英明コラム 7月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 7月 第3週

19日(火):
週末のNY株式市場で主要3指数は大幅上昇。シティグループ決算の減益幅が予想より小幅だったことを好感。「JPモルガンとモルガン・スタンレーの減益決算を受け売りが先行した前日とは対照的」との観測。要はウィッチィング通過とした方がすっきりする。あるいはCPIで1%まで高まった利上げ観測が0.75%に戻っただけ。究極のマイナス材料を持ち出して修正するいつものクセだ。

週明けのNY株式市場で主要3指数は反落。NYダウは500ドル以上の上昇から下落に転じた。銀行セクターが序盤の上昇を縮小。ゴールドマンは第2四半期利益が48%減少したものの市場予想は上回り2.5%高。アップルが来年の採用や支出を減速させる計画という報道が嫌気され2.1%安。

日経平均株価は173円高の26961円と4日続伸。終値としては6月28日以来3週間ぶりの水準。東証ブライムの売買代金は2兆4278億円。ファーストリテ、ダイキンが上昇。エムスリー、第一三共が下落。

20日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は大幅反発。S&P500種は2.8%高。終値ベースで6月9日以来の高値水準を回復。NASDAQ総合は3.1%上昇。6月24日以来の大幅な上昇率。ラッセル2000は3.5%高。「大手銀行に続き予想を上回る企業決算が相次いだ」という解釈だ。

日経平均株価は718円高の27680円と5日続伸。買い戻し中心に上昇したとの解釈。200日移動平均を上回った。東証ブライム市場の売買代金は2兆8749億円。日経平均採用銘柄で下落したのは3銘柄だった。東エレ、ファーストリテが上昇。長谷工、IHIが下落。
日経平均の騰落レシオは119.94(前日106.41)。サイコロは10勝2敗で83.33%。7月に下げたのは1日、6日、12日の3日だけ。

21日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は続伸。ネットフリックスなど企業の好業績が好感された格好。ネットフリックスは7.4%高。これを受けて成長株が買われた。アップル、アマゾン、マイクロソフト、メタが上昇、テスラの第2四半期決算は増益で時間外取引で2%上昇。10年国債利回りは3.030%。2年国債利回りは3.235%。2年債と10年債の逆イールドは約0.2%。前日には一時0.344%まで拡大、2000年以降で最大となった。 

日経平均株価は122円高の2780円と6日続伸。日銀金融政策決定会合で金融政策現状維持となりこれを好感して後場買い物優勢の展開。東証ブライム市場の売買代金は2兆5079億円。ファナック、ダイキンが上昇。塩野義、東電が下落。


22日(金):

木曜のNY株式市場で主要3指数は4日続伸。予想を上回る四半期決算を発表したテスラなど大型成長株が買い物優勢の展開。通信株やエネルギー株の下げを相殺し終盤にかけて値を上げた。アマゾン・ドット・コムとアップルはいずれも1.5%高。S&P500は終値ベースで6月9日以来の高値を回復。

週間新規失業保険申請件数は前週比7000件増加し25万1000件。増加は3週連続。昨年11月以来8カ月ぶりの高水準。市場予想は24万件だった。フィラデルフィア地区連銀業況指数はマイナス12.3。6月のマイナス3.3から低下した。マイナス圏となるのは2カ月連続で2020年5月以来の低水準。

日経平均株価は111円高の27914円と7日続伸。6月9日以来の高値水準を回復した。東証ブライムの売買代金は2兆6252億円。川船、東エレが上昇。ホンダ、東京海上が下落。


(2) 欧米動向

火曜のNY株式市場。
米動画配信サービス大手・ネットフリックスは第2四半期の契約者数が97万人減少したと発表。
4月時点の自社予想である200万人減よりも小幅な減少。
第3四半期にはプラスの伸びを回復するという見通し。
時間外取引で、ネットフリックスの株価は7%上昇。
利益と売上高は予想を上回ったが、ドル高を理由に通年の業績見通しを下方修正したJ&Jは1.5%安。
ドル高の影響により為替に関する年間の打撃が約35億ドルとしたIBMは5.2%安。
「株価が上に行きたがっている傾向が先。
それに沿って適藤な強気材料を見つけ出している印象」という声もある。
「今は債券ではなく株が旬」という感じだ。

(3)新興国動向

BofAが19日公表した7月の月次調査。
調査したファンドマネジャーによる世界の経済成長と企業収益の見通しが過去最低水準に落ち込んだ。
この状況は「完全降伏」と表現された。
調査先の運用額は計8000億ドル規模。
株式への配分は米投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻に端を発した2008年世界金融危機以来の水準まで落ち込んだ。
現金の保有率が6%超。
過去20年超で最も高い水準。
「投資家の極めて悲観的な見方」との解釈だ。


【展望】

スケジュールを見てみると・・・。

【7月】5勝5敗、(勝率50%、10位)
    気学では「買いの月。吹き値は利食いして、押し目で買い戻せ」。

7月25日(月)百貨店売上高、独IFO景況感
7月26日(火)企業向けサービス価格指数、FOMC(→27日)、米CB消費者信頼感、FHFA住宅価格指数、S&P住宅価格指数、新築住宅販売、IMF世界経済見通し、下げの特異日
7月27日(水)米耐久財受注、FRB議長会見、耐久財受注、中古住宅販売仮契約、株安の日
7月28日(木)米第2四半期GDP速報値、変化日、TOPIX、東証REIT指数パッシブ売買インパクト
7月29日(金)鉱工業生産、消費動向調査、商業動態統計、米個人所得、シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者信頼感、ユーロ圏GDP速報値、上げの特異日
7月30日(土)中国製造業非製造業PMI、イスラム・ヒジュラ歴の新年
7月31日(日)中国製造業・非製造業PMI

【8月】5勝5敗、(勝率50%、10位)
    気学では「戻り売り方針一貫のとき。新安値は買い。下旬より上昇傾向」。
 
8月1日(月)自動車販売台数、米ISM製造業PMI、中国財新製造業PMI、核拡散条約再検討会議(→26日、NY)
8月2日(火)マネタリーベース、米JOLT求人件数、変化日
8月3日(水)臨時国会召集予定、米製造業受注、ISM非製造業PMI、OPEC+会合、株安の日
8月4日(木)米貿易収支、株安の日
8月5日(金)家計調査、米雇用統計、消費者信用残高、株安の日、JPX400・JPX中小型定期銘柄入れ替えの発表
8月7日(日)中国貿易収支
8月8日(月)景気ウォッチャー調査 
8月9日(火)マネーストック、変化日
8月10日(水)国内企業物価指数 都心オフィス空室率、米消費者物価指数、財政収支、中国生産者・消費者物価
8月11日(木)山の日で休場、米生産者物価
8月12日(金)オプションSQ、米輸出入物価、ミシガン大学消費者信頼感、株安の日、
         MSCI日本株指数四半期リバランス発表
8月15日(月)4−6月GDP速報値、NY連銀製造業景気指数、NAHB住宅価格指数、中国各種経済指標
8月16日(火)米住宅着工件数、鉱工業生産、独ZEW景況感
8月17日(水)貿易収支、機械受注、訪日外客数、米小売売上高
8月18日(木)米フィラデルフィア連銀製造業景況感、変化日
8月19日(金)消費者物価
8月22日(月)首都圏マンション販売、大幅高の特異日
8月23日(火)米新築住宅販売、 天赦日
8月24日(水)米耐久財受注
8月25日(木)企業向けサービス価格指数、米カンザスシティ連銀金融シンポジウム(ジャクソンホール27日)、独IFO景況感
8月26日(金)東京都区部消費者物価、米個人所得  変化日
8月27日(土)アフリカ開発会議(→28日、チュニジア)
8月29日(月)株高の日L
8月30日(火)失業率、米CB消費者信頼感、FHFA住宅価格、CS住宅価格、JPX400・JPX中小型定期銘柄入れ替え実施
8月31日(水)鉱工業生産、消費動向調査、中国製造業非製造業PMI、MSCI日本株指数パッシブ売買インパクト

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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