英明コラム 1月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》1月 第1週

4日(火):
年明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反発。アップルが一時3%上昇し米企業として初めて時価総額3兆ドルを突破。インテルも大幅高。長期金利が1.6%台と昨年11月下旬以来の水準に上昇。利ざや拡大の思惑から金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが上昇。航空機のボーイングとクレジットカードのアメリカン・エキスプレスも高い。原油先物の上昇を受け石油のシェブロンも上昇。
 
一方、ホーム・デポなど消費関連の一角や、日用品のP&Gなどディフェンシブセクターは軟調。薄商いの中で国債利回りは急上昇。2年債利回りは2020年3月以来の高水準に急上昇。10年債利回りは6週間ぶりの高水準に上昇。
 
日経平均株価は510円高の29031円と3日ぶりに反発。NY株高や5年ぶりの円安水準が追い風との解釈。TOPIXも2000ポイント台を回復した。東証一部の売買代金は2兆7298億円。東エレ、信越が上昇。ファーストリテ、キッコーマンが下落。
 
5日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは連日の過去最高値更新。一方NASDAQ総合とS&P500は反落。テスラなど大型株の下落が重荷となった。ISM製造業景気指数は58.7。前月の61.1から低下し、昨年1月以来の低水準。市場予想の60も下回った。価格指数は68.2と、前月の82.4から低下。11年10月以来の大幅な落ち込みを記録。20年11月以来の低水準となった。
 
日経平均株価は30円高の29332円と小幅続伸。東証マザーズ指数は3日続落。東証一の売買代金は3兆1333億円。トヨタ、ソニーが上昇。塩野義、エムスリーが下落。
 
6日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は急落。NYダウは一時過去最高値を更新した場面もあった。暗転したのはFOMC議事要旨で早期利上げの可能性が示唆されたこと。S&P500とNASDAQ総合は下落幅を拡大した。ラッセル2000指数は11月26日以来の大幅安。高値圏での高所恐怖症が利上げの解釈を増幅させた印象。FF金利先物市場で3月に0.25%ポイントの利上げが決定される確率は約80%。ADP全米雇用報告で民間部門雇用者数が80万7000人増加。市場予想の40万人増を上回った。週末の雇用統計で非農業部門雇用者数は40万人増の見通し。
 
日経平均株価は844円安の28487円と3日ぶりに反落。NY株安を受けて終始売り物優勢の展開。後場下落幅を拡大し安値引けとなった。東証一部の売買代金は3兆999億円。NTT、塩野義が上昇。ソニー、ファーストリテが下落。
 
7日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は小幅続落。「金融クターが相場を支えた」との解釈。S&P500バリュー指数が0.1%高 、グロース指数は0.3%安。
メタ・プラットフォームズが2.6%高。S&P500やNASDAQ総合を下支えした。ネットフリックスが2.5%安。ISM非製造業景気指数は62.0と予想以上に減速。市場予想は66.9だった。
 
日経平均株価は9円安の28478円と小幅に3日続落。引け際に小幅高に転じた場面もあったが結局は大引けでマイナス。TOPIXも小幅続落。米雇用統計の発表を控えての様子見ムード。加えて3連休控えでの手控えモードという印象。東証1部の売買代金は3兆128億円。3日連続で3兆円超。三菱UFJ、トヨタが上昇。キーエンス、ファーストリテが下落。
 
(2) 欧米動向
 
2021年の主要3指数は過去最高値水準でともに四半期・年間で上昇。
S&P500は2020年の最終取引日から27%上昇。
終値ベースでの過去最高値を70回更新。
過去2番目に多い回数。
52週高値を47回更新し安値更新はなかった。
NYダウの年間上昇率は18.73%。
NASDAQ総合は21.4%。
52週高値を58回更新、安値は143回更新。
成長株は31%上昇しバリュー株の22%上昇を大きく上回った。
 
S&P500の2020年3月23日終値から22年1月3日の日中高値までアップルの株価は3.3倍に上昇。
GAFAMでは頭1つ抜けている。
 
<2020年3月23日以降の株価上昇率>
アップル                3.3倍
アルファベット          2.8倍
マイクロソフト          2.5倍
メタ・プラットフォームズ  2.3倍
アマゾン・ドット・コム  79%
S&P500種          2.1倍
 
(3)新興国動向
 
週末の中国株式市場はほぼ横ばい。
不動産株が政策緩和期待から反発。
ハイテク株が軟調だった。   
HSBCのリポート。
「予防的な成長促進政策が計画通りに展開されている。
しかし利益の伸びは2021年末にかけて減速した。
不動産セクターとパンデミックが依然として主要なリスクだ」との見方。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【1月】6勝4敗、(勝率60%、4位))
    気学では「新甫から買い方針。その後は戻り売り。目先に迷わず売り」。
 
1月7日(金)米雇用統計、消費者信用残高
1月10日(月)成人の日で休場、株高の日L
1月11日(水)ユーロ圏失業率、天赦日、一粒万倍日
1月12日(木)景気ウォッチャー調査、さくらレポート、上野動物園双子のパンダ公開、米消費者物価指数、ベージュブック、財政収支、中国生産者消費者物価
1月13日(木)マネーストック、トシンオフィス空室率、工作機械受注、米生産者物価指数、下げの特異日
1月14日(金)オプションSQ、東京オートサロン(幕張)、米小売り売上高、鉱工業生産、ミシガン大学消費者信頼感、中国小売売上高。最も上昇しやすいとされている日、変化日
1月17日(月)日銀金融政策決定会合(→18日)、機械受注、第3次産業活動指数、キング牧師生誕記念日でNY休場、中国各種経済指標、ダヴォス会議(延期)、株高の日L
1月18日(火)黒田日銀総裁会見、展望レポート、米NY連銀製造業景況感、独ZEW景況感、NAHB住宅価格指数
1月19日(水)米住宅着工件数、株安の日L
1月20日(木)貿易統計、米フィラデルフィア連銀製造業景況感、中古住宅販売。変化日
1月21日(金)消費者物価指数
1月24日(月)株高の日L
1月25日(火)FOMC(→26日)、米消費者信頼感、株高の日L
1月26日(水)米新築住宅販売、FOMC政策金利発表、パウエルFRB議長会見、大幅安の日L、変化日、TOPIXパッシブ売買インパクト
1月27日(木)米第4四半期GDP速報値、耐久財受注
1月28日(金)米個人所得、ミシガン大学消費者信頼感
1月31日(月)鉱工業生産、米シカゴ購買部協会景気指数、ユーロ圏GDP速報値、中国春節(→2月6日)
 
日経元旦朝刊の今年の見出しは「資本主義創り直す。競争→再挑戦→成長の好循環」。
サブタイトルは「フレキシキュリティ」。
柔軟性(フレキシビリティ)と安全性(セキュリティ)を組み合わせた造語。
1990年代にデンマークが導入した政策だという。
具体的には柔軟な労働市場と失業給付、実践的な公的職業訓練を組み合わせた政策。
「太平の敗北感を打ち消す政策」になるのかどうか。
負け犬から輝く存在に変身できるのかどうか。
時が煮詰まったのかどうか。
それば相場的にも問われる1年になるのかも知れない。
 
サンタクロース・ラリーのアノマリーが成立。
NYダウこの期間に2.36%高となって史上最高値を更新。
1月は株式市場に資金が流入しやすい季節性のいわゆる1月効果で強い展開期待。
中間選挙のある年の1月のダウには弱いジンクスがあるという。
1950年以降、上昇したのは9回、下落したのは9回で騰落数はイーブン。
平均騰落率はマイナス0.5%。
S&P500指数が平均でマイナス0.7%、
一方、NASDAQ総合指数はプラス0.01%でかろうじてプラス。
 
(兜町カタリスト 櫻井英明)
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