英明コラム 11月 第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》11月 第2週

6日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅続伸。国債利回りが4日連続で低下。10年債利回りは5週間超ぶりの低水準となり株価上昇材料視。ナスダック総合は6日、S&P500とNYダウは5日続伸。10月の雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比15万人増。18万人増とみていた市場予想以上に減速。
平均時給の前年比上昇率は約2半ぶりの低水準。失業率は3.9%に上昇し2022年1月以来の高水準。週間でS&P500が5.9%高、ナスダック総合が6.6%高。両指数とも2022年11月以来最大の上昇。NYダウは5.1%高で22年10月下旬以来の大幅高。
 
日経平均株価は758円高の32708円と今年最大の上昇幅で大幅続伸。上昇幅は一時800円を越えた場面があった。東証プライムの売買代金は5兆1766億円。東エレク、トヨタが上昇。アステラス、花王が下落。
 
7日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。NYダウは6日続伸で9月20日以来の高値。ただ前週に1600ドル余り上昇した反動で主力銘柄の一部には利益確定の売りも出やすく、指数の上値は重かった。前週末にかけて低下基調を強めていた米長期金利は4.6%台後半に上昇(前週末終値は4.57%)。
「株式の相対的な割高感が意識されたのも相場の重荷」との解釈だ。
 
日経平均株価は436円安の32272円と5日ぶりに反落。「短期的な過熱感を警戒した売りが優勢」との解釈。前日までの4日続伸で合計上昇幅が2000円を超えており、利益確定や戻り待ちの売りに押された。東証プライムの売買代金は3兆9299億円。日立造、旭化成が上昇。NTTデータ、京王が下落。日経平均のEPSは2180円(前日2182円、直近ボトムは9月28日2056円)。週末に一気に80円増加し月曜に15円増加。8月24日の2145円を上抜けた。
 
8日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500が7日続伸、ナスダックは8日続伸。どちらも2年ぶりの連騰記録となった。NYダウは7日続伸で7月に記録した13連騰以来。FRBの利上げサイクルが終了したとの観測を背景に米国債利回りが低下。超大型グロース株が上昇を主導した格好。
 
日経平均株価は105円安の32166円と続落。高値警戒感が根強い印象。東証プライムの売買代金は4兆8165億円。任天堂、マツダが上昇。SBG、明治HDが下落。
 
9日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は小動き。S&P500は8日続伸。ナスダック総合は9日続伸。NYダウは8日ぶりに小幅反落。パウエルFRB議長は出席したイベントで発言したが、金融政策について言及しなかった。ドル円は150円台後半。一時151.03円まで上昇。
 
日経平均株価は479円高の32646円と3日ぶりに反発。「米ハイテク株高や外国為替市場の円安・ドル高を背景に海外短期筋とみられる株価指数先物への断続的な買い」との解釈。一時151円台まで円安・ドル高が進んだことも追い風。東証プライムの売買代金は4兆444億円。レーザーテック、ファーストリテが上昇。リクルート、ソニーGが下落。
 
10日(金):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。パウエル発言や30年国債入札の不調などが材料視されるが長期上昇の反動と見た方がよかろう。ナスダック総合とS&P500の連騰記録は止まった。ウォルト・ディズニー)が6.9%高。アームが5.2%安。
 
日経平均株価は78円安の32568と反落。暫定SQ値32454円をは終値で上回った。長期金利の上昇を警戒して売り物優勢との解釈。下落幅は一時400円近くまで拡大した。「寄り付きでSQ値算出を通過し、利益確定売りが膨らみやすかった」という声もある。SBGが8%安。1銘柄で日経平均を100円押し下げた。TOPIXは小幅反発。東証プライムの売買代金は4兆1106億円。東エレク、セコムが上昇。SBG、ファーストリテが下落。
 
(2) 欧米動向
 
NY連銀第3四半期の家計債務・信用統計で米国内の家計債務は1.3%増の17兆2900億ドル。
クレジットカードの債務残高が4.7%増の1兆0800億ドルとなった。
学生ローン残高は300億ドル増の1兆6000億ドルだった。
住宅ローンの新規組成額は3860億ドル。
住宅ローン残高全体では1260億ドル増の12兆1400億ドル。
自動車ローン残高は130億ドル増の1兆6000億ドル。
「2011年以来の増加基調が継続している」との見方。
 
 
(3)新興国動向
 
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が会談の予定。
米中首脳の対面の会談は1年ぶり。
カリフォルニア州サンフランシスコで開催されるAPEC首脳会議に合わせて行われる。
会談では、イスラエルとハマスの戦争からロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮とロシアとの関係、台湾問題、インド太平洋、人権、「公正な」貿易と経済関係など多岐にわたる見通し。
 
 
【展望】
 
【11月】(過去10年は9勝1敗、勝率90%)
押し目買い人気と戻り売り人気の競合から下旬安。
アノマリーは「11月は中間決算ラッシュで大化け銘柄多数出現」。
 
13日(月)国内企業物価、株安の日、11月最弱の日
14日(火)米消費者物価指数、独ZEW景況感、株高の日L、変化日
15日(水)実質GDP速報値、鉱工業生産、米小売売上高、生産者物価、NY連銀製造業景況感、中国各種経済指標、APEC首脳会合(→17日、サンフランシスコ)
16日(木)機械受注、米輸入物価、鉱工業生産、フィラデルフイア連銀景況感
17日(金)米NAHB住宅指数、住宅着工件数、ウィッチング
20日(月)変化日
21日(火)景気先行指数、株高の日L
22日(水)米中古住宅販売、中古住宅販売件数、耐久財受注、株高の日L、11月最強の日
23日(木)勤労感謝の日で東京休場 、米感謝祭
24日(金)全国消費者物価、米製造業PMI、サービス業PMI、コンポジットPMI、ブラックフライデー、独IFO景況感 株安の日L
27日(月)11月最終日を含む週は株高アノマリー、米新規住宅販売、サイバーマンデー
28日(火)ケースシラー住宅価格、株高の日L
29日(水)国際ロボット展(ビッグサイト→12月2日)、CCB消費者信頼感、実質GDP改定値、株高の日L
30日(木)鉱工業生産、住宅着工件数、米ベージュブック、個人所得、PCEデフレーター、シカゴ購買部協会景気指数、COP28(UAE→12月12日)、変化日、MSCI日本株パッシブ売買インパクト
 


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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