに時々遭遇する。
朝、たまたま見ていたら「22200円と22700円のレンジ」というフリップ。
これが来週の日経平均ではなく「今日の日経平均予想」。
これって意味があるのだろうか。
500円というワイドレンジを出す方も出す方だが、裏返せば「わからない」ということ。
間違えたくないという心理見え見えのような感じだ。
というか、今日の日経平均は22200円から22700円の間と言われても何の役にも立たない。
専門家でなくたって素人だってそのくらいのことは言える。
いっそのこともっと簡単にして「今日の終値はプラスあるいはマイナス」。
この二者択一にした方がスッキリしよう。
そもそも誰も今日の日経平均の終値
などわからない。
この大前提を無視して「レンジ」なんか設定するからややこしくなる。
しかも質問者も回答者も大抵はまじめだから余計に混乱して来る。
換言すれば壮大な喜劇だ。
今日の日経平均の天底でさえ間違いなく当てられるなら市場関係者なんてやっていないだろう。
厚顔で人前で予想を披露することもなかろう。
投資家としてさらに成功している筈である。
一般的には「投資家<市場関係者」と思われているが実は「投資家>市場関係者」が正しいと思う。
 
(兜町カタリスト 櫻井英明)
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