英明コラム 12月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》12月 第1週


4日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。S&P500は終値ベースの年初来高値を更新。パウエル議長は「利上げが行き過ぎ必要以上に景気を減速させるリスクと、インフレ抑制のために十分な利上げを実施しないリスクはより均衡している。FRBが今後の金融政策決定において慎重である」とコメント。「パウエル議長は来年の利下げに向けて市場を整えている」と解釈された。S&P500とナスダック総合の11月の上昇率は2022年7月以降で最大。ISM製造業景気指数は46.7。10月から変わらず。
 
日経平均株価は200円安の3万3231円と続落。1ドル146円まで進んだ円高・ドル安方向が警戒要因。下落幅を400強に広げる場面があった。東証プライムの売買代金はで3兆3211億円。トレンド、中外薬が上昇。東エレク、ダイキンが下落。
 
5日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反落。「週末発表の雇用統計を前に警戒感」との解釈。マイクロソフト、アップル、エヌビディア、アマゾンが軟調。一方、小型株は買われラッセル2000指数は約1%高。年初来の上昇率は約7%。日経平均株価は455円安の32775円と続落。3週間ぶりに心理的な節目の3万3000円を下回り下落幅は500円を超える場面があった。東証プライムの売買代金は3兆5833億円。ファナック、ニトリHDが上昇。ファストリ、リクルートが下落。日経平均は上向きの25日線(32808円)から▲0.10%(前日△1.51%)。
 
6日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。雇用関連指標を受けS&P500とNYダウは下落。一方、国債利回りが数カ月ぶりの水準に低下。エヌビディアとアップルが2%超、アマゾンットとテスラは1%超上昇。小型株で構成するラッセル2000指数は1.4%安と5日ぶりに反落。11月のISM非製造業総合指数は52.7。5カ月ぶりの低水準だった前月の51.8から上昇。市場予想の52.0を上回った。10月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は61万7000件減の873万3000件。2021年初め以来の低水準となった。減少件数は5月以降で最大。
 
日経平均は670円高の33445円と4日ぶりに反発。半導体関連銘柄など前日大きく下げた銘柄を中心に押し目買いの動き。前日までの3営業日で700円余り下げ、33000円を割り込んでいたことからのリバウンド。東証プライムの売買代金は3兆5298億円。ファストリ、レーザーテクが上昇。資生堂、横河電が下落。空売り比率は36.7%(前日45.8%、3日ぶりに40%割れ)。
 
7日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。労働市場の指標は減速。そして週末の雇用統計待ちの動きとの解釈。原油先物価格が4%下落しネルギー株の下げが主要株価指数を圧迫した。むしろ異常値水準に上昇した騰落レシオの過熱感沈静化の動きと見た方が良いかも知れない。マイクロソフトは1%安、アマゾンは1.6%安、エヌビディアは2.3%安。11月のADP全米雇用報告で民間部門雇用者数は10万3000人増。
市場予想の13万人増を下回った。
 
日経平均は587円安の32858円と反落。NY安を受けて売り物優勢の展開。メジャーSQを控えての思惑的売買に翻弄された格好。東証プライムの売買代金は3兆7010億円。東電、みずほが上昇。東エレ、アドバンテストが下落。過去3日は455円安→670円高→587円安。
 
8日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。グーグルの持ち株会社アルファベットはAI基盤技術で高性能の「Gemini(ジェミニ)」を投入すると発表。株価は5.3%上昇した。AMDが10%近く急伸。エヌビディアとメタ・プラットフォームズは2%超高。アマゾンが1.6%高、アップルは1%高。フィラデルフィア半導体指数(SOX)も2.8%上昇。年初来の上昇率は約48%となった。
 
日経平均株価は600円安の32257円と大幅続落。日銀の植田和男総裁の発言などを受けて金融政策の修正観測が高まりは一時1ドル141円台と約4カ月ぶりの水準まで急上昇。輸出採算の悪化が意識されて売り物優勢の展開。メジャーSQ値32639円と「幻のSQ値」。東証プライムの売買代金は4兆8397億円。ニチレイ、スクリンが上昇。トヨタ、アマダが下落。
 
 
(2) 欧米動向
 
11月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比19万9000人増。
市場予想(18万人増)を上回った。失業率は3.7%に低下。
週間で、S&P500が0.2%上昇、ナスダックが0.7%上昇、ダウ工業株30種は横ばい。
S&P500とナスダック総合は終値ベースで2022年初以来の高値水準。
 
(3)新興国動向
 
11月の中国人民銀行(中央銀行)の外貨準備高は3兆1720億ドル。
前月から705億8000万ドル増加した。
市場予想は3兆1200億ドルだった。
人民元は11月に対ドルで2.55%上昇。
 
 
【展望】
 
【12月】(6勝4敗):勝率60%)
 
上旬は戻り売り。中旬は押し目買い。下旬は戻り売り。
アノマリーは「上昇高確率と節税ラッシュ」。
古いアノマリーは「掉尾の一振」。
 
11日(月)マネーストック、法人企業景気予測調査
12日(火)国内企業物価指数、米FOMC(→13日)、消費者物価指数、財政収支、ZEW景況感、水星逆行(→1月2日)
13日(水)日銀短観、臨時国会会期末、半導体関連見本市「セミコンジャパン」(東京ビッグサイト→15日)、米生産者物価、水星逆行(→1月2日)、変化日
14日(木)機械受注、米小売売上高、輸出入物価指数、ECB理事会、株安の日L
15日(金)第三次産業活動指数、米鉱工業生産、NY連銀製造業景況感、S&Pグローバル製造業PMI、クアドラプル・ウィッチング、中国各種経済指標、株安の日L、FTSE日本指数パッシブ売買インパクト
16日(土)ASEAN首脳会議(→18日)
18日(月)日銀金融政策決定会合(→19日)、米NAHB住宅指数、NY連銀ビジネスサーベイ、独IFO景況感
19日(火)首都圏マンション販売、米住宅着工、変化日
20日(水)貿易収支、訪日外客数、米経常収支、中古住宅販売、CB消費者信頼感、
21日(木)米GDP確報値、フィラデルフィア連銀景況指数
22日(金)消費者物価、米耐久財受注、個人所得、新築住宅販売、上げの特異日
25日(月)景気先行指数、クリスマスでNY、ロンドン休場、中国製造業PMI、変化日
26日(火)失業率、企業向けサービス価格指数、米S&Pケースシラー住宅価格、FHFA住宅価格、株高の日、12月最強の日
27日(水)株高の日L
28日(木)鉱工業生産(速報)
29日(金)大納会、米中古住宅販売仮契約、シカゴ購買部協会景気指数、
31日(火)中国製造業サービス業PMI


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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