英明コラム 5月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》5月第2週

8日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って5日ぶりに反発。NYダウの上昇率は1月6日以降で最大となった。好決算のアップルが4.7%超上昇。昨年11月以降で最大の上昇率。前日刹那的に下落の主役とされた地銀株は「売られ過ぎ」との見方が拡大。パックウエスト・バンコープは81.7%高。ウエスタン・アライアンス・バンコープは49.2%高。KBW地域銀行指数は4.7%高。NY市場も市場展開の解釈はいい加減なものだ。
 
日経平均株価は208円安の28949円と5日ぶりに反落。大型連休中の海外株安と円高・ドル安を背景に輸出関連を中心に売りもの優勢となった。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は2兆9924億円。JT、任天堂が上昇。ファーストリテ、レーザーテックが下落。
 
9日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はほぼ横ばいでマチマチの展開。今度は「消費者物価指数(CPI)待ちで動けず」との解釈。食肉加工大手タイソン・フーズの決算は第2四半期決算が予想外の赤字。通期の売上高見通しを下方修正。タイソン・フーズは16.41%急落。地銀株は朝方上昇したがその後失速。KBW地銀株指数は2.82%安。
 
日経平均株価は292円高の29242円銭と反発、前日のNY株式市場でハイテク株が買われた流れを引き継いだ。東証プライムの売買代金は3兆2746億円。JFE、川崎汽が上昇。リコー、HOYAが下落。日経平均採用銘柄の予想PERは14.08倍(前日13.69倍)。EPSは2076円(前日2114円)。
 
 
10日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。「CPIや債務上限問題を巡る協議を控て警戒姿勢」との解釈。ペイパルやスカイワークス・ソリューションズの業績見通しが失望を誘った。クアルコムやブロードコム、コルボ、コーニングなどアップルサプライヤーも下落。SOX(フィラデルフィア半導体)指数は1.87%安。アンダーアーマーは5.66%安。一方ボーイングは2.34%高。
 
日経平均株価は120円安の29122円と反落。日経平均は前日に1年4カ月ぶりの高値を付けており、発表された決算内容や前日の米株安を受けて利益確定目的などの売りが出た。「日本独自の不安材料は見当たらず、日本株の地合いは引き続き強い」との声もある。東証プライムの売買代金は3兆1877億円。丸井、横河電機が上昇。NTN、エーザイが下落。
日経平均採用銘柄の予想PERは14.52倍(前日14.08倍)。EPSは2005円(前日2076円)。プライム市場の売買代金は3兆1878億円(前日は3兆2746億円)。
 
11日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NASDAQ総合とS&P500は反発。NASDAQの日中高値は約8カ月ぶりの高水準。一方、NYダウは3日続落。アルファベットは傘下グーグルは生成AIを搭載した新たな検索機能を発表。株価は4.10%上昇。アップルが1.04%、マイクロソフトが1.73%上昇。6月のFOMCで利上げを停止し金利を据え置く確率は97%。
 
日経平均株価は4円高の29128円と反発。円高トレンドを警戒しての軟調。プライム市場の売買代金は2兆9627億円。パナソニック、レーザーテックが上昇。花王、住友鉱が下落。
 
12日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウとS&P500は下落。会員数の減少を背景にウォルト・ディズニーが8.7%安。地銀のパックウエスト・バンコープは22.7%急落。5月5日までの週に預金が約9.5%減少。週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から2万2000件増加し26万4000件。2021年10月以来の高水準を付けた。
日経平均株価は261円高の29388円と続伸。年初来高値を更新。2021年11月以来の高値水準。海外投資家からの日本株買いが継続しているとの解釈。SQ値29235円に対しては1勝。東証プライムの売買代金は3兆9587億円。東エレク、ファストリが上昇。SBG、武田薬が下落。
 
(2) 欧米動向
 
4月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年比の伸び率が4.9%。
2年ぶりに5%を下回り、2021年4月以降で最小となった。
前月比で0.4%上昇し、伸び率は前月の0.1%から加速。
市場予想は前月比0.4%上昇、前年比5.0%上昇だった。
コア指数は前月比上昇率が前月と同じく0.4%。
4月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年同月比2.3%上昇。
上昇率は前月の2.7%から縮小。
2021年1月以来最小。
市場予想の2.4%も下回った。
前月比では0.2%上昇。
市場予想は0.3%上昇だった。
 
(3)新興国動向
 
中国株式市場は4日続落。
新規銀行融資や物価、貿易統計など弱い経済指標が相次ぎ経済の先行きへの懸念が拡大。
中国市場では銀行株が下落。
融資需要の低迷、当局からの融資金利引き下げ圧力で利ざやが過去最低水準まで悪化している。
 
 
【展望】
 
【5月】(7勝3敗:勝率70%)
 
押し目買いに徹すべし。前途に高値出現を期待せよ。
 
15日(月)国内企業物価指数、米NY連銀製造業景況感、対米証券投資、水星順行
16日(火)米小売売上高、NY連銀ビジネスサーベイ、鉱工業生産、NAHB住宅指数、独ZEW景況感、中国各種経済指標、 欧州評議会首脳会議(レイキャビク→17日) 株安の日、変化日
17日(水)1−3月GDP速報値、訪日外客数、米住宅着工件数、ゴルフ全米プロ(→21日) 上げの特異日
18日(木)貿易収支、首都圏マンション新規発売、米フィラデルフィア連銀製造業景況感、中古住宅販売
19日(金)消費者物価、第3次産業活動指数、G7首脳会議(広島→21日)米ウィッチング
21日(日)WHO総会(スイス・ジュネーブ→30日)
22日(月)機械受注、株高の日L
23日(火)米S&Pグローバル製造業PMI、新築住宅販売件数
24日(水)米FOMC議事録、独IFO景況感、スタートアップのピッチイベント「B Dash Camp」(札幌→26日)
26日(金)東京都区部消費者物価、企業向けサービス価格指数、米個人所得、耐久財受注、株高の日
28日(日)テニス全仏オープン(→6月11日)
29日(月)メモリアルデー(戦没者記念日)でNY休場、バンクホリデーでロンドン休場、強い株高の日L
30日(火)失業率、米S&P住宅指数、FHFA住宅価格、CB消費者信頼感、「台北国際電脳展」(→6月2日)、変化日
31日(水)鉱工業生産、諸費動向調査、米JOLT求人件数、中国コンポジットOMI、製造業非製造業PMI、株高の日L、MSCI日本指数パッシブ売買インパクト


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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